リンク価値を爆上げする「関連性4本柱」はどんな業種のアイデア発想にも使えるフレームワーク(前編)
「関連性」は、SEO関連のトピックとして話題が絶えない。自分のコンテンツより検索上位に超ニッチな弱小サイトがいるのを見た経験がある人なら、間違いなく関連性に関心があるだろう(みんな知らないかもしれないけど、グーグルでさえ、関連性を優先してページの表示順位を決定している!)。
グーグルのジョン・ミューラー氏が2021年、「リンクの数はまったく重要ではない」と言い放ち、「関連性の高いコンテンツこそ量に勝る」と発言してネットを騒がせて以来、この問題は大きな関心を集めている。
今回は、デジタルPRエージェンシーJBHのチームがトピックの関連性の原則を、次の各戦略にどのように組み込んでいるかを紹介する:
- コンテンツ
- アウトリーチ
- リンクビルディング
彼らは、あらゆる点で成果を高めるために関連性について多くの時間をかけて取り組んできた。事例を学び、自分たちの活動にプロセスを適用しよう。
そもそも、関連性を気にする人などいるのか?
私は2022年1月、Twitterでアンケートを実施した(とても科学的な……調査だと……思う……)。「リンクの役割について最も重視すること」を、ユーザーに4つの選択肢から選んでもらったのだ。その結果はかなり興味深いものだった。
次の4つの選択肢のうち、自身のクライアント/ブランド/サイトのリンクの役割について最も重視することは何ですか?
(すべて重要なのはわかっています! ✨あなた✨にとって最も重要なのはどれですか?)
- 自社の宣伝になる (27%)
- 自社のオーディエンスにとって関連性が高い (47.2%)
- ニュース性がある/話題性がある (15.7%)
- 狙っているキーワードを含んでいる (10.1%)
Out of these four options, what do you care about the most when it comes to linked coverage for your clients/brands/sites?
— Rebecca Moss (@bexmoss) January 17, 2022
(I know it is all of them! But what's the most important for ✨YOU✨)
ご覧のように、多くの人が関連性を重視していることがわかった。トピックにニュース性があることよりも、キーワードが含まれていることよりも、関連性が重要と考えられているのだ。
実際のところ、これはトリッキーな質問だった。これら4つの選択肢は、私たちがコンテンツやアイデアのベンチマークに使っている要素だからだ。それにもかかわらず、キーワードが(皮肉にも)最下位だったのは象徴的だ。
関連性スペクトラム4本柱のフレームワーク
「関連性」という言葉が意味するものは、人によって異なる。そこで私は、どんなアイデア発想にも使えるフレームワークを作った。その狙いは、コンテンツ化しようとしている各アイデアが、クライアントが考える「関連性スペクトラム」のどの位置にあるか意識しながら仕事を進められるようにすることだ。
そのフレームワークとは、次のようなものだ:
このフレームワークが示すものは、関連性には4つの柱があり、アイデアがその4要素いずれかに当てはまる限り正しい方向に進んでいるとわかるということだ。もちろん、中央に近いほど良い。
オーディエンス ―― 自社または自分のクライアントのオーディエンスは、そのコンテンツに興味を持つだろうか?
オーソリティ ―― 自社または自分のクライアントは、そのテーマについてオーソリティがあるか? そのトピックについてインタビューを受ける可能性はあるか?
キーワード ―― 検索結果の上位に表示させたいキーワードが含まれているか? リンクする意味のあるページがサイトに含まれているか?
ニュース性 ―― ジャーナリストは私たちのコンテンツに関心を持つだろうか? 私たちはその話題に何を加えようとしているのか?
関連性の高いコンテンツは、ビジネス成果につながる主要なページへのリンクを増やしてくれる
関連性に重点を置いたデジタルPRを正しく実施すれば、単なるリンクより、はるかに多くのものを提供できる。そして企業各社は、その商業的効果を認識しつつある。
ここ1年ほど、企業が私たちに依頼してくるものは、
- 大規模でクリエイティブなコンテンツキャンペーンからのリンクを求める
ような案件よりも、
- ビジネス成果につながるページへのリンクを求める
ような案件のほうが、はるかに多い。デジタルPR業界は一巡してコンテンツマーケティングの基本に戻りつつある。
ただ、勘違いしないでほしいのだが、「コンバージョンに直結するコンテンツへのリンク」を構築するのは本当に難しい。そこで私たちはリンクファーストの思考ではなく、リサーチファーストの思考を持つことに努めたのだ。「ビジネスや業種」「ウェブサイトそのもの」を深く掘り下げ、企業にとって最高の結果をもたらすリンク獲得戦略を策定した。
そして、この取り組みの中核を成すのが「関連性」なのだ。
さまざまな業界や業種の企業で使えるリンク獲得戦略とは、次の4ステップから成る:
- 適切な質問をする
- アイデア出しに取り組む前に、自らに明確な境界線を設ける
- フォーマットを忘れ、アイデアをたどって創造的なやり方を導き出す
- 関連性スペクトラムを用いて、アイデアのストレステストを実施する
ステップ1適切な質問をする
新たな企業と契約した瞬間から、私たちはリンクビルダーであることをやめ、エージェンシー(つまり代理人)としてその企業に内側から関わることになる。
そのため、次について把握する必要がある:
- 相手のビジネスや目標
- デジタルPRの媒体を通じた成功
ステップ2アイデア出しに取り組む前に、自らに明確な境界線を設ける
アイディエーション(アイデア出し)は収拾がつかなくなることもある。
そこでアイディエーションできるトピックやテーマについて境界線を決めておくと、優先するランディングページに向かう真に関連性の高いアイデアを導きやすくなる。
ステップ3フォーマットを忘れ、アイデアをたどって創造的なやり方を導き出す
私たちは、独創的で創造的なコンテンツやキャンペーンの手法を提案する場合でも、常にデータによって裏付けをもつようにしている。
しかし、そのデータをどう表出するかはアイデアに任せる。アイディエーションにおいて、私たちはキャンペーンの「タイプ」は念頭に置かない。
ステップ4関連性スペクトラムを用いて、アイデアのストレステストを実施する
クライアントにアイデアを共有する前に、私たちのアイデアが本当にマッチしていることを確認し、見せ方にも満足できるようにしておく必要がある。そのために、前出のフレームワークを使い、関連性スペクトラムに照らして検討する。
この検討で、関連性を満たさないアイデアをふるいにかけるのだ。
「関連性」に改めて正面から向き合うこの記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、英国の民間医療センターを例に、今回紹介した枠組みのケーススタディを見てから、コンテンツづくりで常に関連性を優先させるための5つのチェックリストを紹介する。
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