国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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サービス名をアルファベット表記からカタカナ表記に変更して、100万人が注文

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グーグル検索SEO情報②

サービス名をアルファベット表記からカタカナ表記に変更して、100万人が注文
名称の認知度を向上させて指名検索を増やせ (アプリマーケティング研究所) 国内情報

ユーザー理解がビジネス成果向上につながった事例を紹介する。

家電のサブスク・レンタルサービスの「レンティオ(Rentio)」では、サービス名をアルファベット表記の「Rentio」からカタカナ表記の「レンティオ」に変更した。これが利用者数の増加に貢献したと考えられるということだ。

アルファベット表記からカタカナ表記への変更で、次のような効果があった:

  • ブランド認知の向上
  • 検索されやすくなった
  • ソーシャルメディアでの言及の増加

ユーザーがほぼ日本語話者であるのならば、アルファベットよりも日本語のほうが認識しやすく覚えやすい人が多いはずなので、納得のいく効果だ。

元記事では次のようなことも紹介している:

  • カタカナ表記に変更した経緯
  • 変更のステップ
  • カタカナ表記の使い方

「こんなの、SEOに関係ない」と思うかもしれないが、社名やサービス名をユーザーに認知してもらうことは、ブランディングの観点で重要だ。

ブランディングというと大仰に思えるかもしれないが、ソーシャル言及指名検索という観点で考えるといい。ユーザーにとって覚えにくい・認識しにくい・間違えやすいサービス名よりも、そうでないサービス名のほうが得をするのは明らかだ(多様な層を対象とする政治家の選挙で候補者が名前をひらがなにするような動きも、同様の考えだろう)。

この事例では「アルファベット表記→カタカナ表記」としたが、必ずしもカタカナが良いというわけではない。対象とする潜在顧客層がどんな人たちかを把握し、その人たちにとって「認識しやすい・覚えやすい名称」になっているかを確認し、実現したブランドイメージなども考慮しながらブランディングしていくのがいいだろう。

ちなみに、社名やサービス名を名指しで検索する「指名検索」を考えると、一般的な単語を社名やサービス名にするのは損だと言える。指名検索で確実に1位表示できて、ランキングシステムのアップデートに左右されない安定した検索トラフィックを保持できるようにしたければ、サービス名は他の用途で使われる単語だけにするのは避けて、独自の言葉にするのがいい。

★★★★☆
  • ブランディングがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

名前と業務内容が一致しないのはSEOにめちゃ不利だった!?
グラフィックサービスの会社なのに社名が「ガス」 (Reddit) 海外情報

Reddit(レディット)のSEO掲示板に次のような相談が投稿された。

当社は、印刷や写真レタッチのサービスを提供する会社です。「Graphic Arts Specialists(グラフィックアーツの専門家)」の頭文字をとって「The Gas Company」という社名です。

「Gas」は石油や天然ガス関連のサービスを検索する場合にはSEOは非常に有利でしょうが、当社の実際の業務内容とはかけ離れています。そのため、当社がガソリンスタンドだと思い込んだり、自宅でガス臭がするなど関係のない電話がたくさんかかってきたりします。

社名は90年代から使われており、グーグル検索で不利だからといって社名変更する気は社長にはありません。

検索でガス業界と当社を差別化するための、良い方法があるでしょうか?

グーグルのジョン・ミューラー氏がコメントした:

たしかに、検索結果を気にするのであれば、これは非常に難しい問題だ。

リブランディングや、別のサイトを立ち上げることも容易ではない。経験豊富なSEOの専門家に相談してみるのがいいのではないだろうか。

次のような要素を洗い出し、社長が本当に望むものを明確にすることが重要だ:

  • 選択肢
  • 作業内容
  • 費用
  • 潜在的なメリット

(私は検索に重きを置いているが、企業は検索以外の方法でも存在できるし、それで問題ないという場合もあるだろう)

なかなか興味深い事例だ。単純にSEOで解決できるものではない。ミューラー氏も具体的なアドバイスを提示できていない。

SEOにおいて(SEOだけではないかもしれないが)、社名・製品名・サービス名は重要だ。相談者の会社のようにまったく無関係なものを想起させたり、一般的な言葉とかぶっていたりすると勘違いを招くし、指名検索での上位表示が難しくなる場合がある。

たとえば、株式会社バナナという会社が「バナナ」のクエリで1位を獲得することはまず不可能だろう。1ページに入ることも難しいかもしれない。新しいサイトや製品、サービスを立ち上げる際は、ネーミングには検索での見つけやすさも考慮するようにしたい。

ちなみに、ミューラー氏の言う「専門家に相談」というのは、おそらくSEO専門家のコンサルティング能力に頼るのがいいということだろう(SEOの実務能力に期待してではなく)。

経営者とのやりとりに慣れているコンサルタントは、次のようなことを把握して提案するスキルに長けていることが多い:

  • 社長が何を大事にしているのか
  • どういった結果がイメージできれば社長は動くのか
  • 社長が納得して進めるためにどんな情報をどの切り口で提示する必要があるか

また多くの経営者は、社員の言うことには耳を貸さなくても、外部の専門家の意見は聞く傾向がある。

場合によっては社名変更という決断を社長がしやすくするために、外部のコンサルタントの力を借りることを推奨しているのだろう(うまくいかなくても外部コンサルタントというクッションが1枚あることで、当該スタッフが社内で立場を失うという可能性も減るだろう)。

★★★☆☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

インデックスページ数を2倍に増やしたのに検索トラフィックは変化なし、なぜ?
量より質 (John Mueller on X) 海外情報

「クロール済みだがインデックスされていないページ」の改善に数か月間かけて取り組み、インデックスページ数を倍にできた。ところが、検索トラフィックにはほとんど変化はなかったため、全体的なアプローチを再考せざるをえなかった。

クロールバジェットに関するやりとりのなかでのこんな発言に対して、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように反応した:

確かに、量と質はまったく別ものだ。ましてや「ユーザー価値やビジネス価値」と「コンテンツの量」の関連性はさらに薄い。ときには、「クロールバジェットの問題」に対する解決策は、サーバーを高速化して検索エンジンに効率よくクロールさせることではなく、むしろサイト内のコンテンツ数を元の1%まで削減することかもしれない。

ミューラー氏がよく言うアドバイスだが、多くのページをインデックスさせればいいというものではない。少数でいいから、本当に人々の役にたつ高品質なページを作成することが、今のSEOでは重要だ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ウェブ担当者でも読みたい、グーグル著の初歩から学ぶJavaScript
現代のウェブサイトとJSは切っても切れない関係 (web.dev) 国内情報

開発者向けのグーグル公式ブログであるweb.devで、JavaScriptを基本から学べるドキュメントの日本語訳が公開された。

SEOには直接関係しないドキュメントだが、現代のウェブサイトとJavaScriptは切っても切り離せない関係だ。JavaScriptでコンテンツを生成したり、特殊な機能を実現したりしているサイトも少なくない。ウェブ担当者であってもJavaScriptの知識を備えていて損することはないだろう。JavaScriptを大規模に利用しているサイトのウェブ担当者でなら、なおさらスキルアップに役立つはずだ。

コースの本体はこちらだ:

コースのページはまだ日本語化されていないが、安心してほしい。各セクションをひらいて[Read article]をクリックすれば、

中身の解説は日本語だ。

★★★☆☆
  • ホントにSEOを極めたい人だけ
  • 技術がわかる人に伝えましょう

SEO業界の転職希望者に、大御所がアドバイス
強みの認識と今のスキルを活用できるかどうかを知る (Takahiro Watanabe on X) 国内情報

DMM.comグループのSEOを統括している渡辺隆広氏が、コンテンツまわりのSEOに携わっていて、転職を考えている人に向けたアドバイスをXに投稿した。

渡辺氏は、自身でSEOを施策・指揮するだけではなく、社内では後輩の指導や採用、外部向けには講演や記事執筆など長年にわたってSEOに携わってきた業界第一人者だ(日本のSEO業界最長?)。

たしかに「キーワード調査」「コンテンツ」がSEOのすべてだと考えている人がいても不思議ではない。そして、SEO業務の全体像がイメージできていないならば、せっかく転職しても大きく飛躍はしづらいだろう。

SEO関連の職種に就くことを希望している人は、少なくとも渡辺氏が挙げている3点は確実にクリアしておきたい。

またこの情報は、SEO関連のスタッフを採用する側としても参考にできるはずだ。

★★★★★
  • SEO職への転職がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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