Google広告の変遷から読み解く、新しいネット広告の潮流。脱サードパーティクッキーの後に起こる変化とは。
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滝井です。
個人情報保護の観点から、サードパーティクッキーの使用制限や Apple の ITP(Intelligent Tracking Prevention)によって、ネット広告の規制が話題になっていますね。
ずいぶん前から静かに動き始めていたものが、2020年、2021年に特に大きく取り上げられるようになりました。
ネット広告を使っている人からすると不安になる面も多いかと思いますが、過度な心配は不要です。変化は常にチャンスであり、すでに新しいチャンスがたくさん生まれています。変化の流れを理解して上手く活用すれば問題ありません。
ただし、この動きは非常に複雑でわかりにくいのが実情です。今何が起きているのか、今後起こりうることは何か、Google 広告の過去のデータから読み解き説明いたします。
世界的に強まる個人情報保護による情報規制
2020年はネット広告の規制が世界規模で大きな話題となりました。この根本原因はネット広告がリアル世界の広告(4マス媒体)とほぼ並んだ分岐点だったためです。いわば「ネットのマス化」です。
「2020年インターネット広告媒体費」解説。4マス媒体とほぼ並んだ「2.2兆円超」の内訳は? | ウェブ電通報電通報
今最もよく見られている媒体はテレビ CM でも電車広告でもなく、インターネットなのです。一国の国家予算よりも大きな規模の売上をあげる Google や Facebook は、その収益源の7割以上を広告であげています。
問題視されるのは、それらプラットホームで配信される広告が、個人情報をもとにターゲティング精度をあげていると考えられているところです。
個人が特定できないような仕組みが施され、各企業は慎重に個人情報を取り扱っているのです。しかし「一企業にその信頼を任せてよいのか」という疑問が生まれるほど大きな影響力を持ってしまったのが現状です。
ことの発端は EU の規制強化(EU 一般データ保護規制)です。なぜ個人情報保護の観点から広告の規制が叫ばれるようになったかというと、個人の情報を国という単位ではなく、企業単位で握っているからだと考えられます。自分の国の国民の情報は、国家が持つべきであって、企業がその影響力を持ちすぎるのは困るという発想なんですね。
個人情報保護の厳格化が企業に求められ、その流れでサードパーティクッキーも個人情報であると問題視され始めました。
これにうまく活用し始めたのが Apple 社の ITP という独自のクッキー規制です。ITP (Intelligent Tracking Prevention)とは、Apple 社が開発した Web ブラウザ safari におけるサイトトラッキング防止機能です。
Apple が ITP を強化するのは、個人情報保護を重視しているというよりは、むしろ文化の問題なのです。2つの企業についてはこちらの記事で説明しています。
しかしターゲティング精度の向上で、質のよい広告ができるメリットよりも、個人情報が保護されるほうが良いと考えるのが一般的な考えなので、世論に後押しされたかのように ITP が強化されていきました。
Google の検索広告では、実際に広告をクリックした人がどんな具体的な検索キーワードを入力したのかが分かる機能、「検索語句(旧名称:検索クエリ)」があります。しかし2020年から個人情報保護の一環として、見ることができなくなりつつあります。これも情報規制の流れの1つといえますね。
脱サードパーティクッキーの流れから生まれた新しいネット広告の潮流とは
個人情報保護の規制強化から、将来的にサードパーティクッキーは使えなくなると考えられます。
今までサードパーティクッキーに依存したネット広告モデルは終わり、脱クッキーから新たな潮流が生まれるでしょう。
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