最新版・企業IRサイトの評価、食料品・陸運業・輸送用機器・銀行業・不動産業など多業種で1位の入れ替わりが発生【BBSec調べ】
ブロードバンドセキュリティ(BBSec)は、「Gomez IRサイトランキング2024」を発表した。国内の上場企業が提供するIRサイト(株主・投資家向け情報サイト)が対象で、ランキング詳細はゴメス・コンサルティング(Gomez)のサイトで発表されている。今回で18回目。
評価項目は「ウェブサイトの使いやすさ」「財務・決算情報の充実度」「企業・経営情報の充実度」「情報開示の積極性・先進性」の4つのカテゴリ・233の調査項目から構成され、Gomezのアナリストが評価しランキングを決定した。
デザインだけでなく東証の働きかけが大きく影響
今回のランキングでは、ウェブユーザビリティに関するトレンドや技術革新に加え、昨今の社会的関心や今後適用が予定される開示基準の動向等も踏まえ、予選、本選ともに条件設定や調査項目やその重要度等を例年に比較して大きく変更。特に「テクニカルSEO」(ウェブサイトの内部構造を最適化し、検索エンジンにサイト構造を正しく伝えるための技術的な施策)に関連する評価する項目が大幅に追加された。
その結果「Gomez IRサイトランキング2024」1位は、前年2位だった「伊藤忠商事」が8.82の高得点でランクインした。前回1位の「コニカミノルタ」は2位に、前回3位の「ソフトバンク」は5位に後退。代わりに3位に前回6位の「セブン&アイ・ホールディングス」がランクインした。
なお本選ノミネート企業402社のウェブサイトのうち総合得点6.00点以上の「IRサイト優秀企業」には、261社が選定された。
「伊藤忠商事」IRサイトは、豊富な情報量とマネジメントからの強いメッセージ発信の両立を実現しており、特にサステナビリティに関する情報量が評価された。また情報量が多いにも関わらず、サイト構造、情報の配置、メニュータイトルやその見せ方が分かりやすい点も高評価につながった。
こうした傾向は2位以下も同様で、ユーザー視点での使いやすさや見つけやすさを向上させる工夫、分かりやすいサイト構成やメニュー配置などに配慮されたサイトが高得点を獲得している。また2023年3月に東証が公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」「株主との対話の推進と開示について」などを踏まえた情報拡充の動きも強く見られたという。
「IRサイト優秀企業2024」として金賞(全12社)、銀賞(全114社)を獲得したのは以下のとおり。
また前回調査からスコアを大きく伸ばした企業に絞って見ると、「あすか製薬ホールディングス」1.02増の7.17、「ゴールドウイン」0.74増の7.17、「アマダ」0.64増の7.3などの名前があがった。
さらに業種別ランキングの第1位企業を見ると、食料品トップが「J-オイルミルズ」に代わったほか、ガラス・土石製品の「AGC」、鉄鋼の「JFEホールディングス」、輸送用機器の「曙ブレーキ工業」、陸運業の「ヤマトホールディングス」、海運業の「商船三井」、倉庫・運輸関連業の「三菱倉庫」、銀行業の「みずほフィナンシャルグループ」、不動産業の「東急不動産ホールディングス」などが、あらたに1位を獲得している。
調査概要
- 【評価対象】2024年10月1日時点で東京証券取引所に上場する企業(本選ノミネート企業402社、総合得点6.00以上をIRサイト優秀企業として261社を選定)
- 【評価期間】2024年9月1日~2024年12月15日
- 【評価方法】IR情報ならびに会社情報やサステナビリティ情報が掲載されたページを調査
- 【評価基準】
・ウェブサイトの使いやすさ
・財務・決算情報の充実度
・企業・経営情報の充実度
・情報開示の積極性・先進性 - 【発表サイト】Gomezのウェブサイト(www.gomez.co.jp/)
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