衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

その日々のGA作業、全部ムダかも? 見たいデータを一発で呼び出すレポート「保存」ワザ[第59回]

GAでセグメントや並べ替えなど毎回同じ操作を繰り返しているなら「保存」機能が便利だ。見たい状態のレポートを1発で呼び出せるようになる。

Googleアナリティクスでデータを確認するするとき、セグメントをかけたり指標で並べ替えたり、毎回同じ作業をくり返していないだろうか? 社内のエンジニアが自動化ツールを使って毎日・毎週レポートを用意してくれるような環境はそうそうないだろう。Googleアナリティクスには、毎回同じような作業を記憶する「保存」機能がある。今回はその機能を紹介する。

中小企業などで、分析自体が仕事でもない限り、分析に費やす時間はなるべく効率化したいはずだ。レポートの見方は人それぞれだと思うが、定点観測しているデータがあるだろう。それが2つか3つでも、今回紹介する「保存」機能を使って、無駄な時間を省くことを検討してみてはいかがだろう。

この記事で学べること:
  • レポートの状態を「保存」して日々の無駄な作業を減らせる
  • 保存済みのレポートを見やすく管理する

「保存」機能が記憶してくれる設定

Googleアナリティクスの「保存」機能は、レポート表示後に自分の目的に合うように多くの機能を駆使したカスタマイズ作業を全部記憶して「保存」してくれるものだ。レポート対象期間は保存してくれないが、レポートの表示に利用した大抵の機能は保存してくれると考えてよい。

たとえばキャンペーンの成果を確認するために、次のようなレポートを毎日見ているとしよう。毎日このようなレポートの表示にして、形を整えるためには2~3分はかかるだろう。複数のレポートを見て、同じような作業をしていれば、結構時間をかけていることになる。

図1図2は[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元 / メディア]レポートで、さまざまなカスタマイズを施した後の上部と下部だ。このレポートの場合、保存対象になる作業や機能はそれぞれ次のとおりだ。

図1:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元 / メディア]レポート上部
図1:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元 / メディア]レポート上部
  • 「セグメント」機能(図1赤枠部分、ここでは標準のままカスタマイズしていない)
  • 選択した「指標グループ」(図1青枠部分、通常は左端の「サマリー」が選択されている)
  • 折れ線グラフの表示単位(図1緑枠部分、通常は左の「日」が選択されている)
  • 折れ線グラフに表示する指標や2つ目の指標の指定(図1黒枠部分、通常は特定の指標が1つだけ選択されている)
図2:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元 / メディア]レポート下部
図2:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元 / メディア]レポート下部
  • 「プライマリ ディメンション」の選択(図2赤枠部分、通常は左端のディメンションが選択されている)
  • 「セカンダリ ディメンション」の指定(図2青枠部分、通常は何も指定されていない)
  • 「グラフに表示」機能の指定(図2緑枠部分、通常は何も選択されていない)
  • 「フィルタ」機能の指定(図2黒枠部分、通常は何も指定されていない)
  • 並べ替え指標の選択(図2紫枠部分、通常は左端の指標の大きい順に並び替えられている)
  • 並べ替えの種類の指定(図2茶枠部分、通常は「デフォルト」が選択されている)

これらレポート上のすべての機能を駆使することはないだろうが、毎回同じ作業をくり返す必要がなく記憶しておいてくれるのはありがたいだろう。

表示のカスタマイズを施した状態で「保存」をクリック

レポート画面上のカスタマイズ作業を記憶しておくには、表示のカスタマイズを行った後に、レポート右上にある機能の中の「保存」ボタン(図3赤枠部分)をクリックすればよい。

図3:レポートの右上の機能群
図3:レポートの右上の機能群

すると図4のように保存するレポートの名前を入力する画面が表示されるので、自分が見たときにわかりやすい名前を入力して(図4赤枠部分)、OKボタン(図4青枠部分)をクリックしよう。

図4:保存するレポートに名前を付ける
図4:保存するレポートに名前を付ける

すると今カスタマイズしたレポートの設定内容をコピーしたうえで、「カスタム」セクションにある保存済みレポート(図5赤枠部分)に移動し、保存したレポートが表示される(図5青枠部分)。

図5:保存済みレポートに該当のレポートが作成された
図5:保存済みレポートに該当のレポートが作成された

もし、保存した内容を修正したい場合は、さらにカスタマイズを加えたうえで、再度右上の「保存」ボタンをクリックすれば、最新の設定内容で保存されるという仕組みだ。

保存済みレポートを管理する

後日この保存したレポートを見たい場合は、まず「カスタム」セクションの「保存済みレポート」(図6赤枠部分)をクリックしよう。すると、保存済みのレポートの一覧が表示されているので、その中から見たいレポートの名前(図6青枠部分)をクリックすればよい。

図6:作成したマイレポート
図6:作成したマイレポート

なおレポート名は同じ名前を付けてもエラーにならず、同じ保存済みレポート名が並ぶことになる。類似の内容のレポートを保存した場合は、後で迷わないように適切に命名しておこう。

「保存済みレポート」一覧の右側にある「アクション」のプルダウンをクリックすると、「ビュー」「名前を変更」「削除」の3つのメニューが表示される(図6緑枠部分)。それぞれの機能は次のとおりだ。

  • ビュー: 保存してあるレポートを表示する
  • 名前を変更: レポート名(図6青枠部分)を変更する
  • 削除: 保存してあるレポート自体を削除する

これは「管理」画面(図7赤枠部分)のビューの項目から「保存済みレポート」(図7青枠部分)を選択した場合も同様の表示になる。メニューの内容も同じだ。

図7:「管理」画面の「保存済みレポート」
図7:「管理」画面の「保存済みレポート」

なおマイレポートで保存した内容を他の人と共有する機能は残念ながら用意されていない。少々紛らわしいが、レポート右上に表示される「共有」ボタン(図8赤枠部分)は、以前「メール」という名前だった機能で、保存されたレポートの結果を定期的にメール添付して送信する機能で、設定内容を共有し、他人も同じレポートを保存して使えるようにできるわけではない。

図8(図5再掲載):保存済みレポート
図8(図5再掲載):保存済みレポート
昔は「ショートカット」という名前だった

ユーザーフローや行動フローなどフロー系のレポートにはこの「保存」機能はない。全部確かめたわけではないが、他のほとんどのレポートでこの「保存」機能は利用できるようだ。

なお「リアルタイム」セクションのレポート(図9赤枠部分)には以前の名称である「ショートカット」といった表現が残っているが、これは日本語メニューの変更を忘れているだけだろう。現在の「保存」機能として問題なく活用できる。最近の機能名の変更については、以前変更点をチェックしたときの記事を参照してほしい。

図9:一部、以前の「ショートカット」の名称が残っているレポートもある
図9:一部、以前の「ショートカット」の名称が残っているレポートもある
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