デジタル体験に使われてもよい個人情報、1位は「性別/年齢」、最下位は「転職や引越」【アドビ×電通デジタル調べ】

情報の参照元、受け取るタイミング・方法・内容などが、デジタル体験の好感度に大きく影響する。

アドビシステムズと電通デジタルは、「消費者のデジタル体験に関するインサイトリサーチ」の調査結果を発表した。デジタル体験の好みや企業への期待について、日本の消費者1,000人から回答を得た。

参照されてもいい個人情報、1位は「性別/年齢」、最下位は「ライフスタイルの変化」

まず、「国内企業の多くが、デジタルデータ(インターネットやスマホアプリの検索・利用状況、会員情報、購買履歴、位置情報など)を企業が参照してマーケティング活動を行っていること」について、「知っていた」または「そうかもしれないと思ったことがある」と61.7%の消費者が回答した。

 

「企業に“デモグラフィック情報”(性別、年齢、住所、収入、職業、学歴など)の個人情報を参照されても構わないか」と聞くと、「参照されたくない」53.5%、「参照されてもよい」46.5%とほぼ拮抗。「どのようなデータであれば参照されても構わないか」を聞くと、「性別/年齢」37.1%が1位。以下「趣味/興味/関心」22.2%、「生年月日」16.1%が続く。一方、「転職や引越のようなライフスタイルの変化」2.2%、「勤務先」2.4%といった社会評価に関わる情報、「家族や子どもの情報」2.5%、「自宅住所」3.4%といった生活に直接的に関わる情報は、数値が低い。

 

メリットのあるデジタル体験で、参照されても構わない個人情報が変化

ただし、一般的に消費者は、「●●の情報を参照されるのは嫌だけど、内容が▲▲であれば(あるいは▼▼なタイミングなら)それは許容できるし、むしろ嬉しい」と、メリット・デメリットで判断を行っている。そこで本調査では、消費者の潜在意識を探るために、デジタル体験を構成する要素の最適な組み合わせを探る「コンジョイント分析」を実施した。

「プロモーションやお知らせを嬉しいと感じる上で、プラス/マイナスに作用する個人情報は何か」を、4つのシナリオを提示して質問。その結果、「趣味、興味、関心」が+0.70でトップ。「転職や引越のようなライフスタイルの変化」も+0.02まで上昇した。一方で、「出身校、職歴」は-0.27、「収入」は-0.45と、相対的に下回っている。あまり参照されたくない個人情報でも、“メリットのあるデジタル体験”を積み重ねることで、消費者が変容すると考えられる。

 

タイミングと方法が、デジタル体験の認識に影響

さらに具体的にこれを「情報の参照元」「個人情報」「受け取るタイミング」「受け取る方法」「受け取る内容」という5領域で細かく分類。それぞれにプラスマイナス値を算出した。この結果、たとえば、「SNSの公開情報 (-0.27) で、個人情報の家族や子供の情報(-0.29)を参照される」場合は、マイナスがカウントされるが、「購入日や会員登録から何周年というような節目のタイミング(+0.22)に、SNS広告(+0.05)で催事案内(+0.74)を受け取った」のなら、最終的な合計は+0.45で、消費者にとって「ポジティブなデジタル体験になり得る」という。

 

ちなみに、本調査の結果をもとに“最良の体験”“最悪の体験”を仮に考えるなら以下のようになるだろう。

  • 最良の体験
    • 登録した会員情報から
    • 趣味・興味・関心に基づいて
    • 記念日的な節目のタイミングに
    • メールで
    • セールなどの催事案内が届く
  • 最悪の体験
    • 他社の会員情報をもとに
    • 収入に基づいて
    • ネットテレビを見ているとき、あるいは、久し振りにお店に行ったときに
    • 電話で
    • 仕事に関わる講習会の案内が届く

調査概要

  • 【調査内容】デジタル体験の好みや企業への期待に対する、日本の消費者の意識・認識の把握
  • 【調査対象】日本国内の20~69歳の男女(性・年代10歳刻みで均等割り付け)※関連職を除く
  • 【調査手法】オンライン調査(Edelman Japan調査部門に委託)
  • 【調査時期】2019年7月8日
  • 【有効回答数】1,000人
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