Googleの順位決定にGoogle Analyticsのデータが使われていたことが判明!
サイトに訪れたユーザーが、最初の1ページを見ただけでサイトから離れてしまい(ブラウザを閉じたり他のサイトへ行ったり)、他のページを閲覧しないことを言う。「直帰率(バウンス率)」とは、サイトへの訪問全体に占める直帰してしまった訪問の割合を指し、アクセス解析ツールなどで調べられる。当然のことながら直帰率は低ければ低いほど良いと言えるが、サイトによっては直帰率が60%~70%程度になることも珍しくない。
先日、感動的なブログを見つけた。Visioが書いた「直帰率とGoogle検索結果に関する調査データ」というタイトルのブログ記事だ。この記事は、Googleが検索エンジンのランク付けに検索者の行動データを利用していることを証明する、初めての実験を取り上げている。
GoogleはGoogleツールバーやGoogle Analyticsを通じて、ユーザーの行動を追跡しているのではないかと、SEO関係者が漠然とした見解を述べている記事はいくつか見てきたが、具体的なものではなかった。なぜGoogle Analyticsみたいな強力なツールを、Googleは無料で提供するのだろうとは、僕もときどき考える。僕の中ではデータマイニングだ!という答えが聞こえていたのだけど、裏付けも具体的な証拠もなかった。
背景について少し説明させてほしい。まず今から数日前、Googleが検索結果での順位の決定に行動データを利用していることを示す公式ブログを読んで、Visioはその内容に反応した。Googleの公式ブログから一部を引用する。
同様に、ログによって検索結果を改善できる。検索した人が1番目の検索結果をクリックしているとわかれば、われわれは正しいことになるが、もし次のページに移動したり、検索クエリを再び作り直しているなら、われわれは間違っていることになる。検索企業が自社サービスを継続して改善していく能力は不可欠で、それは、こうしたデータの通常かつ予期される利用法の一例にあたる。
オーケー、Googleは秘密を漏らし始めている。ところで、それはどの程度まで実施されているのだろうか? そのすべてが(全部ではなくとも、大部分が)Visioらチームの実験で明らかになった。間違いなく、自分でVisioのブログを読みたくなるはずだ。でもまずは、僕に簡単に説明させてほしい。
Visioのチームは2つの実験を行った。Google Analyticsをまったく使用しない実験1は、検索結果ページの項目をクリックした回数が順位に影響するかを調査したものだ。競合的なキーワードについては100人の参加者で実験し、非競合的なキーワードに関しては65人の参加者で実験した。非競合的なキーワードで実験したサイトは、2週間で順位を変えることができた。一方、競合的なキーワードで実験したサイトについては、順位を上げることができなかった。これを受けて彼らが出した結論はこうだ。
Googleの検索結果ページで行う特定サイトへのクリック数は、アルゴリズムの計算に反映されるが、わずかしか影響しない。
実験2は、Google Analyticsが検索結果での順位の決定に果たす役割を割り出すというものだった。数週間かけて、Visioのチームは100人の協力者に、Googleの検索結果ページからクリックでサイトに飛んでもらい、そのサイト内をクリックで移動して、30分から60分過ごしてもらった。チームはリンクビルディングといった、順位を変える行為はほかにいっさい行わなかった。およそ1週間経つと、サイトの順位は80位から33位へと、47位上昇した。Google Analyticsでは直帰率がかなり低下し、該当サイトでの滞在時間の平均値が上昇した。チームが実験を終了すると、順位も含めこれらの数値は実験前の状態に戻っていった。
この実験では、Googleが順位のアルゴリズムを改善するために、Google Analyticsのデータを利用していることが証明された。
小規模な実験だったが、今後の調査のためにすばらしい出発点をもたらした。僕が知る限り、この種の実験としては初めてのものだ。このような実験を実施し、非常に先見的であったVisioと彼のチームに敬意を表したい。
(すごく足早に実験の概略を見てきたけど、決して、実験そのものをきちんと説明できたわけではない。詳細についてはぜひ自分で確認してほしい)
これは、本当に刺激的な情報だ。ウェブサイトに例のコードを挿入するやいなや、Googleのコンピュータはそのサイトの訪問者に関して、役に立つさまざまなデータを引き出していくことがわかったんだ。最初は卑怯な感じがするかもしれないけど、率直に言って僕は、Googleがこうしたデータを利用していることを喜んでいる。これなら、実際にユーザーにとって検索結果が改善されるのだから。
ところで、Googleは最近、FeedBurnerを買収した。FeedBurner全購読者のフィードから、どんなデータを取り込むことが可能か想像してみてほしい。明らかに、1万人の読者を抱えるサイトは、読者100人のサイトよりも権威が上がることになる! いずれこの新しいデータを、順位のアルゴリズムで利用するのは、間違いないだろう。
何か意見や感想などがあれば、教えてほしい。
コメント
この実験って、信憑性がある?
たしかにGoogleの提供するツールにはユーザーの動きをデータ利用しているのではと疑われるものが多々あるように思われます。しかし本当にこの記事にある実験で、GoogleがGoogle Analyticsを利用して検索結果を操作しているということの証明になっているのでしょうか?このような検索システムのためのデータをGoogleがもし必要としているのなら、なにもGoogle Analyticsのデータを使用しなくても、検索結果のクリック率やクリック先の直帰時間などは、検索システムの範囲内で把握可能ではないでしょうか?もしこの実験結果の有効性を証明するのなら、Google Analyticsを利用していないサイトで同様の実験を行ない、双方の実験の比較を行なわないかぎり、[Googleが順位のアルゴリズムを改善するために、Google Analyticsのデータを利用していることが証明された。]とするには、拙速かと思います。
Re: この実験って、信憑性がある?
編集部の安田です。
システムの都合でコメントが表示されておらず、コメントの公開とお返事に時間がかかってしまいました。失礼しました。
実際のところ、記事で示されている実証実験だけでは、明確に「証明された」と断言するには厳しいのは、ご指摘のとおりです。
ただ、翻訳記事ですので元記事の意味を変えるわけにもいかず、内容もセンセーショナルでしたので、あえてそのまま掲載しました。
ご指摘の点などは、統計や論理を少し勉強した人ならば、記事に対して反論できる部分ですので、こういった形でのコメントを頂戴できたのは非常にありがたいです。
ですので、すばやいコメントを頂戴していたのにシステムの都合で非公開状態が続き、編集部がそれに気づくのが遅れてしまって申し訳ありませんでした。
かなり興味深い記事です。
私も、googleって何であんなすばらしいツールを
無償で提供するのかを考えたりします。
こういった実験。
すごく、興味ありますね。
googleは、ユーザーが満足する結果を表示したいと考えてるでしょうから、
すごく信憑性あると私は思います。
実際のところは、闇に包まれてますが・・・
私個人としては、googleならやりそうですね。
投稿者:草薙
運営サイト:成功方法ネット