60%が検索結果からスポンサーサイト閲覧経験あり/検索エンジンのニーズと利用に関する調査
Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社のメディアインタラクティブと共同調査のもと、「検索サービスの利用実態」に関する調査を実施した。
その結果、Yahoo!の利用者はGoogle利用者よりもインターネットの利用時間が短く、女性、若者が多いことがわかった。
また、検索結果画面に表示されるスポンサーサイトについては、62%が閲覧しており、普段もスポンサーサイトをクリックしている利用者は25.8%となった。
※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。
1日1時間以上の利用者は90%弱
まず、1日のインターネット利用時間を聞いた(Q1)。
その結果、利用時間は「2時間~3時間未満」が23.2%と最も多く、次いで「1時間~2時間未満」が22.0%となった。
1時間未満と回答したユーザーは約10%となっており、90%近くのユーザーは1日に最低1時間以上インターネットに接触していることがわかった。ただし、この調査がインターネットリサーチであることを考慮する必要がある。
Yahoo!、Googleの2強に百度も健闘
次に、普段利用している検索サービスを聞いた(Q2)。
すると、シーン別(自宅や職場、学校)では、どちらのシーンでもYahoo!とGoogleの2強が他検索サービスを大きく上回る結果になった。
一方、2007年に日本市場に進出した百度(Baidu)は、自宅で1.8%、職場や学校で1.0%となっている。 ネットレイティングスの報告によれば、日本の家庭のPCから百度への利用者数は71.3万人(2008年2月時点)と、日本語版スタートのニュースに沸いた1月の96.1万人より減少しているものの、訪問回数の多い検索ユーザーは着実に増加しているようで、今後の動向に注目したい(※参照:中国の検索エンジンBaidu、日本進出へ、「百度」の日本からのPVの97%が男性、中国版YouTube「優酷網」も人気)。
女性、若者はYahoo!を利用
次に、普段最も利用している検索サービスを聞いた(Q3)。
その結果、最も利用している検索サービスは、Yahoo!が59.2%と最も多く、次いでGoogleが31.4%であることがわかった。
2007年12月のcomScore調査によれば、世界の検索エンジンシェアで見た場合、1位はGoogleの62.4%で2位のYahoo!の22.9%を圧倒している。また、3位は百度で12.8%となっており、世界と日本の検索市場には大きな違いがある(※参照:2007年10月の米国検索エンジン、首位「Google」がさらにシェア拡大)。
続いて、この結果をインターネット利用レベル別、男女別、年代別で分析した。また、インターネット利用レベル別については、Q1で得られた回答から、下記のように3段階に定義し、分けた。
- ライトユーザー:インターネット利用時間が、2時間未満/日
- ミドルユーザー:インターネット利用時間が、2時間~4時間未満/日
- ヘビーユーザー:インターネット利用時間が、4時間以上/日
すると以下のように、ライトユーザーではYahoo!が圧倒的に多く、ヘビーユーザーでGoogleが多いという、インターネット利用時間の長さによって、検索サービスの利用に顕著な違いが出た。
さらに、男女別や年代別でもその違いは見られ、男性はYahoo!が49.2%、Googleが42.0%とほぼ変わらないものの、女性ではYahoo!が69.2%、Googleが20.8%と男女では利用する検索エンジンに大きな違いがあることがわかった。
また年代別では、10代~20代の若年層のYahoo!利用が目立つ。
今回の調査から、Yahoo!は比較的インターネット利用時間が短い利用者や、女性・若年層から利用される傾向にあることがわかった。
一方、Googleはインターネット利用時間が長く、男性の利用が多いことがわかり、2つの検索サービスのユーザー像は異なっていると考えられる。
スポンサーサイトの閲覧、「たまに見ている」が56%
検索結果の上位部分または右側に表示される部分
検索結果表示画面にスポンサーサイトと表示された検索の結果の閲覧について尋ねた(Q4)。
その結果、「たまに閲覧する」が55.8%と最も多く、次いで「閲覧しない」が34.8%となった。
「たまに閲覧する」と「よく閲覧する」を合わせると62.2%おり、ユーザーのスポンサーサイトへの接触機会は60%を超えていることがわかった。
「自然検索結果をクリック」が58%
キーワードを入力して検索した検索結果画面の、広告ではない検索結果部分
検索結果の画面で表示されるスポンサーサイトと自然検索結果で、どちらをクリックすることが多いか尋ねたところ(Q5)、「自然検索結果をクリックすることが多い」が57.8%、「スポンサーサイトをクリックすることが多い」が25.8%となった。
Q4でのスポンサーサイトの閲覧状況を考慮すると、特定の検索キーワードを検索した際に、自然検索結果において上位表示されるように、SEOをしていくことは重要であると考えられる。
欲しいものがあっても数日後に購入
欲しいものがあり検索エンジンを利用し、見つかった商品を購入するまでにどの位かかるか尋ねたところ(Q6)、「数日経ってから購入することが多い」が48.4%と最も多く、「その時点で購入することが多い」が18.6%になった。
半数近いユーザーは、欲しい商品が見つかってもその時点では購入せず、数日経って購入していることがわかった。
性年代別で見ると、女性(特に10~40代)で検索をしてもすぐには購入せず、数日経ってから購入する傾向が強いことがうかがえる(Q6-2)。
半数近いユーザーはある程度の期間を経て商品購入に至っていることから、広告主は広告の直接効果だけをみるのではなく、間接効果も加味した上で、広告投資効果の最大化を狙った広告展開をしていくことが必要なのではないだろうか。
Yahoo!利用者は単一キーワード、Google利用者は複数キーワード
さらに、検索時のキーワード数や閲覧ページ数などを調査し、Yahoo!とGoogleユーザーで検索方法に違いが見られるかを調査した。
パソコンで検索する場合、キーワードをいくつ入力するか尋ねた(Q7-1)ところ、「1つ」が60.2%と最も多く、次いで「2つ」が31.8%と続いた。
最初に複数のキーワードで入力するユーザーは39.8%とそれ程多くはなく、まずは1つのキーワードで検索する傾向にあることがわかった。
2006年12月に実施した「第4回検索エンジンに関する調査」の結果を見ても、最初に1つのキーワードで検索するユーザーは50.9%おり、それ程変化が見られなかった。
また、GoogleとYahoo!のユーザー別で見た場合(Q7-2)、Googleの方が2~3つのキーワードで検索しているユーザーが若干多い。
検索結果の閲覧は「3ページ目まで」
次に、最初の検索で何ページまで検索結果画面を見るか聞いた(Q8)。その結果、「3ページ目まで」が33.4%と最も多く、次いで「2ページ目まで」が31.4%となっており、以前の調査結果と比較して大きな変化は見られなかった。
70.6%が単一→キーワード追加で検索
最初のキーワードを入力して表示された結果から、必要な、または見たいサイトが見つからなかったときの再検索方法については(Q9)、「キーワードを追加して、再度検索する」が70.6%と最も多く、次いで「キーワードを変更して、再度検索する」が続いた。
2006年12月実施の調査と比較して、大きな変化が見られないことから、検索方法はキーワードを追加していくのがスタンダードな方法となっていることがうかがえる。
検索エンジンは、何らかの商品やサービスに関心があり、能動的に「検索」というアクションを起こしているユーザーにターゲットを絞ったものである。
今回の調査結果から、80%弱のユーザーは4ページ以降の検索ページを閲覧していないことがわかった。このことから、SEOを万全にし、目的を明確にしている(優良な)ユーザーの取りこぼしをなくしていくことが必要不可欠であると考えられる。
調査概要
- 調査対象者:16歳~59歳の男女(性年代の均等割付け)
- サンプル数:500
- 調査期間:2008年4月9日~2008年4月10日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査機関:株式会社メディアインタラクティブ
- 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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