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企業向けスマホサイト変換サービス6選、PCサイト → スマホ変換を徹底比較

PCサイトをもとにしたスマートフォンサイト変換ツール6製品を比較
寄本好則(三軒茶屋ファクトリー) 2012/10/18 9:00 |

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自社サイトのニーズと変換サービスの相性を見極める

今回は、いま日本で提供されているなかで、企業サイト向けとして導入実績がある製品から主に選んで紹介した。

今回紹介したサービスのなかで、「ナビキャスト スマートフォンコンバーター」「Mobify」「Shutto」は、セルフサービス型ツールとしてユーザーがサイト設定を行う。ナビキャスト スマートフォンコンバーターやShuttoは、紹介したサービス中では導入コスト的に手軽ではあるが、変換ページへのタグ埋め込みや管理画面の操作などの制作作業はユーザーが行うことになり、他のサービスに比べると制約が多い面がある。

Mobifyはツールを利用したセルフサービス(自社内制作)を用意する一方、販売会社による構築代行も用意しており、デザインの自由度などは高いといえる。また、「スマートコンバート」もセルフサービスへの対応が可能となっている。

変換サービスの導入費用は、サイト規模によって大きく変わる。自動変換とはいえ、変換対象ページのテンプレート作成などが必要であり、導入作業に着手してから数週間から数か月の作業が必要になるからだ。導入にあたっては、自社サイトに必要な機能やデザイン性を明確にしたうえで、各社から個別に見積りをとることになる。

運用にかかる月額コストも見逃せない。変換サービス各社の料金体系は、PVや変換ページ数に応じた従量課金制のものから、Mobifyのように月額固定で価格が定まっているものまでさまざまだ。他にも、SSL設定の登録ページ数に応じて料金が発生するケースなどもある。何にいくらかかるかという詳細な金額はサイトの規模や内容などによって大きく異なる。運用上どのようなコストが発生するのか、更新や修正などの制作時にどのくらいのコストや時間がかかるのかといったことは、導入前にしっかりと確認しておきたい。

また、表に挙げたサービス中では、Shutto、Mobify、ナビキャスト スマートフォンコンバーターは、PCサイトとスマホサイトを同一URLで表示することが可能だ。スマホ自動変換サービスはサービスプランによる。プロキシサーバーを経由した変換の場合、スマホサイトにはサブドメインが使用されるが、同一URLであれば、ソーシャルメディアで拡散する際にURLが分散することがなく、有利に運用できる。マーケティグデータの分析にも無理がなく、「One Web」の発想にも適合したサービスといえるだろう。

SSLやECへの対応、さらには今後ますますニーズの高まりが予想されるタブレット端末を含めたレスポンシブWebデザインへの対応など、自社サイトに何が必要か検証し、相性の良いサービスを選ぶことが大切だ。

目に見えないコストへの配慮もポイント

一覧表だけではわかりにくいことではあるが、実際にスマホ対応サイト変換サービスを導入する際に、留意しておくべきポイントがある。数多くスマホ対応サイト変換のソリューションを提供してきた実績をもつ、イーラインのスマートフォングループ・クリエイティブディレクター 佐々木氏は「あくまでも携帯回線で見るコンテンツであることへの配慮が大切」だと指摘する。

最近のスマートフォン端末は性能が向上し、PCと同等のクオリティをもった表現が可能です。とはいえ、コンテンツを盛り込みすぎると携帯回線の限界でレスポンスが低下してしまいます。ベースとなるPC向けコンテンツで、タイトルやボタンに画像を多用しないなど、レスポンスの早いサイト作りが不可欠です。

ワンソース・マルチデバイスの運用をスムーズに成功させるには、Webサイトのポリシーそのものが「マルチデバイス」を前提としたものに進化させる発想も必要になるという。また、導入後の実務を考慮したうえで選定すべきだと指摘する。

導入後のページ更新や追加などの際、個別に変換サービス提供会社に制作を依頼しなければいけないケースがあります。そうした場合のタイムロスやコストも確認しておく必要があるでしょう。また、サイト規模や変換サービスのシステムによっては、変換速度などにストレスを感じるケースもあるようです。実際の導入にあたっては、実作業をふまえた確認が大切です(佐々木氏)。

今回紹介したサービスは、セルフサービス型と提案型の違いはあっても、どれもデザインの自由度が高く、スクラッチ構築とほぼ同等の高いクオリティを実現できる。とはいえ、変換サーバーなどのシステム構造や制作システムなどには違いがある。導入検討時には各社からプランを取り寄せて、自社に合ったサービスを選択するのがおすすめだ。

企業サイトのスマホ対応はもう待ったなしの状況だ。まずは、商品やサービスの紹介など、対応を急ぐべきコンテンツから(変換するコンテンツの規模を小さくすれば、導入コストも抑えられる)スマホ向けサイトを制作して、Web担当者としての知見を積み重ねるべきといえるだろう。いずれにしても、今後の企業サイト構築には、スマホやタブレットなどマルチデバイスへの対応を前提にして、その構造や制作コストを想定していくことが不可欠な時代になったということだ。

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