Google「リンク売るのは別に問題ないんだよ、でもね……」【SEO情報まとめ】
「グーグルはリンク販売を禁止している」これは正しいようで間違っている。外部リンク販売も問題ない――商業的な意図がある場合にグーグルがわかるように明示している限りは。
アフィリエイトやスポンサー投稿などのリンクが問題にならないように先回りして対処しておく方法を知っておいてほしい。
※タイトルを見て「え? SEOリンク売り放題なの?」とは勘違いしないでほしい。
お盆をはさんで久しぶりのこのコーナー更新、今回もSEO情報を厳選してお届けする。
特に「検索トラフィックが減る5つの原因と分析方法」や「クロールのクイズ12問」、さらには「ページスピード高速化の10の事例」などは、プロのSEO担当者ならば押さえておきたいところだ。
- 検索トラフィックが減った!! 5つの主な原因と減少パターン分析をグーグルが解説
- あなたは解けるか? クロールに関するクイズ✕12
- PDFをHTMLでも公開したら検索トラフィックとコンバージョンが大幅アップ
- SCのページエクスペリエンスレポートからセーフブラウジングと広告に関する問題が削除される
- 10の事例で、ページスピード高速化の社内説得を成功させよう
- Googleニュースでの表示に関するよくある質問への回答
- 著作権についてコンテンツ制作者ならよく知っておく必要あり
- 2021年6月のCWVは7月とほぼ変化なし、30%のサイトが全指標で良好と判定
- 2021年7月のオフィスアワー: 良いコンテンツをグーグルに伝えるには、ソフト404が増加した理由、Discoverの画像の推奨サイズなど
- Google、1年たてばリダイレクトは解除可能。引き継いだ評価はリダイレクトなしでもそのまま残る
- Google、モバイル検索でのAMPバッヂの表示を終了
今週のピックアップ
Google「リンク売るのは別に問題ないんだよ、でもね……」
不適切だと手動対策を受けることも (グーグル検索セントラル ブログ) 国内情報
※タイトルを見て勘違いされると困るので念のために明記しておくが、グーグルがSEO目的のリンクを認めているわけではない。詳しくは下記を理解してほしい。
グーグルは、リンクを有料で販売することは認めていない
これはSEOの世界では一般的な認識だろう。しかし実際には、グーグルはリンクを販売すること自体を禁止しているわけではない。グーグルが禁止しているのは、次のことだ:
検索順位に影響するリンクを人為的に設置したり利用したりすること
言い換えると、「検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為」「検索評価に影響するリンク」でなければ何も問題ない(そもそも、すべてのリンクを禁止してしまうと、広告もアフィリエイトも成立しなくなってしまう)。
そしてグーグルは、そうした「本来は検索エンジンの評価に影響を与えるべきではない」リンクを見分けられるようにするための仕組みを提供している。
グーグルはこの夏、「外部リンクの関係性」、わかりやすく言うと外部向けリンクを設置する目的を検索エンジンに明示するように、検索セントラルブログであらためて注意喚起した。
具体的には、次のようなリンクに対するものだ:
- アフィリエイトリンクや広告リンクにように商業的な意味合いを持つリンク
- 記事からのステークホルダーのサイトへのリンク(広告記事やゲスト投稿)
これらは、金銭の授受や宣伝などを目的としたリンクであり、自然発生的なリンクではない(「役に立つ」とか「関連しているので参照してほしい」という意図ではない)。
しかし、「検索順位を操作する目的ではないから」と、これらのリンクをそのままにしている人も多いのではないだろうか。
こうしたリンクは、そのままの状態だと不自然なリンクだとみなされ手動の対策を与えられることがある。特に、乱用とみなされたり、ランキングを操作する意図があると判断されたりすると、ほぼ確実にガイドライン違反に問われる。
こうしたリンクが「不自然なリンク」と判定されないようにするには、<a>
リンクタグに対して適切な rel
属性を追加する。アフィリエイトリンクや広告リンク、寄稿記事からのリンクには次のいずれかの rel
属性を使う。
rel="sponsored"
rel="nofollow"
どちらも働きは同じだ。だが、rel="sponsored"
は商業的なリンクであることをより明確にグーグルに伝えられる(ので、グーグルとしては該当する場合はこちらを使ってほしい)。
新しい情報ではないのだが、商業的な意味合いを持つリンクを設置する場面があるなら元記事をよく読んでおいてほしい。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報①
検索トラフィックが減った!! 5つの主な原因と減少パターン分析をグーグルが解説
減少する理由は主に5つ (グーグル検索セントラル ブログ) 国内情報
検索トラフィックが減少する5つの主要パターンとその分析方法をグーグルが検索セントラルブログで解説した。
検索トラフィックが減少する主な原因として次の 5 つを挙げている
- 技術的な問題
- セキュリティの問題
- 手動による対策
- アルゴリズムの変更
- 検索インタレストの低下
減少するパターンを分析するには、Search Consoleの検索パフォーマンスで次の手順で調査する。
- 期間を 16 か月以上に変更する
- 減少した期間を類似する期間と比較する
- 異なる検索タイプを個別に分析する
また検索インタレストの調査にはグーグル トレンドの利用をアドバイスしている。
解説だけでトラフィック減少の理由を解明できるとは思わないが、とっかかりとしては非常に役立つ。詳細を元記事で確認して参考にしてほしい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
あなたは解けるか? クロールに関するクイズ✕12
全問正解できたらSEO上級者 (検索セントラル on Google Developers) 国内情報
検索セントラルの上級者向けSEOガイドでグーグルが公開している「大規模なサイト所有者向けのクロールの割り当て管理ガイド」に、「クロールに関する誤解と事実」というクイズのセクションが加わった。
グーグルがウェブサイトをクロールしてインデックス登録する方法について、あなたの知識を試せる。設問は次の12個だ。
サイトマップを圧縮すると、クロールの割り当てを増やすことができる。
Google は、新しいコンテンツよりも古いコンテンツ(重みが大きい)を優先する。
Google はクリーンな URL を優先し、クエリ パラメータを好まない。
ページの読み込みとレンダリングが速いほど、Google のクロール量が増える。
小規模サイトに対するクロール頻度は大規模サイトよりも低い。
コンテンツがホームページに近いほど、Google にとって重要度が高くなる。
URL のバージョニングは Google にページの再クロールを促すのに適した手段である。
サイトの速度とエラーがクロールの割り当てに影響する。
クロールはランキング要因である。
代替 URL と埋め込みコンテンツがクロールの割り当てにカウントされる。
「crawl-delay」ディレクティブを使って Googlebot を制限できる。
nofollow ディレクティブはクロールの割り当てに影響する。
全問正解を目指して挑戦してみよう!
- ホントにSEOを極めたい人だけ
PDFをHTMLでも公開したら検索トラフィックとコンバージョンが大幅アップ
PDFをHTMLに正規化するといい (Sander Tamaëla on Twitter) 海外情報
PDFで公開していたコンテンツをHTML(ウェブページ)でも公開したところ、検索トラフィックもコンバージョンも大きく増加したというサイト管理者がいた。
For one of my clients we’ve created HTML versions of PDF’s and pointed an x-robots canonical to the HTML version. Added a ton of measurable traffic (GA) to pages and conversions went up (because of the navigation in the HTML pages)
— Sander Tamaëla (@tamaela) August 12, 2021
PDFの内容をHTML版でも作って公開すれば必ずうまくいく――ということでは決してない。しかし、PDFよりもHTMLが有利な点にはたとえば次のようなものがある:
- PDFよりもHTMLのほうがグーグルにとって内容を理解しやすい
- ウェブページだとナビゲーションメニューを設置できる
- スマホではウェブページのほうが読みやすい(PDFはモバイルフレンドリーにできない)
一方で、(PCに)ダウンロードして読んだり配布したりするのであれば、PDFのほうが使い勝手が良いだろう。
二者択一ではなく、PDFとHTMLの両方のバージョンで公開するのが賢いやり方だ。
もしPDFとHTMLの2種類のバージョンで同じコンテンツを公開するなら、検索の観点から(HTMLバージョンに)正規化(canonical指定)しておくことをおすすめする。PDFには rel="canonical"
タグを設定できないので、HTTPヘッダーのlink
で設定する。
ツイッターの投稿者もこうした正規化を適切に設定していたとのことだ(元ツイートではX-robotsとしているが、正しくはHTTPヘッダーのlinkだと思われる)。
たとえば、次のような状況ならば、
- PDFのURL: https://example.com/sample.pdf
- HTMLのURL: https://example.com/sample.html
PDFページへのアクセスに対して、次のような記述をWebサーバーの.htaccessに記述する:
<Files "sample.pdf">
Header set link '<https:/example.com/sample.html>; rel="canonical"'
</Files>
これで、検索エンジンのロボットはHTML版が正規URLだと認識できるようになる。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
SCのページエクスペリエンスレポートからセーフブラウジングと広告に関する問題が削除される
もともとランキング要因ではなかった!? (グーグル検索セントラル ブログ) 国内情報
Search Console のページ エクスペリエンス レポートに変更をグーグルは加えた。次の2つの状態に関する項目を削除した。
- セーフ ブラウジング
- 広告に関する問題
以前は次のような状態だったものが、
今は次のようにすっきりしている。
削除の理由は、どちらもページ エクスペリエンス シグナルとしては使われていないからだ。正直言って拍子抜けしてしまう理由だが、余計なものはないに越したことはない。
レポートから削除された項目は、もともとランキング要因としては使われていなかったのでページ エクスペリエンスの状態に影響を与えることはない。なお、セーフ ブラウジングと広告に関する問題はどちらも単独のツールとして状態を確認できる。
念のため確認しておくと、ページ エクスペリエンス シグナルは実際には、次の要因で構成される。
- コア ウェブ バイタル
- モバイルフレンドリー
- HTTPS
- わずらわしいインタースティシャルがない
- すべてのWeb担当者 必見!
ソーシャルもやってます!