衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

【速報】ついに登場したGoogleアナリティクスの新ユーザーインターフェースを画面付きで詳細解説!

ついにGAの新画面が適用されはじめた。今回の変更ではいくつかの機能がなくなり、画面全体に影響がある。新旧の画面を比較しながら速報をお伝えする。

ついに、Googleアナリティクスの新しいユーザーインターフェースが適用され始めた。みなさんの画面はいかがだろうか? 筆者のアカウントでも確認できたので、今回は予定を変更してどこが変わったのかの速報をお伝えする。

先週(2017年2月5日~2月11日)に、多くのユーザーが新しいユーザーインターフェースが来たと報告しており、グーグルの中の人も「5割のユーザーに対して今週リリースした」とツイートしていた。このタイミングで多くの人のユーザーインターフェースが変わったと考えてよいだろう。

2016年10月10日にGoogleアナリティクス公式サイト(英語版)で、「数週間以内にGoogleアナリティクスの新しいユーザーインターフェースに切り替える」というアナウンスがあってから4か月が経過しての実装だ。

今回は一部のレポートや表記だけではなく、全体的に変更が加えられている。新旧の画面を交えて詳しく見ていこう。

今回の主な変更点
  • 最後に見ていたビューが記憶されるように変更
  • 標準の表示期間が7日間に変更
  • レポート画面の上部と左側のメニューが整理・統合
  • 「インテリジェンス イベント」が「カスタム アラート」に集約
  • 「ページ解析」が機能ごと消滅
  • 細かな日本語表記が変更
  • カスタム レポートなどの表示方法が変更

最後に見ていたビューが記憶されて次回ログイン時に表示される

まずはログイン画面だ。従来は、ログイン後の「ホーム」画面(図1赤枠部分)から閲覧したいビュー(図1青枠部分)を毎回クリックして該当ビューのレポートを表示する方式だった。

図1:Googleアナリティクスの「ホーム」画面
旧画面図1:Googleアナリティクスの「ホーム」画面

新画面ではログイン後、[ユーザー]>[概要]レポート(旧[サマリー])がすぐに表示されるようになった(図2)。Googleアナリティクスを前回最後に見ていたビューが記憶され、それが最初の閲覧ビューになる。いつも見るビューが決まっているなら、ビューを選択する手順を省略できるだろう。一方で、ログイン後の手順が変わるので社内向けに手順書などを用意しているなら修正が必要になる。

図2:[ユーザー]>[概要(旧サマリー)]レポート
新画面図2:[ユーザー]>[概要(旧サマリー)]レポート

初めて新しいユーザーインターフェースを使うときだけ、クイックガイド表示が現れる(図2赤枠部分)。表示内の「はい」(図2青枠部分)をクリックすると、どの場所がどのように変わったのかを説明してくれる。確認したい人はここを見ておくとよいだろう。順番に全部見ていくと、図2の表示以外に最大6つのクイックガイドが表示される。

別のアカウントやプロパティのビューに切り替えたい場合は、左上の箇所(図2緑枠部分)をクリックすれば、アカウント、プロパティ、ビューを選択できる機能が表示される(図3)。これは従来どおりだ。

図3:閲覧ビューの選択画面(新旧画面ともに共通)
図3:閲覧ビューの選択画面(新旧画面で変わらず)

標準の表示期間が31日間から7日間に。標準の表示期間は設定可能

従来はレポート対象期間は「直近の31日間」が自動的に選択されるようになっていたが(図4赤枠部分)、これが新画面では直近の7日間が選択されるようになった。次の図4は旧画面だが、新画面では2/4~2/10が選択されるということだ。

図4:デフォルトのレポート対象期間
旧画面図4:デフォルトのレポート対象期間

そして、表示期間の初期設定を変えられるようになった。変更するには、画面右上に並んでいる機能群の右から3つ目にある点のアイコンをクリックする(図5赤枠部分)。するとメニューが表示されるので、一番上の「ユーザー設定」(図6赤枠部分)をクリックしよう。

図5:画面右上に並んでいる点のアイコンをクリックする
新画面図5:画面右上に並んでいる点のアイコンをクリックする
図6:「ユーザー設定」をクリックする
新画面図6:「ユーザー設定」をクリックする

すると「ユーザー設定の編集」画面(図7)が表示されるので、「デフォルトの期間」のプルダウンをクリックして、好みの期間を選択しよう(図7赤枠部分)。標準で選択されている「7日間」以外に「14日間」「28日間」「30日」から選択することができる(図7青枠部分)。もちろん旧画面では、この設定項目は存在しない。

図7:デフォルトの期間の設定
新画面図7:デフォルトの期間の設定

レポート画面の上部と左側のメニューの整理・統合

続いてはレポート画面全体の構成の変化についてだ。従来、左上には「ホーム」「レポート」「カスタム」「管理」と並んでいた(図8赤枠部分)。その部分が新画面ではまるごと消滅した図9)。

図8:旧画面の左上には4つのリンクがあった
旧画面図8:旧画面の左上には4つのリンクがあった
図9:新画面の左上はメニューそのものがなくなった
新画面図9:新画面の左上はメニューそのものがなくなった

消えた4つのメニューは、新画面ではそれぞれ次の方法で利用することになる。

  • ホーム図3の機能で代替
  • レポート: 基本画面なので選択する必要なし
  • カスタム: 左側のメニュー上部にある[カスタム](図10黒枠部分)配下に移動(図10赤枠部分)
  • 管理: 左側のメニュー下部に移動(図6青枠部分)
図10:画面左側のメニュー
新画面図10:画面左側のメニュー

折りたたんで隠してもアイコンが表示される

左側のメニューを折りたたんでレポート画面を広く使う機能にも変更がある。従来は上部にメニューを折りたたむボタンがあったが(図11赤枠部分)、新画面では下部に移動した(図10緑枠部分)。左側のメニューを折りたたんだ状態が図12だ。

図11:従来はメニューの上部に折りたたむボタンがあった
旧画面図11:従来はメニューの上部に折りたたむボタンがあった
図12:左側の表示を折りたたんだ状態
新画面図12:左側の表示を折りたたんだ状態

従来のように完全に非表示になるわけではなく、「管理」画面などに移動できるリンクがアイコンで表示されるようになった図12赤枠部分)。左側のメニューを再度表示したい場合は、一番下の「>」ボタンをもう一度クリックすればよい(図12青枠部分)。

「インテリジェンス イベント」は消滅。「カスタム アラート」に集約

また従来の画面の左側の表示部の第一階層にあった、「マイレポート一覧」「ショートカット」「インテリジェンス イベント」の3つが(図13赤枠部分)、新画面では新しい「カスタム」の配下に移動した(図14)。

図13:画面左側にあった「インテリジェンス イベント」は消滅した
旧画面図13:画面左側にあった「インテリジェンス イベント」は消滅した
図14:「カスタム」配下の表示
新画面図14:「カスタム」配下の表示

「インテリジェンス イベント」は自動アラートの機能自体が消滅し(図15赤枠部分)、名前も「カスタム アラート」に集約された形だ(図14赤枠部分)。「インテリジェンス イベント」が消滅したことにあわせて、配下にあった「日別のイベント」「週別のイベント」「月別のイベント」(図15青枠部分)も消滅した。

図15:従来の「インテリジェンス イベント」にあった「自動アラート」機能自体が消滅
旧画面図15:従来の「インテリジェンス イベント」にあった「自動アラート」機能自体が消滅

また、使い勝手の点では左側のメニューは従来は複数の項目を開くことができるアコーディオンメニューだったが、新画面では1つしか開くことができないアコーディオンメニューに変わった。つまり、別のメニュー配下の階層を表示すると、これまで表示していた階層が閉じられる。

「ページ解析」機能も消滅。レポート内のタブも削除

「自動アラート」の他になくなったレポートは、[行動]>[ページ解析]レポートだ図16赤枠部分)。同様のレポートは[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート内のタブでも見ることができたが、こちらも消滅した(図17赤枠部分)。

図16:[行動]>[ページ解析]は消滅した
旧画面図16:[行動]>[ページ解析]は消滅した
図17:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートにあった[ページ解析]タブもなくなった
旧画面図17:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートにあった[ページ解析]タブもなくなった

[管理]>[プロパティ設定]内には、まだこの「ページ解析」機能に関係した設定項目が残っているが、Googleアナリティクス本体からレポートはなくなっているので、いずれ消滅するだろう。

「ページ解析」は独自の進化をするのかも?

「ページ解析」機能は、Googleアナリティクス本体からは消滅したが、昔からあるグーグル公式のChrome 拡張機能「Page Analytics」は依然として利用できるようだ。この「Page Analytics」はページ解析の代替の機能として昔からあるのだが、今後は独自の進化をするのかもしれない。本記事とは直接関係ないので、こちらについては解説しない。

図18:拡張機能「Page Analytics」はまだ使えている
図18:拡張機能「Page Analytics」はまだ使えている

細かな日本語表記も変更されたが、必要以上に気にせずOK

他に細かいところでは、従来の「サマリー」(図16青枠部分)が「概要」と表記が変更がされていたり、「ウェブテスト」(図16緑枠部分)が「テスト」になったりしている。

こうした表記の変更は他にもたくさんあるが、まだしばらく日本語表記は揺れ動く可能性もあるので、大騒ぎすることはない。表記は今後も変更がありそうなので、あえてここでは紹介は割愛する。どうしても今知りたい人は、次の速報記事などを参照してほしい。

  • 【追記アリ】ページ解析がなくなった!Googleアナリティクスの新UIが反映されてきているので現時点でわかる変更点などを(運営堂)
    http://www.uneidou.com/14092.php

  • Googleアナリティクスの新UIが来たので主にメニュー部分の変更箇所まとめ(2017.1.30時点)(ナンバー)
    http://nmbr.jp/blog/2017/01/30215121.html

他にも、従来から存在している「eコマース」に「新規」マークが付くなど不思議な箇所もあるが(図19赤枠部分)、各所の表記はいずれきれいに固定されると思われるので、必要以上に気にしなくてよい。

図19:[コンバージョン]セクションのレポート群
新画面図19:[コンバージョン]セクションのレポート群

別のカスタム レポートに移るにはクリック1回余計に必要になる

最後はカスタム レポートだ。従来の画面では、現在見ているカスタム レポート(図20赤枠部分)から別のカスタム レポートのタイトル(図20青枠部分)が見えていたので、1回のクリックで移動することができた。

図20:カスタム レポート
旧画面図20:カスタム レポート

しかし新画面では「カスタム レポート」という表示に変化がないので、いったんカスタム レポート(図21赤枠部分)をクリックして、レポート一覧画面を表示させてから、別のカスタム レポートをクリックして移動する必要がある。これまでカスタム レポートを使っていた人は、一瞬戸惑うのではないだろうか。

図21:カスタム レポート
新画面図21:カスタム レポート

この構造は「マイレポート一覧」や「ショートカット」などでも同じだ。たとえば別のショートカットへ移動したい場合には、「ショートカット」(図21青枠部分)をクリックしてショートカットの一覧から目的のレポートをクリックして移動する必要がある。

今回の新しいユーザーインターフェースの変更点をお伝えした。いくつかの機能がなくなったものの基本的な部分は変わっていないので、今までどおり何度か触っていればすぐに慣れるだろう。

◇◇◇

📝筆者が継続的に主催している講座群(Google アナリティクス中心)に興味がある方はこちらをご確認ください。
http://xfusion.jp/train.html

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

EC
「EC」は、Electronic Commerce(電子商取引)の略。Eコマース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]