h1 h2 h3 など見出しタグの順番はSEOで重要か? ランキングへの影響は?
今週のピックアップは、「グーグルSEOにおける見出しタグの扱い」の話題だ。h1・h2・h3といったHTMLタグを、見出しレベルと異なる順で使うと評価に影響があるのだろうか? どう考えるのがいいのだろうか?
ほかにも、MFI後のモバイルページとPCページの差分、グーグルが認識できないリンク、Googleマイビジネスの新ガイドライン、RSSとSEO、新Search Consoleの新しい機能、AMP採用で成約率2.1倍などなど、SEOやサイト運営に役立つ情報をまとめてお届けする。
今週のピックアップ
見出しがh1→h2→h3の順でないと、SEOに悪影響あったりします?
グーグルしか頭にない考え方はどうかと (Pedro Dias on Twitter) 海外情報
英語版オフィスアワーで次のような質問が出た。
h1タグ、h2タグ、h3タグの順番が間違っていたら問題になりますか?
(h1タグやh2タグがなく)h3タグばかりだったら問題になりますか?
グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように答えた。
実際には問題にならない。ページの内容を理解するために見出しタグを多少は使っているが、厳密に正しい順番である必要はない。
HTML 文法の観点からは、
- 最初にh1タグ
- そのサブセクションの見出しとしてh2タグ
- さらにそのサブセクションにh3タグ(以下h6タグまで利用可能)
の順番で、セマンティック的には入れ子構造にするのが正しい(見出しタグ自体は入れ子構造にはならないが)。
h2タグで示されているセクションのサブセクションにh1タグを使ったり、最初に突然h3タグを使ったりするのは、(原則として)本来の設計どおりの使い方ではない。
とは言うものの、グーグルはそれで評価を下げたりはしない。こういったタグの使い方は、ウェブではよくあるからだ。
さて、ミューラー氏のアドバイスはアドバイスとして、元グーグル社員だったペドロ・ディアス氏の反応を紹介したい。このQ&Aを聞いて、ディアス氏は次のようにコメントしている。
h1タグ、h2タグ、h◯タグの順番はグーグルにとって重要か?
重要ではない。でもユーザビリティやアクセシビリティにとっては重要だ。なのにどうして修正しないのか?
「検索ランキングに直接影響するものだけを改善すればいい」という考え方は、本当に憎むべきものだと思う。
“Is the order of Headings (H1, H2, Hn) important for Google?”
— Pedro Dias (@pedrodias) 2018年4月13日
Well no, but it’s important for Usability and Accessibility, so why wouldn’t you fix it?
I hate this mentality of only improving things if they directly influence rankings https://t.co/47FSaZLRH5
— Pedro Dias (@pedrodias) 2018年4月13日
ディアス氏は「見出しタグは、HTMLの仕様に則って厳格に使う必要がある」と原理主義の斧をふりかざしているわけではない。
そうではなく、ウェブを構成するさまざまな技術やユーザーの状況を考慮して、適切に検討するべきだというのが、意見の根本だろう。
見出しタグの順序が非論理的だったとしても、検索エンジンには問題ないだろう。しかし、ユーザーに直接関わるほかの部分で影響が出るかもしれない。たとえば、音声読み上げなどのツールでは混乱を引き起こしかねない。
実際にW3Cが公開しているWebアクセシビリティのチュートリアルでも、見出しタグは原則として順に使うように示している。
ユーザーとの接点として検索エンジンが非常に重要なのは事実だ。しかし、UX(ユーザー体験)の観点で、
- どんな人が
- どんな状況で
- どんな目的で
サイトを訪れてコンテンツに触れるのかを考えれば、もっと違う検討課題がでてくるものだろう。
SEOの担当者といえども、検索エンジン(ランキング)に関わることしか考えないという姿勢よりも、UX全体を考えたうえでSEOを検討する方向性のほうが、全体として良い成果につながるのではないだろうか。
ユーザーのこと、ユーザー体験、顧客視点を考慮したサイト運営を心がけたい。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報
MFI後、モバイル向けページに足りない情報をPC向けページから補ってくれるの?
そういうことをしないのがMFI (John Mueller on Twitter) 海外情報
モバイル ファースト インデックス(MFI)に切り替わったあとは、グーグルはモバイル向けページの内容しか見なくなる。
ということは、
- PC向けページには100の情報(文章、画像、メタデータなど)がある
- モバイル向けページには50の情報しかない(テキストが省略されていたり、メタデータがなかったりなど)
という場合は、グーグルがコンテンツを適切に評価できなくなってしまう。
しかし、グーグルがPC向けページとモバイル向けページの差分を認識し、モバイル向けページにない情報でもPC向けページにあればその分を補ってインデックスしてくれればどうだろうか? 前述のような問題は発生しないはずだ。
しかし残念ながら、グーグルはそうったことはしないようだ。
グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように述べている。
モバイル版ページとPC版ページを混ぜることはない。モバイル版ページをインデックスするなら、スマートフォン用Googlebotが見たものがインデックスするコンテンツになる。
No, we don't mix the versions. If we index the mobile version, it's only content from what the mobile smartphone Googlebot sees.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2018年4月16日
モバイル ファースト インデックスでは、モバイル向けページ(正確には、スマートフォン版Googlebotに返されるページ)がインデックスされる。
モバイル向けページにあるものはインデックスされるし、ないものはインデックスされない。
モバイル ファースト インデックスの仕組みをきちんと理解していれば、ミューラー氏の回答は自明だとも言える。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
今のグーグルも認識できないリンクの張り方に注意
ユーザーの操作が必要なリンクは認識できない (John Mueller on Twitter) 海外情報
現在のグーグルは、ページの内容を把握するのに、ユーザーがブラウザで見るときと同様に、JavaScriptやCSSを含めて「レンダリング」の処理をしている。
ということは、(昔はSEO的にはダメだった手法だが)JavaScriptで動的なサイトを作っても、グーグルはその内容を理解できるはずだ。
しかし、そうした前提でいると落とし穴があるようだ。JavaScriptを使って動的に設定するリンクについて、グーグルが認識できない場合があることを、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように説明している。
JavaScriptを使ったリンクでも、通常の
a
要素のhref
属性にリンク先をJavaScriptで指定するようなものなら問題ない。しかし、グーグルがうまく認識したりクロールしたりできない動的なリンクもある。
それは、ユーザーの動作に対応するために
onclick
イベントでリンクを追加するようにするやり方だ。
確かにグーグルはJavaScriptやCSSを解釈したうえでインデックスしている。しかし、実際にブラウザで「操作」することはない。単に「ブラウザがページをどう表示するか」を再現しているだけだ。
そのため、リンクに限らず、クリックやスクロールなどユーザーの行動によってJavaScriptで生成されるコンテンツをグーグルは通常は認識しない。
確実に認識させるには、ページを開いた時点でコンテンツが表示されている状態である必要がある。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- 技術がわかる人に伝えましょう
Googleマイビジネスでポジティブな口コミだけ集まるようにする施策はガイドライン違反!
ネガティブな口コミも参考になる (Sterling Sky Inc) 海外情報
グーグルは、Googleマイビジネスのレビュー(口コミ)のガイドラインを更新した。具体的には次の行為を禁じている。
禁止:
- 否定的なレビューを書かないように頼んだり書くことを禁止したりすること
- 肯定的なレビューだけを顧客から集めること
元記事によると、「レビューゲート」と呼ばれる仕組みを利用しているビジネスがあるようだ。その仕組みとは、次のようなものなのだという。
- サービスや製品、施設を利用した顧客にメールで感想を聞く
- 肯定的な回答をした顧客をGoogleマイビジネスのレビュー投稿ページに誘導する
- レビューを書いてもらう
2番目のステップがコツだ。まず肯定的な反応を示した顧客だけを抽出し、その人たちにレビューを書いてもらう。当然レビューは肯定的なものになるだろう。
一方で否定的な回答をした顧客にはレビュー依頼は行わず、そこで終わりにするか、個別にフォローアップする。
要は、肯定的なレビューを書いてもらえそうな顧客を選別するのだ。結果として、好意的なレビューばかりが集まるようになるわけだ。
こうしたテクニックを使っているビジネスが日本にあるかどうかはわからない。しかし使っていたり使おうとしたりしていたのならば気を付けてほしい。ガイドライン違反になる。
ユーザーにとっては、否定的なレビューも参考になる。それに、好意的なレビューしかないと、かえって怪しく感じることもありそうだ。ポジティブとネガティブ両方の意見があったほうが信頼性が増す(とはいえ、事実とは異なるネガティブレビューを書き込む、クレーマーのようなユーザーがいるは困りものだが)。
なお、この記事を書いている時点では日本語のガイドラインにはまだ更新は加わっていない。だが、日本には適用されないということは考えづらい。
- すべてのGoogleマイビジネス利用者 必見!
RSSが上位表示に直接貢献することはない
インデックス促進には役立つ (John Mueller on Twitter) 海外情報
RSSフィードを配信すると上位表示に役立ちますか?
グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターでフォロワーがこんな質問をした。
ミューラー氏は一言だけ「いいえ」と答えた。
No
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2018年4月10日
ウェブ検索でもそうだが、RSSフィードを配信したからといってそれだけで評価が上がることはありえない。通常の検索ユーザーが求めているのはRSS配信しているサイトではない。
しかし、RSSフィードがまったく検索ランキングに無意味だというわけではない。
RSSフィードはインデックス促進に役立つ。サイトマップとしてRSSフィード(とAtomフィード)を送信できる。RSSフィードで送信されたURLは普通のサイトマップで送信されたURLよりも多少早くクロールされる。
RSSフィードリーダーを利用しているアクティブなユーザーにとっては、RSSフィードを配信しているサイトは好ましい。そのため、サイトに掲載した情報に触れてもらう機会が増える。
そうしたユーザーは自ら情報を発信する立場であることも多いため、そこが起点になってソーシャルメディアで拡散され、最終的に被リンクにつながる可能性もある。
RSSフィードが直接的に検索ランキングに影響を与えることはないが、上記のようなことを含めて判断するのがいいだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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