とらやUX――とらやECの「ご進物」設定が気が利きすぎていて感心した
今日は、オンラインで実現するUXの話を。ご存じ「とらや」さんのオンラインショップで、「さすが、とらや!」と感心するUXがあったので、ご紹介します。
最近、とらやのオンラインショップで買い物をすることがありました(理由は察してください)。会員登録しなくても買い物できたり、イマドキのデザインだったり、購買の進捗状況表示がわかりやすかったりと、よくできていたのですが、購入手続きの最後のほうで驚きました。
というのも、「ご進物様式の設定」というボタンがあり、どんな熨斗や包装で発送するかを、かなり詳細に設定できるのです。
とらやといえば、その大半は贈り物(だと私は思っています)。ということは、単に包装して送るだけでなく、贈る状況があるんですよね。
設定画面には「進物用途」のドロップダウンがあり、そこでは「おみやげ用」「粗品」「お礼」「内祝い」「御供」「御見舞」「快気祝」「父の日用」「母の日用」「敬老の日御祝」「七五三」、さらには「クリスマス用」「バレンタインデー用」などなど、46種類もの用途から選べるのです。
しかも、それぞれの熨斗や包装が画像で示されていて、わかりやすい!(単純にリストボックスを使うのではなく、独自の形式で出しています)
もちろん、進物用途ごとに(ほとんど同じですが)、名入れや連名を記入できます。
しかも、季節の贈り物に関しては、「お中元」「暑中見舞い」「残暑見舞い」などなど、だいたいどれぐらいの時期に贈るものなのかを示してくれているのも、私のような社会常識に欠ける人間にはありがたいです。
もちろん、ギフトEC専業のところでは、こうした設定ができるところはあると思います。でも、通常のECでここまで詳細かつ丁寧な進物設定ができるのは、初めて見ました。
でも、考えてみれば当たり前といえば当たり前なんですよね。先ほども書きましたが、多くの人にとって「とらや」といえば特別なもの、その多くはだれかに贈るためということが多いでしょう。
「本来ならば直接伺ってお渡しするところをネットで」という気持ちもあり、熨斗や包装だけでも何とか気持ちが伝わるようにしたいと思うのは人情ですよね。
とはいえ、既存のECシステムではここまで対応できなかったでしょう。
いつごろからこの進物設定があるのかは存じませんが、おそらくお客さんからのリクエストがあったでしょうし、ユーザー調査をすると「こんな熨斗を付けて贈りたい」というニーズがほとんどの人にあったのではないでしょうか。
そのニーズに応えるために、ECのシステムをカスタマイズしているんですね(独自のシステムだとは思いますが)。
2015年には「とらや赤坂本店リニューアルにあたってのメッセージが感動的すぎた」とネットで話題になりました。
重ね重ね、「さすが、とらやさんのUX!」とうならされます。うーん、さすが。
ソーシャルもやってます!