国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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外部サービスのJSで生成したコンテンツがインデックスされない!?

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グーグル検索SEO情報②

外部サービスのJSで生成したコンテンツがインデックスされない!?
サービス側の環境にSEOが左右されてしまう (Search Off the Record) 海外情報

検索評価につながる可能性があるコンテンツがページにあったとしても、それが検索エンジンにインデックスされなければ意味はない。そうしたことが、外部サービスのJavaScriptを利用している場合に発生する可能性がある。

Disqus(ディスカス)という、ウェブサイトやブログにコメント機能を提供するサービスがある。一般的なブログのコメントよりも高度な機能を有しており多くのサイトで利用されている。

このディスカスを使っている場合に、ユーザーがページに投稿したコメントがグーグルにインデックスされないという障害が発生した。グーグル側の対応によってほどなくして問題は解決したのだが、この障害に関連して、グーグルで開発系のSEOを専門にしているマーティン・スプリット氏が次のように注意を促した。

サードパーティのJavaScriptを使ってコンテンツを生成することには慎重になったほうがいい

どういうことか説明する。

ディスカスは外部サービスであり、投稿されたコメントはディスカスのサーバーに保存されている。そのためコンテンツサイトのページがサーバーからブラウザに送られた時点では、HTML内にコメントは存在していない。ページ表示時にブラウザがディスカスのJavaScriptを実行してコメントを取得して表示する流れだ。

そして、ディスカスのコメントを表示するためのJavaScriptは、コンテンツサイト(つまりあなたのサイト)ではなくディスカスが運用するサーバーから読み込まれる。もしディスカスのコメント表示用JavaScriptの読み込みに問題があったとしても、サイト側でできることはほぼない。

ディスカスに限らず一般的な話で言えば、たとえば次のようなことによってJavaScriptが正常に実行できない状況が起こりえる:

  • サービス側のサーバーがJavaScriptのファイルをrobots.txtでブロックしている
  • ブラウザ(やGooglebot)がJavaScriptのレンダリングに失敗する
  • サーバーに負荷がかかっていてJavaScriptを取得できない

配信元のサーバーがJavaScriptのファイルをブロックしていたら、もうお手上げだ。あなたにはどうにもできない。

インデックスさせたいコンテンツ、言い換えれば、ランキングに重要なコンテンツを外部サービスのJavaScriptで生成する仕組みを利用しているサイトの管理者は、あなたのSEOが向こうの環境に左右されるリスクがあることを認識しておこう。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ
  • 技術がわかる人に伝えましょう

ネガティブレビューはランキングに悪影響を与えるのか?
“順位”が下がることはない (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

運営するサイトに対する否定的なレビューが書かれたウェブページが検索結果の上位に出てきたとしたら、検索ランキングに悪影響を及ぼすのだろうか?

英語版のオフィスアワーで次のような質問が出た:

自社名をグーグルで検索すると、レビューサイトからのページが出てきてリッチリザルトも表示されています。ユーザーがたくさんレビューを投稿していた場合、直接的あるいは間接的に私のサイトのランキングに影響を与えることはありえますか? 特に、否定的なレビューが書き込まれていたら順位に何らかの悪影響がありますか?

グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように答えた。

悪いレビューによってあなたのサイトのランキングが影響を受けるとは思わない。心配することはないだろう。

否定的なレビュー投稿がほかのサイトにあるからといって、検索順位に悪く影響することはなさそうだ。

ミューラー氏は、さらに次のようにも付け加えた。

ウェブにはさまざまな情報が存在する。否定的な評判があったからといって、それが即座にランキングに影響することはない。

レピュテーション マネジメント(評判管理)の一環として、自社名で検索したときに都合がいいページが検索結果を埋め尽くすように、自社名に関連するページを追加することに意味がある場合もあるかもしれないが、本当に労力を費やす価値があるかどうかは十分に検討したほうがいいだろう。

ウェブで悪い評判が公開されている場合、少なくともランキングに直接的に影響を与えることはないようだ(それを見たユーザーがどのように受け止めてどのように行動するかは別として)。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

h1よりもh5タグを先に書くとランキングが下がるか?
下がらないが正しい順番で書いておきたい (John on Twitter) 海外情報

h1タグのすぐ上にh5タグがあったら、検索での評価が悪くなりますか?

このような質問をグーグルのジョン・ミューラー氏がツイッターで尋ねられた。ミューラーは一言だけ「いいや」と答えた。

デザイン上の都合でh1タグよりもh5タグの方を先に質問者は設定しているのだそうだ(どんなデザインなのか疑問だが、それはおいておこう)。

見出しを意味する hタグの書き方としては、情報構造の大きなくくりから h1h2h3h4h5h6 の順で記述するのがHTMLの構造上は正しい。だが、HTMLが必ずしも仕様どおりに書かれていないのはウェブではよくあることで、順番が不適切だからといってそれだけでグーグルが評価を下げることはない(そもそも「間違い」でもない)。

とはいえ、検索ランキングが下がることがなければそれでいいのかというと、個人的にはそうは思わないし、放置しておくことは推奨しない。考えてみてほしい。本を読んでいて、大見出しよりも中見出し、中見出しよりも小見出しが先にきていたらあなたはどう感じるだろうか? 構成がめちゃめちゃだと感じるに違いない。

SEOに影響しないからといって、HTMLが持つ意味構造、いわゆる「セマンティック」を無視していいということにはつながらない。また、アクセシビリティの観点からもhタグは正しい順番で使用するほうが問題を起こしにくいだろう(見出し一覧の読み上げや見出しジャンプ機能など)。

このあたりの話は2年ほど前にもこのコラムで触れたことがある。もう一度読み直してほしい。

Web上のコンテンツは検索エンジンのためにではなく、その情報を必要としている人間のために作っているはずだ。その人がストレスを感じずにコンテンツを把握できるようにするほうが、仕事として「美しい」と言えるのではないだろうか。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

alt属性を設定するのはだれのため?
検索エンジンではなくユーザーのため (John on Twitter) 海外情報

HTMLで画像を配置するimg要素でのalt属性の使い方について、グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターでフォロワーが質問した。

alt属性の記述に、「-」(ハイフン)を付けるのと付けないのとでは違いが出ますか? たとえば、cat(ネコ)と dog(イヌ)の写真の場合、"cat and dog"と"cat-and-dog" のalt属性では違いが出ますか

ミューラー氏は次のように返信した。

alt属性についてはヘルプ記事に書かれている。手短に言えば、あなたの例なら、ダッシュが付いた形式ではなく普通に書けばいいだろう。

alt属性の本来の役割は、画像で伝えようとしている情報をテキストとして記載しておくことで、その画像が利用できない場合であっても訪問者が情報としてスムーズに理解できるようにすることだ。そういった状況としては、たとえば次のようなものがある:

  • 指定したURLに画像が存在しない
  • サーバーやネットワークが原因で画像を読み込めなかったり遅かったりする
  • そもそもビジュアルではなくテキストや音声で情報を把握したい(視覚障碍者向けのテキストリーダーや、テキストブラウザや、検索エンジンのロボットなど)

となれば、質問に対する反応としては「なぜハイフンを入れるなんて書き方を思いつくんだろう?」ではないだろうか。本来の役割を考えれば、ハイフンを付けることに意味はないとわかるはずだ(URLにページのタイトルをテキストとして入れる場合などからの連想なのだろうか)。

何のためにalt属性を設定するのかを理解しておけば、ハイフンに限らず似たような疑問も出てこなくなるだろう。alt属性は人間のユーザーのために付けるものだ。検索エンジンは、そのalt属性を画像の理解に利用しているに過ぎない。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

SPAのソフト404を解消する2つの方法
優劣なし、どちらも利用可能 (Martin Splitti on Twitter) 海外情報

SPA(Single Page Application: シングル ページ アプリケーション)では、エラーページなのに200のステータスコードを返してしまう、いわゆるソフト404が発生しやすい。対処方法は、グーグルの検索デベロッパーサイトに書かれている。次の 2 つの方法がある。

  • 404を返すページにリダイレクトする
  • エラーページに<meta name="robots" content="noindex">を動的に挿入する

SPAなのでどちらもJavaScriptを利用すると実装が簡単だろう。また2つのうちどちらがより適切かということはない。正しく設定されていれば、どちらも機能する。

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