AMPがグーグルの通常の検索結果にまで拡大へ――準備はOK? などSEO記事まとめ10+2本
「AMPはトップニュース枠だけだから関係ない」――それが昔話になりつつある。そう、通常の検索結果にもAMPの波が来ているのだ。
ほかにも、PageSpeedで100点満点、ガイドライン違反のアフィリエイトへの対応、イノセントSEOスパム、EC販売終了ページのソフト404などなど、SEOの話題をまとめてお届けする。
AMPがグーグルの通常の検索結果にまで拡大へ――準備はOK?
開発版だけど年内に正式導入か? (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、検索結果ページの「トップニュース枠」ではなく通常の検索結果エリアにAMP対応ページを表示するモバイル検索の開発者プレビューを公開した。
楽天レシピのAMPページが表示されている検索結果のサンプルを以下に示す。AMPのラベルが付いている。
トップニュース枠に掲載されるわけではないので、ニュース系の記事である必要はない。どんなページであっても、AMP対応していれば表示のチャンスがある。
なおこれは検索ランキングを変更するものではない。もともとその順位に位置しているページに対応するAMPページがあれば、AMPページに検索結果から直接アクセスできるようにするものだ。
日本のグーグルでAMPの開発に携わっている山口氏は、こんなツイートを残している。
モバイルで検索するときは https://t.co/i74GHd6teM で見てもらって「ああ、表示速度が速いっていいことだな」というのを実感してもらえるとうれしい
— Yoshifumi YAMAGUCHI (@ymotongpoo) 2016年8月3日
公式記事には次のように書かれている。
今年の後半にはより広い範囲で私たちがより良い検索体験を提供できるよう、まずはプレビューとしてこの機能を公開します。
今はまだ開発版だが、どのような形で正式導入に至るのか注視しておこう。今はまだ様子見でよかったAMPに対応すべき日が、着々と近付いているのは確かなようだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
こうすればPageSpeed Insightsで100点満点を獲得できる!
サイト高速化のための5タイプのテクニック (webhack / 猫とウェブ技術が好き)
よく使われるライブラリとCSSを使ったサイトを高速化するための技術的な面を解説した記事。グーグルのPageSpeed Insights(ページ・スピード・インサイツ)で100点を取ることが可能だそうだ。
次の5項目に大きく分けてやるべきことを説明している。
- CSSの高速化
- JavaScriptの高速化
- HTMLの軽量化
- サーバーサイドでリソースの圧縮とキャッシュ
- 読み込むリソースの削減
ただし、かなり長い記事で技術的な説明が多いため、実際に自分ですべて理解して実行するのは厳しいだろう。その場合は、サイトを構築したチームのスタッフや制作会社の人に「こういう情報を参考に高速化してほしい」と伝えるのがいい。
記事の最後に書かれている次の内容が、それを表している。
SEOを目的としたページ速度向上はサイトのトップページだけ速くしてPageSpeedで良い点を取っても効果が薄いです。
(中略)
そのためにはサイトを構成する一番上から下までに存在するボトルネックを1つずつ見つけて解消する必要があり、それを通して行うには相応の知識が必要です。
SEOのためサイト速くする、という話は決して軽い話ではありません。サイトを開発・運用している現場と相談の上で進めるのをおススメします。
最も厄介なスパムは、それが正しいとサイト管理者が信じてやるもの
アメブロSEO担当者の苦悩 (木村賢 on ツイッター)
アメーバブログのSEOを担当している木村氏による、苦悩にも見えるツイートを紹介する。話題は「よくわからずにSEOスパムをしてしまう人たち」だ。
もう、こんな原始時代のスパムやめようよ・・・。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月29日
化石だよ。
なぜこれをやろうと思ったのか。これを教えている人がいるとしたらそっちが悪だ。。ここまで来るとブロガーさんは罪の意識がない気がするもんな。。 pic.twitter.com/G172rHulyP
CGM上でSEOスパムをやっている人の8割ぐらいは「効果があるって聞いたから」「あのお方が指示されてるから」みたいなそれが"スパム"という悪行であるということを知らないんだと思う。そして、それが効果がそもそも出ないものだとも思っていなくて「やり方はわるいのかな?」と思っている。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月29日
多くの結果としてスパマーになってしまっている人は実際は一部の親玉たちのカモになっている被害者でもある。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月29日
スパムの取り締まりは、騙されている人を助けるという行為でもあると思ってる。
洗脳状態に入っている人はなかなか解けないから難しいけども。
そっか、悪質なスパムを結果としてしてしまっているブロガーさんに「誰にこのやり方を薦められましたか?」と聞いてみたらいいのか。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年7月29日
って、個人情報の観点とかでできるのか社内外の規定や規約を見てみないといけないけども。
悪いと承知でガイドライン違反するスパマーも厄介だが、悪いと知らずに(むしろ正しいと勘違いして)違反を犯してしまう一般のサイト運用者が、特にCGMサービスにおいてはいちばん厄介なのかもしれない。
「SEOに効果がある」が信じられない3つの理由
情報の取捨選択もSEOに成功するには大切 (死ぬまでWEB屋)
「SEOに効果がある」という言葉をうかつに信じるべきではないということを主張した記事を紹介する。
記事執筆者がそう主張する理由は3つある。
- 情報の信頼性 ―― 二次情報、三次情報だったり、「みんながそう言っているから」だったりと信頼性に欠けることが多い。
- 情報の適応性 ―― たとえ大量のデータをもとにした検証した結果だったとしても、検索全体から見ればほんの一部分。それがどのサイトにも当てはまるとは限らない。
- 情報の更新スピード ―― 変化の激しい世界なので、今では陳腐化している情報もある。
筆者も同意だ。このコラムでピックアップする記事もこれらの3つを損なうことがないように吟味している。
グーグル社員の発言を取り上げることが多いのは信頼性のためだし、古い情報を避けるためにも最新の情報を選んでいる。また、このコラムの主要な読者層である企業のWeb担当者さんに役立ちそうな情報をメインにし、誤解を生まず、正しく理解してもらえるように、必要に応じて補足している。
筆者の個人的な意見だが、そもそも「SEOに効果がある」という言葉には、「検索エンジンを操作して(不相応に)上位表示させる」というニュアンスを感じている。そうではなく、「素晴らしいコンテンツを提供できていて、その素晴らしさを検索エンジンに的確に理解させられる」という意味でのSEOに効果がある情報を選んで紹介したいと思っている。
SEOに関する情報は、あふれるほど存在している。そのなかから「信頼に足る情報」「自分に必要な情報」を取捨選択する能力も、SEOに成功するうえでは非常に重要だ。
たとえば、グーグルのRankBrain(ランクブレイン)に関する記事は世の中にたくさんあるが、筆者からするとそのほとんどは事実を反映していない(辛辣に言えば、読むに値しない)。だが、正しい情報を選べればいいというわけでもない。極論を言うと、一般のウェブ担当者がRankBrainに関して理解する必要はゼロだ。知らなくても何も問題ないし、知って何かできることがあるわけでもない。
なぜならRankBrainは、クエリをより適切に理解し、そのクエリに対して最も関連性が高いコンテンツを検索結果で返すためのアルゴリズムだからだ。たとえそれまでになかった未知のクエリだったとしても解釈できる能力を備えている。
ユーザーの疑問や悩みを解決したり、手にしたい情報を提供できていたりすれば、プラスの影響を受けることはあってもマイナスの影響を受けることはないだろう。特別な対応は不要だ。ゆえにRankBrainについて知らなくてもいいのだ。
一方、AMPはどうだろうか?
グーグルはAMPを猛烈にプッシュしている。ユーザーは速い表示を求めている。「どんなサイトでもすぐAMPに取り組むべきだ」と言うつもりはないが、「自分のサイトをAMPに対応させるべきかどうか」は判断できるようにしておく価値は高い。
したがって、AMPに対しては無関心でいるべきではない。少なくとも現状を知っておくことは大切だろう。
このコーナーは、そんな風に考えながら執筆していることを、この機会に知っておいていただければと思う。
ガイドライン違反のアフィリエイトへの対応、アダルトサイトの年齢認証とクローキングなど7月2回目のオフィスアワー
「グーグルとウェブマスターは対等」発言あり (ウェブマスター オフィスアワー)
グーグルの社員がウェブマスターの質問に答える「ウェブマスターオフィスアワー」の7月第2回が開催された。
金谷氏と長山氏が、次のような質問に回答している。
- ガイドラインに違反しているアフィリエイトサイトへのグーグルの対応
- アダルトサイトの年齢認証とクローキング
- 表示件数が極端に少ないブランド系クエリの検索結果
- Search Consoleで指摘されるtitleタグの重複
- 構造化データのポリシー
- 検索におけるA/Bテスト実行時の注意点
- 突然順位が下落した理由
- XMLサイトマップに含めるURL
- URLの階層
- 否認したリンクのレポート
- 「プロパティの健全性に重大な問題」警告の対処方法
今回は、なかなか鋭い質問が多いので、録画でチェックしてほしい。
また、24分10秒くらいから始まる長山氏と金谷氏の発言はぜひ聞いてほしい。要約すると次のようなことを話している。
グーグルがすべてを一方的に決めているように考えられているが、そうではない。
グーグルは検索ユーザーのことを考えてガイドラインを定めているに過ぎない。グーグル検索のことを気にしないのであれば、ガイドラインも手動対策も気にしなくていい。
だが、グーグルは、ウェブマスターと自分たちと対等の立場にいると考えている。グーグルは検索ユーザーのことを考えるし、ウェブマスターは自分のサイトのユーザーのことを大事に考えている。
双方が歩み寄って、よりよい関係を築いていけるといい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
「リダイレクトによるPageRank喪失」仕様変更と、低品質コンテンツの対処に関する記事を今週はピックアップ。
- 「301/302リダイレクトでPageRankが失われることはもうない」とGoogle社員が認める
これで余計なことは気にせずにリダイレクトできる - 低品質ページが多いからといってGoogleのアルゴリズム評価が下がるとは限らない、しかしユーザー体験の観点からは削除すべき
削除よりも改善がベター
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