Web担当者必見! リサーチ データ&市場調査レポート

サイトのデザインは54%が「好みで決定」、27%が最後に上司にひっくり返され、90%は消費者の意見を参考にせず/デザイン決定プロセス調査

現在のWebサイトデザイン決定プロセスにおける問題点とは?

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ユーザー評価のフィードバックと継続的なサイト改善の予算を
最初から組み込むこと

前述のように、ビジネス成果につながるデザインを採用しようと思ったら、関係者の主観に頼るのは危険だ。ましてや、サイトデザインのプロセスに直接かかわっていない経営者が最後にしゃしゃり出てきて好き嫌いを基準にした判断を押しつけるのは論外だ。

では、どうすれば「ビジネス成果を達成できるデザイン」を選べるのだろうか。

もちろん確実な手段があるわけではないが、現状では、実際のユーザーを対象にテストするのが一番だろう。担当者やデザイナーが仮説を元に最適だと考えるデザインを作成し、そのデザインに対してユーザーがどう反応するのかを実際に確認するのだ。

調査では、そうした評価・テストツールを活用しない理由として「お金」がトップに来ているが、こうしたツールの費用は単なるコストではない。主観的な判断のせいでユーザーにとって価値の低いデザインを採用してしまうことのないようにとの「保険」だったり、コストをかけて制作したサイトがさらに適切に成果を生むための「投資」だったりといったとらえ方をするのが正しいのではないだろうか。

また、そうしたツールを使って「ユーザーが支持するデザイン」を客観的に表すことができれば、「私はこう思う」と主張する経営者を説得できる可能性も高まり、担当者の精神的な苦労も減るのではないだろうか。

さらに言えば、サイト構築の時点から、デザイン決定後(サイト公開後)に継続してテスト・改善するための予算と人的リソースを確保しておくことをオススメする。Webサイトは作って終わりではない。当初は想像できなかったユーザーの反応に対応したり、世の中の変化に対応したりして、柔軟に改善を続けられるサイトが成果を生み続けるものなのだ。サイト公開後も、少しずつユーザーの反応を確認しながら変更していく体制を整えておくことは、現代のWebサイト運営では必須だと言える。

90%がターゲットユーザーの意見を聞いていないという衝撃
(web creators編集長 佐藤氏)

Webデザインとグラフィックの総合情報サイトMdN Design Interactive編集長であり、web creatorsの編集長でもある佐藤 弘基氏は、この調査に対して次のようにコメントしている。

デザインの良し悪しはデザイナー、Web担当者、クライアントのいずれかの主観に偏りがちで、そのことは調査結果からもよくわかる。

デザイナーは客観性をもってデザインに取り組み、Web担当者は「ターゲット=顧客」と認識して社内で客観的な判断がなされるための努力を怠ってはいけない。

また、デザイン決定プロセスで90.0%がターゲットとなるユーザーの意見を聞いていない、というのが衝撃的だ。

昨今の案件では評価ツールを導入する予算がないのも理解できるが、長期に渡って運用していくサイトの場合は、目先の見積金額を減らすと、サイト公開後の更新や運用でさらなる開発が必要となり、コストを回収し終わる前に新たなコストが発生するスパイラルに陥る。

Webはつねに改善していくものなので、導入しやすい価格のツールを導入したり、他部署の社員にテスターになってもらったりなど、予算がないならないなりの、できる範囲での対処策をとっていくべきだ。

調査概要

調査目的企業サイトの制作において、デザイン決定がどのように行われているのかを調べることで、ビジネス目的を達成できる最善のデザイン決定がどれくらい行われているのかを明らかにし、現在のデザイン決定プロセスにおける問題点を発見すること
調査方法インターネットリサーチ
調査地域全国
調査対象企業のWebサイトに携わる20歳以上の男女300人(メディアパークアンケート会員)
有効回答数合計300サンプル(発注側150サンプル、受注側150サンプル)
調査日時2011年1月下旬
企画株式会社フォーデジット、株式会社インプレスビジネスメディアWeb担当者Forum
調査機関メディアパーク株式会社

回答者の属性は次のとおり。

図11 あなたのデザインに対しての主な決定権限範囲を選んでください
図12 性別
図13 年齢層

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