CMSの可能性を最大化するためのWeb担当者の6つの心得
CMSを導入する前は、「CMSなら何でも解決できる!」という過大な期待を抱いていることが多い。その結果、設計や開発を行っていく過程で、期待が打ち砕かれて失望したり、実装に失敗したりすることもある。今回は、制約の中でもCMSの可能性を最大限に発揮するために、CMSを導入するWeb担当者が知っておくべきポイントを6つ紹介しよう。
- 理想は高く保つ
- 製品ベンダーを味方に付ける
- 実装は少しずつ進める
- 手を付ける順番に注意する
- 社内コンサルタントを置く
- 理想と現実のバランスを重視する
1. 理想は高く保つ
「それは技術的な理由でできません
」「難しいです
」というCMSコンサルタントやエンジニアの無慈悲な答えを何度も耳にして妥協を続けていくと、CMSに対する期待値が下がり、最終的なゴールまでも下げてしまうことがある。社内で導入を推進すべき担当者が目標やモチベーションを下げているようでは、周囲の信頼が得られず、誰もついて来ないだろう。
コンテンツ管理が目指す最終ゴールは高く設定し、妥協してはいけない。到達までにたとえ10年かかることがわかっても、恐れる必要はない。今、前に進む一歩の距離を調整すれば良いだけだ。
「画期的な試み」
「ベストプラクティス」
「最新トレンド」
「日本初」
「世界に通用する」
など、とにかく野心を持とう。理想を高く持つことには、いろいろな副次効果があるからだ。たとえば、こんなものが考えられる。
- 関係者のモチベーションを高く保てる
- 経営陣のプライドをくすぐり、支持を得られる
- 社内における評判や信頼度が上がる
- 自分たちの成長につながる
ただし、CMSの導入や普及を社内で啓蒙するときは、短期・中期・長期の時間軸を明確にしておく必要がある。短期ですべてが実現できるという期待を広めてしまうと、残るのは失望と不安だけだ。
2. 製品ベンダーを味方に付ける
CMSは、購入する側も導入する側もまだ経験が足りない成長中のソリューションだ。であれば、製品を企画し開発した人に近づくのが一番だ。
製品ベンダーとの関係を強化するためには、彼らにとってのメリットも提供する必要がある。膨大な数のライセンス購入ができるケースはあまりないため、長期的なゴールを高く設定し、世界にも通用するほど独創的な成功事例を作ることを目指すのも1つの手だ。そして、ケーススタディの公開やイベントでの講演などで、製品のPRに協力しよう。「自社サービスの宣伝にもなる
」と社内を説得し、実際にそれが可能になるような体制を作っておくと良い。
海外製CMSの場合は、現地に行き、プロダクトマネージャと直接交渉するという手もある。改善要求は、その企業の日本法人が言うよりも、顧客が直接言うほうが説得力や影響力が大きいためだ。ただし、自社のみがメリットを得られる特殊な要求をするのではなく、他の導入企業にとっても有益になるような内容をリクエストしよう。それを満たすことがCMSベンダーのメリットになる、という納得が得られれば、そのリクエストを拒否する理由はないハズだ。製品ベンダー、実装ベンダー、社内、他のユーザー企業、ネタを探しているマスコミ、など全関係者にとってメリットが得られ、良好な関係が築けるように、調整し行動してみよう。
3. 実装は少しずつ進める
システムとしての円熟度に加えて、システムを使う側の問題も考慮する必要がある。
- コンテンツを管理するという概念にすぐに適応できる組織は、あまりない
- 想像しながら設計したワークフローやテンプレートがベストとは限らない
- 使ってみて、初めてわかることも多い
- 設計・開発を進めている間に、ビジネス要件が大きく変わることがある
- コンテンツの管理を開始したために、あらたな課題が発生する
一気にすべてを実装してしまうと、作り直しが必要になる、無駄な作りこみが発覚する、運用が想定どおりに回らない、などのリスクを抱えることになる。段階的に少しずつ実装しながら、組織・コンテンツ・システムを成長させていく、という発想を持とう。
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