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キャンペーン中心からコンテンツ中心へ、サッポロビール「カンパイは突然に」に見るオウンドメディア戦略

オウンドメディアとして配信したWeb動画コンテンツ「カンパイは突然に」の成果が明かされました

この記事は、D2Cスマイルで公開された記事を、許諾を得てWeb担当者Forum向けに特別公開したものです。

こんにちは。D2Cスマイル編集部です。

今年2月に東京ビッグサイトで開催された「マーケティングテクノロジーフェア2016」において、「オウンドメディアに動画を活用するべき理由」と題したサッポロビールによる講演が行われました。

本講演では、サッポロビール株式会社 マーケティング開発部 デジタルコミュニケーショングループ 森 勇一 氏が登壇され、オウンドメディアとして配信したWeb動画コンテンツ「カンパイは突然に」における、顧客とのエンゲージメントを深めるための考え方と、動画活用のポイントをご講演頂きました。

サッポロビール株式会社 マーケティング開発部 デジタルコミュニケーショングループ 森 勇一氏

ターゲット設定から制作された6種類の動画コンテンツ

サッポロビールは、オウンドメディアとしてWeb動画コンテンツ「カンパイは突然に」を昨年10月より配信しています。

カンパイは突然に | サッポロビール
http://www.sapporobeer.jp/special/kanpaitotsuzen/

「カンパイは突然に」は、サッポロビールのさまざまなビールが「サッポロ商事」社員に扮して働くストーリー動画。登場人物は全て実物大の缶ビールたちで、各ビールの特徴に合わせたキャラクター設定となっています。

~カンパイは突然に~「ビジネスの心得」篇(30秒)

その他にも、「給湯室にて」篇や「サッポロ生ビール黒ラベルの黒い部分」篇など、全6話のストーリーが展開されていますが、これらの動画の制作には電通とD2Cもご協力させて頂きました。

これらの6種類の動画は、<コアファン向け/エントリーファン向け><男性向け/女性向け>2軸を中心としたターゲット設定から作成されており、どのようなユーザー層にどのような動画が支持されるのか、6つのストーリーそれぞれにターゲットを仮定し、反応を分析することを目的としています。

動画閲覧後、33%のユーザーが商品に関連した行動を行う

森氏:「カンパイは突然に」の配信にあたり、どのようなユーザー層にどのような動画が支持されるのか検証を行ったところ、42%のユーザーが動画を最後まで閲覧いただく結果となりました。

性年代別のリーチを見てみると、男性20代が最も高く、次いで男性50代、男性40代と続いています。

動画を見た印象としては、「動画への好意」が47.1%と高い結果となりました。また、「商品飲用喚起(46.1%)」、「商品興味(49.2%)」という商品への印象に関する項目も高い比率となっており、商品を訴求することに関する効果も認められたと言えるでしょう。

続いて、森氏は「最も知りたかった項目」として、動画閲覧後のユーザーの行動について紹介しました。

森氏:調査結果によると、33%の方が、動画を見て何らかの行動をしたということがわかりました。具体的には、21.5%の方がサッポロビールのWebサイトに来て商品の情報を閲覧していただいており、また、9.9%の方が口コミサイトで商品の情報を調べていただいています。さらに、お店で商品をお飲みいただいた方も6.3%いらっしゃったということがわかりました。

ビールの世界では、なかなかブランドスイッチをされる方は少なく、今回の結果を見まして、継続的にコンテンツを配信していく必要性や、一貫性のあるコンテンツを配信していくことが大事だと考えています。

最後に、ユーザー層ごとのWeb閲覧状況を見てみましょう。

平均の滞在時間では、弊社のWeb会員が5分7秒、SNSユーザーが3分38秒、一般の方が1分1秒となっておりまして、Web会員は一般の5倍となっていました。平均ページビュー数についても、Web会員が8.3PV、SNSユーザーが1.3PV、一般が1.1PVとなっており、Web会員が一般の約8倍と非常に多いことが見て取れます。

このことから、弊社では、見込み顧客である若年層をターゲットとして、長いつながりを築けるコンテンツ施策で新規獲得した会員の優良顧客化していくことが重要だと考えています。

コンテンツを中心とした施策で、顧客との長期的な関係性を構築

森氏:施策実施の背景には、生活者の方々のビールに対する嗜好の変化や、ビールの飲み方が多様化している状況があります。それに対して、弊社ならではの最適なユーザー体験を提供することを通じて優良顧客を増加させるコンテンツ・マーケティング・プラットフォームを展開し、それにより、購買者や情報の拡散者を増加することを狙っています。

これまでは、顧客をセグメント化して生活者との関係を最適化するという考え方でしたが、これからは生活者の“目的”を支援することで、生活者との長期的な関係性を構築することが重要であると考えています。

具体的には、キャンペーン中心からコンテンツ中心に変更することによって、ブランド価値を体験する場を提供していくことや、また、顧客ごとのコミュニケーションによって、より深い関係性を構築し、Life time valueの高い顧客を育成していこうと考えています。

また、20代・30代を中心とした、新規会員獲得へシフトしていきたいと考えています。20代・30代は、今後、長い期間に渡る関係性の構築を見込めますので、彼らが積極的に活用しているスマートフォンやSNSを通じたアプローチは欠かせません。

そのために、最新のテクノロジーを活用したWebサイトを構築する必要があります。スマートフォンを中心として設計した、より使いやすいインターフェースや、顧客ごとのマイページを提供することにより、顧客育成とファン拡大のプラットフォームを整備することがより一層重要となるのではないでしょうか。

オリジナル記事:キャンペーンからコンテンツへ―サッポロビール「カンパイは突然に」に見るオウンドメディア戦略(2016/06/28)

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