初めてのキーワード広告。1日の予算はいくらから?
ライバルには教えたくないキーワード広告の勝ち組戦略
~成果を出すための達人の思考とノウハウ
日本に上陸してからオンライン広告のあり方を大きく変え、検索エンジンからの集客手段として当たり前となった検索連動型広告。多くのマーケティング担当者がその重要性を理解している反面、そのメリットを十分に活かせていないのが現状だ。いま、広告主には変化が求められている。検索連動型広告を運用する上でマーケティング担当者が成すべきこととは何か、改めて探っていこう。
泉 浩人(株式会社ルグラン)
1日の予算は最低獲得コストと同額に
キーワード広告を始めたいんだけど、1日の予算はいくらに設定すればいいの?
よく聞かれる質問だ。「とりあえずは、1日あたり5,000円、1ヵ月15万円から始めてみてはどうでしょう?
」といった答えになることが多いのだが、この金額にはちゃんとした根拠がある。
この5,000円とは、この広告主が1件のコンバージョンを獲得するために5,000円程度の費用がかけられるとした場合に、最低1日1件のコンバージョンが獲得できる金額として算出したものである。
仮に、コンバージョン率を1%、平均クリック単価を50円と仮定してみよう。
コンバージョン率1%とは、100回クリックされて1回コンバージョンが獲得できるということ。つまり1回のコンバージョンを生むために、100回のクリックが必要となるわけで、ここで平均クリック単価が50円なら、1件のコンバージョンを獲得するために必要な獲得コストは50円×100回クリック=5000円という計算になる。
もちろん、掲載した広告のコンバージョン率や平均クリック単価がどうなるかは、広告を出してみないとわからない。ただ、初めてキーワード広告を試してみるのであれば、まずは、1日1件のコンバージョン獲得を目指す、つまり、1日の予算額を、目標とする獲得コストと同じ程度の水準に設定してみることをおすすめしたい。
獲得コストの計算の仕方
たとえば、実際にデータを取ってみて、コンバージョン率が3%、平均クリック単価が30円であったなら、獲得コストは30円÷3%=1,000円になるので、1日あたりの予算を1,000円に落としても1日1件のコンバージョンは取れるだろう。
逆にコンバージョン率が0.5%、平均クリック単価が40円だとしたら、獲得コストは40円÷0.5%=8,000円になるので、1日あたりの予算も8,000円にしないと、1日1件のコンバージョンは期待できない。もちろん、5,000円の予算でも運用は可能だが、その場合、確率的には1件のコンバージョンを獲得するのに平均1.6日かかる計算になる。その分、効果検証には、長い時間を要することになるので、終わってみれば、使えるキーワードを見極めるために要した「総コスト」はあまり変わらない、ということにもなりかねない。
このように、目標とする獲得コストや獲得件数に対して、あまり小さい予算を設定してしまうと、時間的なロスにつながる可能性も高くなるのでので注意が必要だ。
この1日の適正予算や時間的なロスについては、拙著『SEM 成功の法則』(ソーテック社、2008年12月刊)のPART 6「最適化のセオリーを正しく理解する」で詳しく説明してあるので、興味のある方はご一読いただきたい。
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