「Googleはパーソナライズ検索があるからね」は昔の話!? 実はもう……【SEO記事13本まとめ】
「Googleにはパーソナライズ検索がある」は、SEO業界の人間なら知っていることだと思う。しかし実は、検索結果がパーソナライズされることは2つの状況を除いてほとんどなくなっているのを、あなたは知っていただろうか?
ほかにも、SEOに役立つ次のような情報をまとめてお届けする。
- 「これからのSEOに大切なのはE-A-T」と強調するSEO業者には要注意
- グーグルのニューラルマッチング技術は検索の30%に影響!
- SEO業界の良心が切に願うこと、それは「悪質SEO業者の撲滅」
- ファセットナビゲーションでUXとSEOを両立するノウハウとは?
- Google検索結果に自分のサイトのSEOレポートが出てきた!?
- 新SCにリッチリザルトレポートにイベントが追加
- グーグル検索が20歳。次の20年を見据えて新しい機能をリリース
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今週のピックアップ
「Googleはパーソナライズ検索があるからね」は昔の話!? 実はもう……
検索品質の改善に繋がらなかったから (CNBC) 海外情報
ユーザーに応じて検索結果を調整するパーソナライズ機能がグーグルの検索結果には適用されることがある。しかし現状では、パーソナライズ検索の影響はかなり小さくなっているようだ。
CNBCのインタビューにグーグルのナヤック氏が次のように説明している。
現在、検索はほとんどパーソナライズされない。影響するのは、ユーザーがいる場所と直前の検索の内容だけだ。
たとえば、野球に関することを検索した後に「ジャイアンツ」を検索したとしたら、検索結果にはフットボールチームは出てこないだろう。
そうした仮説をもとに、検索のパーソナライズに対してさまざまなテストを繰り返してきたグーグルだが、実際に検索結果の改善につながることはほとんどなかったそうだ。
ナヤック氏は次のように言っている。
ユーザーが続けて検索するといっても、そのコンテキスト(その時の状況や文脈)は非常に多様だ。そのため、(「直前の検索」に基づいて効果的に)パーソナライズできる場合は、そう多くはない。
検索履歴にしても頻繁に検索結果に影響するものではなさそうだ。
「パーソナライズの効果がありそうな状況」を挙げることは可能だ。しかしユーザーの検索行動全体でみると、そうした状況はかなり限られたものであることは想像に難くない。なかなか難しいことのようだ。
とはいえ、スマートフォンを外出先で使うことが普通になっている今、「場所」に影響を受ける検索結果の変化の度合いは増していると思われる。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
「これからのSEOに大切なのはE-A-T」と強調するSEO業者には要注意
E-A-Tは以前から高品質サイトに必要だった (Dawn Anderson on Twitter) 海外情報
これからのSEOには“E-A-T”が大切です
E-A-Tを重視したコンテンツで上位を狙いましょう
こんな売り込みをSEO業者から受けたことはないだろうか。
E-A-T(イーエーティ)とは、
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
の頭文字を取ったもので、高品質なサイトの条件の1つとして、グーグルの検索品質評価ガイドラインに掲載されている用語だ(詳細な解説はこちらの記事を参照)。
このE-A-Tに関して、ある著名なSEOコンサルタントが、次のような苦言をツイッターに投稿していた。
E-A-Tは、SEOを押し売りするための新しい戯言です。
検索においてE-A-Tはずっと重要でした。E-A-T(を高めること)に初めから常に取り組んでいるのが当たり前。売り込みのためにE-A-Tの重要さを説いてくるSEO屋なんて必要ありません。
EAT is the new SEO sales BS
— Dawn Anderson (@dawnieando) 2018年10月7日
EAT has always been important in search. People should always have been doing it in the first place . We don’t need SEOs looking for sales to tell us that
— Dawn Anderson (@dawnieando) 2018年10月7日
グーグルの検索品質評価ガイドラインが更新されるたびに、E-A-Tの重要性がより強調される傾向にある。そこに目を付けたSEO業者やSEOコンサルタントが、
「E-A-Tを高めるための◯◯」
「グーグルに評価されるE-A-T教えます」
などといったセールストークで売り込んでくるケースが出てきているのだろう。
よく考えてみてほしい。「専門性」「権威性」「信頼性」は、グーグルが評価ガイドラインで「E-A-T」という用語を使って説明していてもいなくても、高品質なサイトを作り上げるためには欠かせない。
ツイート主は、そうしたことを再認識し、本来するべきことをちゃんとするべきだと主張しているのだろう。まったくそのとおりだ。巧みな言葉に釣られないように注意してほしい。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグルのニューラルマッチング技術は検索の30%に影響!
検索意図に答えるコンテンツがますます重要に (Danny Sullivan on Twitter) 海外情報
グーグル検索SEOは、すでに「キーワード」で考える時代ではなく、「検索意図」で考える時代だ。実際に、グーグルの「検索意図を理解する能力」は、ニューラルネットワークという人工知能的な機能によってかなり向上しているという。
グーグル検索が20周年を迎えたことを記念した記事(この記事については後ほど別途紹介する)に、次のような段落がある。
そして今、私たちはニューラルネットワークが「単語の理解」から「概念の理解」を可能にする、大きな飛躍の局面を迎えています。
ニューラルネットワークの分野で開発された neural embedding と呼ばれる手法は、言葉をより曖昧な、根本的な概念へと変換することで、検索クエリの概念と文書の概念を対応づけることができます。私たちはこの手法を「ニューラル マッチング」と呼んでいます。
これにより、たとえばユーザーが「テレビが変なんだけどなぜ?」といったような質問をした場合、質問の単語がページに含まれていなくても、対象となるページを表示することができるようになります。 (なお、テレビの写りが変な理由としてソープオペラ効果という現象が挙げられます)。
グーグル検索のパブリック リエゾンとして活動しているダニー・サリバン氏によれば、「ニューラル マッチング」の向上は、30%のクエリに影響しているそうだ。つまり、ほぼ3つに1つの検索結果に影響を与えている。
Last few months, Google has been using neural matching, --AI method to better connect words to concepts. Super synonyms, in a way, and impacting 30% of queries. Don't know what "soap opera effect" is to search for it? We can better figure it out. pic.twitter.com/Qrwp5hKFNz
— Danny Sullivan (@dannysullivan) 2018年9月24日
「ニューラル マッチング」がどういったものなのかは、ここではさして重要ではない。重要なのは、グーグルは言葉そのものではなく、言葉の背後にある本当の意味を理解する能力を飛躍的に向上させているということだ。そしてそれは、検索結果に大きな影響を及ぼしている。
そこから導き出されるSEOの重要なポイントは次のとおりだ:
ユーザーが検索に使う「キーワード」、言い換えれば単語にフォーカスしてコンテンツを作るのではダメ。
「検索意図」にフォーカスしたコンテンツ作りが、よりいっそう重要になってくる。
すでにグーグルは、「ページにどのような単語が使われているか」ではなく、「ページに記載されている情報が検索ユーザーの意図に対応しているか」を判断して検索結果の上位の表示するページを決められるようになってきているからだ。
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SEO業界の良心が切に願うこと、それは「悪質SEO業者の撲滅」
力を合わせて草の根で取り組んでいこう (SEO 辻正浩のブログ) 国内情報
悪質なSEO業者が公益団体を騙している実態を、so.laの辻正浩氏が厳しく糾弾している。
そうした公益団体の職員でWebを担当している人は、さほどSEOに詳しいわけではないことが多い。そうした知識不足につけこんで、公益性が高い団体のサイトを有料リンク販売に悪用しているSEO業者が存在するというのだ。
手口の詳細は辻氏の暴露記事を読んでいただくとして、記事を読んだ読者に辻氏が切に願っていることをこのコラムでも伝えておきたい。
私が強く願います事は、この記事を読まれるようなみなさまが騙されがちな方を助けてほしいという事です。
知っている方が新しくインターネット上での商売を始められたら、ぜひとも下記をアドバイスしてあげてください。
「これからすぐに怪しい会社からの営業が沢山かかるが、ほぼ全て怪しい会社なので契約するべきではない」
「迷ったら信頼できる詳しい人に相談するべき」悪質な会社に騙されて、インターネットの入り口に立った企業を絶望させ、大きな可能性を持ったインターネットから離れてしまう会社が多くあることは社会にとって大きな損失です。 悪質な会社が活動しづらくなるような状況を草の根で作っていくことをお考えいただけましたら幸いです。
近年、各地のイベントで登壇しているグーグルの金谷氏は辻氏の記事を読んで、次のようにコメントしている。
SEO会社が公益団体をその毒牙にかける事は許されるか - web > SEO https://t.co/ythB5s5gPg
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya @ 東京へ (@jumpingknee) 2018年10月1日
「東京など都市圏では騙せる会社が減ったため、地方の小企業が主にターゲットとなっているようです。」
僕が積極的に呼びかけてまで地方のイベントに参加している、その理由の一つがまさにこれですね。。
みんなの力を合わせて、草の根で取り組んでいきたいものだ。
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ファセットナビゲーションでUXとSEOを両立するノウハウとは?
「全出し」ではなくUXとビジネスのバランスを (reddit) 海外情報
SEOとUXを考慮した「ファセットナビゲーション」に関する次のような質問が、レディットのSEO掲示板に投稿された。
大規模ECサイトで、ファセットナビゲーションをあらゆる組み合わせで作ろうとすると、URLも膨大になってしまう。
これはクロールバジェットの無駄遣いになってしまうのではないか? また、重複コンテンツが大量にできてしまう心配もある。
まず「ファセットナビゲーション」とは何かを、Web担の用語集から引用し補足しておく。
さまざまな切り口(要素)でサイト内検索をしたりコンテンツを選んだりできる場合に、ユーザーに検索条件を入力させるのではなく、あらかじめユーザーに使いやすいだろう検索条件をサイト側が用意しておき、ユーザーはそれを選ぶだけでコンテンツを絞り込んでいける。こういった仕組みのことを「ファセットナビゲーション」「ファセット検索」と呼ぶ。
要は、膨大な情報をさまざまな切り口で分類してアクセスしやすくする仕組みだ。たとえばWeb担でも記事一覧でファセットナビゲーションを提示しており、内容カテゴリや記事種別などを組み合わせて記事を探せるようになっている。
特に商品数が多いECサイトでは、商品カテゴリだけでは一覧に表示される商品が多すぎてユーザーが選びきれない場合がある。
そのため、ユーザーにとって判断の基準となる属性(サイズ、色、素材、容量、対応仕様、メーカー、レビューの星などなど)を選んで商品を絞り込むためのファセットナビゲーションを用意していることが多い。そうすることでユーザーが目的の商品を選びやすくし、全体的なUXを向上させられるのだ。
つまりファセットナビゲーションとは、要は「数多くのコンテンツや商品をさまざまな切り口から一覧するURLをつくる」仕組みだとも言える。
SEO観点で言うと、ファセットナビゲーションによってURL数が増えると、さまざまな検索ニーズに応えるLPが増えるという価値があるのだが、難点もある。それは、切り口が多くなればなるほど、その組み合わせが増えてしまい、URL数が膨大になってしまうことだ。あまりにもURLが多すぎると、グーグルがすべてをクロールしきれなくなる可能性がある。
では、無限とも言えるURL数があり得るファセットナビゲーションは、どのように設計するといいのだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏は次ようにアドバイスしている。
「検索数や解析データを元にして、多くの需要がある組み合わせをファセットナビゲーションの対象にするといい」という意見には完全に同意する。
むしろカテゴリページだと想定して、次のように考えてみるといい。
- その組み合わせでカテゴリページを作りたいか?
- そのカテゴリページには何を掲載したいか?
また、検索データを調査するだけではなく、ユーザーの動きも調査するといい。たとえば次のような観点が考えられる。
- ファセットページから詳細ページへと、実際にユーザーが移動しているか?
- ユーザーはコンバージョンしているか?
- そのファセットナビゲーションはユーザーにとってうまく機能していないのではないか?
余談だが、サイト内検索のデータを調べれば、「どのファセットがよく使われているか」のヒントにもなる。
すべての組み合わせでファセットナビゲーションを作る必要はない。その項目の組み合わせのページを見たいと思うユーザーが存在するかどうかを第一の指針にすればいい(観点には「そうしたユーザーが多いか」「ビジネスとして重視するユーザーがそうした情報を求めるか」などの切り口がある)。
たとえば、飲食店ガイドのサイトだったとして、次のすべての組み合わせをファセットナビゲーションとして公開する必要はないだろう。
- ランチ
- ランチ・和食
- ランチ・和食・横浜市
- ランチ・和食・横浜市・★4以上
- ランチ・和食・横浜市・★4以上・レビュー数100件以上
- ランチ・和食・横浜市・鶴見区
- ランチ・和食・横浜市・鶴見区・京急鶴見駅
- ランチ・和食・横浜市・鶴見区・京急鶴見駅・徒歩10分以内
- ランチ・和食・横浜市・鶴見区・京急鶴見駅・徒歩10分以内・★4以上・レビュー数100件以上
- ランチ・和食・横浜市・1000円以内
- ランチ・和食・横浜市・1000~2000円
- ランチ・和食・横浜市・2000~3000円
- ランチ・和食・お寿司・横浜市・2000~3000円
- ランチ・和食・お寿司・横浜市・鶴見区・京急鶴見駅・徒歩10分以内・2000~3000円
また、ファセットナビゲーションで作成したページに掲載されるアイテムが1個や2個だったり0個だったりという場合も、ファセットナビゲーションを作る必要はない。中身がないページを見たユーザーはがっかりするに違いない。
さらには、ファセットナビゲーションとして独立したページを作るにしても、(サイト内)検索結果の羅列のままではダメだ。「~の検索結果」のようなtitleタグのままではなく、通常ページのようにきちんと固有のtitleタグを設定すべきだ。そのページ固有のコンテンツ、たとえば簡潔な説明文をページ上部に設置するのがいいだろう。
ちなみに、ファセットナビゲーションで重複コンテンツを防ぐといったような技術的なベストプラクティスに関しては、グーグルが詳しく解説している。数年前の記事だが内容は古くなっていないので安心していい。
- ファセットナビゲーションを設置するすべてのWeb担当者 必見!
コメント
説に願う→切に願う
説に願う→切に願う
ご指摘ありがとうございます!
変換ミスのご指摘ありがとうございます!
修正いたしました。