データ分析は、マーケッター視点で:第8回 コミュニケーション設計③

データ分析の基盤にもなっていく「コミュニケーション設計」の話題の3つ目の考察です。 今回はマーケッターとサイエンティストの連携になります。
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(3)マーケッターとサイエンティストの連携

 コミュニケーションの設計と分析を実施する際に、忘れがちなのが「マーケッターとサイエンティストの連携」です。
 

 これは、この連載タイトルが「データ分析は、マーケッター視点で」としている事からもお分かりの通り、連載の核になる部分もあります。

 「連携」といっても、現実によく聞く話としては、「マーケッターが仮説や目的ナシに、サイエンティストへデータ分析を依頼する」「サイエンティストがマーケティング視点なく、分析してしまう」というパターンです。

 マーケッターやサイエンティスト、どちらにも役割があるわけで、どちらか一方だけでは、有効な分析を実施する事は難しいです。
(勿論、両方の視点やスキルをお持ちの方もいらっしゃいますが)

では、どう連携するか?
下記の図をご覧ください。

 お分かりのように、「マーケッターは仮説を立てたら終わり」「サイエンティストはデータもらったら、後は分析するのみ」という事ではありません。
「目標設定」から「今後の目標・課題」にいきつくプロセスにおいて、何度かのやりとりが必要になります。

  1. まずは、そもそもの「目標」とそれに対する「課題」、課題に対する「施策」があって、コミュニケーションの全体が設計されます。
     
  2. これを受け、サイエンティストは「どんな分析が有効か?」「その為には、どんなデータが必要か?」を提言します。
     
  3. 更にマーケッターはこれを実施する為、施策に対し、データが取得出来る環境を用意しなくてはなりません。
    それは、ユーザーの認証であったり、タグの設置であったり、アンケートにおける質問項目だったり、いくつかの方法があるでしょう。
    施策を実施したものの、「そもそも、そんなデータは取れない」とか「データは取ったけど、全然有効なものではない」となると、元も子もありませんよね。
     
  4. そして、必要かつ有効なデータが取れて、初めてサイエンティストは分析が出来るわけです。
     
  5. 最後は「最初に立てた目標を達成出来たのか?」という考察があり、更には
    「今後の目標」「新たに見えてきた課題」に向かい、又次の施策の向かうのです。
     

 マーケッターと分析者、それぞれが役目を果たし、それぞれが有機的に連携する。
これは、データ活用で成功していく為の、必須条件だと思いますが、貴社では如何ですか?

 

次回第9回では、「施策効果」に入っていきます。

どんなアウトプットを目指せば良いのか?例を使ってお話していくますので、お楽しみに。

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連載記事一覧
データ分析は、マーケッター視点で
 第1回 デジタル&データの潮流① - ビジネス変革:デジタル・イノベーターの台頭

 第2回 デジタル&データの潮流②
  - データの多様化:接点の実績が全てデータ化されていく

 第3回 顧客分析のポイント① - 属性からインサイトへ

   第4回 顧客分析のポイント② - データの多様化

 第5回 顧客分析のポイント③ - 商品ファンから企業ファンへ

 第6回 コミュニケーション設計① - コミュニケーションの全体設計

 第7回 コミュニケーション設計② - コミュニケーション分析

 第8回 コミュニケーション設計③ - マーケッターとサイエンティストの連携

 第9回 施策効果① - MMM(マーケティング・ミックス・モデル)

 第10回 施策効果② - 施策の効果測定

 第11回 施策効果③ - 予算最適配分のシミュレーション

 第12回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性①

 第13回 ブランド評価と目指すべき分析の方向性②

 

【筆者紹介】

山崎 浩人

広告会社でマス広告、コールセンターでCRMを手がけ、携帯事業者でキャリアレップCEO、電通・CCI出資のクロスメディア事業CEOを勤めた。

その後、外資広告社で企業のブランド戦略やグローバル戦略を支援。現在も戦略系コンサルを担う。

 

・2012年 日本広告主協会Web広告研究会「Web人 of the year」受賞
・講演例:「反グローバリズム時代の企業成長とブランド理念」
 https://www.is-assoc.co.jp/seminar20160120/

 

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