Googleが参照元アクセスとしてFacebookを逆転! ソーシャル集中から使い分けへ【SEO記事12本まとめ】
「今ドキ集客ならSEOよりソーシャルでしょ」と思っているあなた、少し気にしたい調査データがある。メディアサイトが獲得したトラフィックの参照元において、グーグルがフェイスブックを追い越したという報告があったのだ。
ほかにも、
「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド、大幅改訂」
「医療・健康関連のグーグルアップデート続報」
「アドレス変更ツールは、サイトの統合・分割には使えない」
「音声検索のデータ欲しい人、この指とまれ!」
などなど、SEOに役立つ情報を今週もまとめてお届けする。
今週のピックアップ
Googleからの参照アクセスがFacebook経由を逆転! ソーシャル全盛の流れに変化
卵は一つのカゴに盛るな (Recode) 海外情報
今ドキ、SEOなんてやってる場合じゃない!
ユーザーはソーシャルメディアにいる時代なのだから!
こうした意識の人も多くいるのではないだろうか。しかし、あなたが考えている状況と現状は、どうやら少し違ってきているのかもしれない。
というのも、メディアサイトが獲得したトラフィックの参照元において、グーグルがフェイスブックを追い越したという報告があったのだ。
もちろん、実際にソーシャルメディア上でユーザーが過ごす時間が長くなっている今、「SEOだけしていればいい」状況ではなくなっているのは、厳然たる事実だ。
それどころか、ユーザーの興味関心を喚起し、ユーザーを惹き付けて、企業や製品のストーリーを知ってもらい、エンゲージメントを重ねるというマーケティング全体において、ソーシャルメディアは欠かせない。
インターネットメディア(パブリッシャー)の集客チャネルも、歴史的には変わってきている。
- URL直入力+ブックマーク
- ディレクトリ型検索エンジン
- 検索エンジン
- ソーシャルブックマーク系サービス
- ソーシャルメディア
さらに「分散メディア」と表現されるようにソーシャルメディア内で情報本体に触れてもらう形も増えているいま、ソーシャルメディアを主要な顧客接点としているメディアも多いだろう(Web担当者Forumも、いいね!数を見るにFacebookでのシェアの重要性は高そうだ)。
しかし、アクセス解析プラットフォームのparse.ly(パースリー)が公開したデータによると、パブリッシャーが獲得したトラフィックの参照元において、グーグルがフェイスブックを追い越したそうだ。
パースリーのデータの元になっているのは約2,500のパブリッシャー(ニュースやメディア)サイトで、ワシントンポストやハフィントンポストといった大手ニュースサイトも含まれる。
2017年1月の時点では、グーグルとフェイスブックそれぞれの参照元アクセスの比率は次のような状況だった。フェイスブックのほうが多かったのだ。
- グーグル ―― 34%
- フェイスブック ―― 39%
ところがグーグルは上昇傾向が続き、逆にフェイスブックは下降傾向が続いた。6月くらいに逆転し、11月時点では次のように、グーグルがフェイスブックの1.7倍弱になっている。
- グーグル ―― 44%
- フェイスブック ―― 26%
グーグルとフェイスブックの参照トラフィックが逆転した理由は何だろうか? 筆者はフェイスブックの「企業が情報を届けたいならば広告を使うべし」という方向性がすぐに思い浮かんだのだが、元記事では次のようなことを可能性として挙げている。
フェイスブックによるニュースフィードの頻繁なアルゴリズム更新(特に「友だち」からの投稿を優先する方向性)
インスタント記事の利用低下
動画をフェイスブックに直接投稿するパブリッシャーが増え、リンクを張ることが減った。記事よりも動画を優先表示するようになったフェイスブックのアルゴリズム変更も影響したかもしれない。
パブリッシャーサイトがAMPを採用し、グーグル検索の上位に表示されるトップニュースからのトラフィックが増えた。
ただし注意してほしい「集客手段として、グーグルの方が優れていて、フェイスブックは落ち目だ」と言いたいためにこの情報をピックアップしたわけではない。
理解してほしいのは、次の3点だ。
「検索」と「ソーシャルメディア」では、ユーザーが利用している意図やモードが異なる。だから、ユーザーの利用意図とマーケティングアプローチによってうまく併用・使い分けするのが大切だ。
「図書館と遊園地、どちらのほうに人が多くいるか」を比べることに意味がないのと同様に、グーグルとフェイスブックを単純に比べることにも意味はない。
AMPのようにビジネスモデルにぴったりはまった仕組みを上手に利用すれば、トラフィックを大きく伸ばせることもある。
しかし、グーグルにしてもフェイスブックにしても、アルゴリズム変更や仕様変更のように、ウェブ担当者側ではどうにも対処できないことが今後も生まれることは大前提。
そもそも「サイトに来てもらう」ことをすべての前提として考えるべき時代ではない。ウェブ担当者がそう思っていても、プラットフォーム側では、検索結果ページでユーザーのニーズを満たしてしまう表示や、ソーシャルメディア内でコンテンツ消化まで完結する分散メディア化などが進んでいる。そうした状況を踏まえて施策を考えるべきである。
「卵は一つのカゴに盛るな」という格言が投資の世界にあるように、ウェブサイト運用においても、単一のサービスに頼った集客は不安定だ。また、顧客の状態ごとにアプローチを設計していけば、そんな単純な施策だけでいいはずがない。
それぞれのサービスの特色を押さえ、全体戦略に基づいて、適切に併用・分散・使い分けしていきたいものだ。
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グーグル検索SEO情報
検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド、大幅改訂
基本のキ (Google ウェブマスター向け公式ブログ ) 国内情報
グーグルが「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」を大幅に改訂した。
ウェブマスター向けのSEO情報としては、これまでグーグルには「SEOスターター ガイド」と「ウェブマスター アカデミー」という2つの場があった。
- SEOスターター ガイド ―― 検索エンジンがウェブサイトのコンテンツを、より簡単にクロール、インデックス登録、認識できるようにするための方法を紹介
- ウェブマスター アカデミー ―― サイトを作成し、Google 検索に掲載する方法を学習するための情報やツールを提供
今回、これらの2つを統合する形で、「ユーザーフレンドリーで安全なウェブサイトの作成方法を網羅したガイド」にしたということだ。
また内容として、次のようなコンテンツを追加しているという。
- 検索エンジン最適化の必要性
- 構造化データ マークアップの追加
- モバイル フレンドリーなウェブサイトの構築
あらためて内容をチェックし、基本を確認したり、意識から抜けていた点がないかチェックしたりするといいだろう。
ちなみに老婆心ながら(中の人向けに)記載すると、「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」のページではレスポンシブ向けの画像CSSが適切に設定されておらず、モバイルでは縦横比がおかしく表示されているようだ。
また、401(認証エラー)を返すリソースが読み込まれており、コンソールにエラーログが表示されていることもあわせてお伝えしておく。
- すべてのWeb担当者 必見!
医療・健康関連のグーグルアップデートは前代未聞の規模だった!?
変化がないクエリにも今後の改良で影響が拡大する可能性あり (BuzzFeed) 国内情報
グーグルの医療・健康関連のページの評価に影響するアップデートを先週このコーナーでお伝えした。このアップデートが検索結果に及ぼした影響について、辻正浩氏のインタビューを交えてBuzzFeedの朽木氏が解説している。
「前代未聞の規模」と記事タイトルに入れているように、全体的には、不正確な医療情報が(かなり)検索結果に出なくなり、おおいに評価できるアップデートになっているようだ。
記事で辻氏は次のように答えている(前回のWeb担記事と同様に「初期の分析に基づく範囲で」という条件付きだが)。
『いしゃまち』や『ヘルスケア大学』など、記事を大量生産する手法で運営されていたメディアは、大きく順位を落としました
NAVERまとめやYahoo!知恵袋などのCGM(誰でもコンテンツを作れるメディア)も順位が急落している
ただし問題点がないわけではないようだ。辻氏によれば、次のようなサイトに関しては、変化が起きていないらしい。
- 3単語以上のキーワードなどのニッチな検索
- 「ダイエット」や「育毛」など、健康に関連してはいるが病気や薬とくらべると関係性が薄れる分野
また、本来ならば順位を落とすべきではないのに落とされてしまっているサイトもあるようだ。
私見ではありますが、信頼に足ると感じていたいくつかのサイトも、今回のアップデートで大きく検索順位を落としているケースが散見されます
だが、辻氏は次のようにも期待している。
とはいえ、今回断固たる対応を行ったことから考えると、今後も続く改善で同様の動きになる可能性は高いでしょう
(WELQ問題からの一連の流れから)私たちの声はGoogleに届く
だからこそ、引き続き、検索結果の監視と警告をしていかなければなりません
今回影響を受けたサイトはもちろんのこと、健康・医療に少しでも関連したサイトを運営しているのであれば、信頼性が確保できるように細心の注意を払ってコンテンツを公開していかなければならないだろう。
またグーグルが公式に表明しているように、一般人でも理解できるわかりやすい言葉で情報提供することも大切だ。
ネットの世界は「悪貨が良貨を駆逐する」傾向があったのだが、検索を皮切りに、今後はソーシャルメディアなども含めて「まっとうなもの」がしっかりと評価される動きが強まれば、さらに良い世界になっていくだろう。そうした流れを期待したい。
- 健康・医療に関係したサイトを運営するすべてのWeb担当者 必見!
アドレス変更ツールは、サイトの統合・分割には使えない
シンプルなドメイン名変更だけ (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
ドメイン名の変更を伴うサイト移転を実行した際には、Search Consoleのアドレス変更ツールを使うと、サイト移転をグーグルに伝えることができる。こうすることで、グーグル側での処理を進められるし、180日間はインデックス内のを新URLとして扱ってもらえる。
ただしサイトの移転ツールは、ドメイン名を変更するだけでサイトの内容や構成は基本的に同じという移転で使うものだ。つまり1対1の変更だ。
言い方を変えると、
- 複数のサイトを1つに統合した場合
- 1つのサイトを複数のサイトに分割した場合
に使う目的ではサイトの移転ツールは作られていないということだ。
なおサイトの統合や分割は、単なるドメイン名の変更よりも複雑なプロセスがグーグル側で必要になるので、ランキングの変動がより長く続くことがあるとのことだ。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
存在しないページが404を返すのは正常。何年たってもGooglebotはアクセスを繰り返す
耳タコかもしれないけど繰り返します (Google Webmasters on Twitter) 海外情報
数年前に削除したページのURLに対する404エラーが、Search Consoleのクロールエラーレポートにその後もずっと出続けることがある。こうした状態をツイッターで相談したフォロワーに、グーグルウェブマスター公式アカウントが次のように説明した。
(ページを)削除したのであれば、そのURLが404を返すのは正常です。何かを変更する必要はありません。存在しないページをクロールしたら404をレポートしますが、意図的に削除したのであれば問題ないし正常です。
It's fine to have URLs return 404 if you've removed them, there's no need to change them. We show 404s when we crawl them, but if you removed them on purpose, that's fine & normal.
— Google Webmasters (@googlewmc) 2017年12月11日
このコラムで何度も取り上げているトピックなので、常連読者には「耳にタコ」かもしれない。しかし、大切な基本なので繰り返しておく。
存在しないページをGooglebotがクロールして404をレポートするのは、むしろ正常なこと
robots.txtでブロックするなどして対応する必要はない
404が発生したからといって、クロール・インデックス・ランキングに悪影響が出ることは、通常はない
Googlebotはいったん発見したURLを半永久的にクロールするので、ずっと以前に削除したページでも404のレポートに再び出てくることがある(これも気にしなくていい)
ただし、存在するページや、アクセスできるはずのページなのに、Search Console上で404がレポートされているとしたら、それは重大な問題なので調査する必要がある
- すべてのWeb担当者 必見!
ソーシャルもやってます!