4マス+ネット+携帯のメディア接触データ2010年版 でも全体を見ても意味がない
今日は、ユーザー行動のデータとして、メディア接触時間の調査結果をお届けします。これは、全体の平均を見てわかった気になっていると読み間違えるおもしろいデータになっています。
博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は、「メディア定点調査2010」として、生活者のメディア接触時間の調査結果を発表しました。
・メディア定点調査2010
→ http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/2010/20100623.html
まず、全体平均の年次推移のデータを見てみましょう。
マス4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)とネット2媒体(PC、携帯)すべてを合わせた1日あたりのメディア接触時間(週平均)は、2009年に比べて全体で24分増加しています。なるほど。ラジオと雑誌が減った以外は全体的に伸びていて、特に携帯電話からのインターネット利用が伸びていますね。
しかし、この「全体平均」が、結構くせ者のデータになっています。これを性年齢別にグラフで見てみましょう。
セグメントによって、かなり傾向が違うことが一目でわかりますね。実は、オリジナルの調査結果リリースでは、このグラフが示されていないのです。個人的には、このグラフが最も意義のあるデータだと思うのですが。
次に、性年齢別の傾向をわかりやすくするために、全体平均から25%以上/以下のデータと50%以上/以下のデータに色を付けてみました。全体平均よりも一定以上多いデータは赤く、一定以上少ないデータは青く表示しています。
グラフと併せて、次のようなことがわかります。
- 10代20代の携帯ネット利用は全体平均の倍以上あり、特に10代女性は全体平均の4倍にものぼる
- 逆に、50代以上の携帯ネット利用は全体平均の1/2~1/10程度にすぎない
- 総じて男性のPCネット利用時間が長い。特に20代男性は全体平均の倍近くで、全体で唯一、テレビ利用時間よりもPC利用時間のほうが長い
- 逆に、女性のPCネット利用は20代を除けばすべて平均以下
- テレビの接触時間は性年齢別で大きく変わらない
もちろんこういった分析は調査結果にも示されているのですが、メディア接触時間というものは性年齢別で大きく傾向が異なるため、全体データを見てもあまり意味がないというのが、よくわかります。
みなさんも、「全体のメディア接触が○○だから」といった見方ではなく、自社のターゲットセグメントのデータをしっかり確認するようにしてください。
調査結果には、ほかにも「パソコンからのSNS」「携帯電話を通じたブログ書き込み」「携帯電話を通じたミニブログの閲覧や書き込み」といった利用経験データも示されていて、興味深いですよ。
・博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所「メディア定点調査2010」
→ http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/2010/20100623.html
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