SNS利用度に変化なし、利用しなくなった原因は「mixi疲れ」?/SNSに関する調査
Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社の株式会社ボーダーズと共同調査のもと、mixiやGREEなどPCで利用可能なSNS(ソーシャルネットワークサービス)に関する利用実態調査を行い、2007年1月に実施した「第2回SNSに関する調査」との比較を行った。
調査結果によると、利用するSNSサービスはmixiが最も多く、約45%弱のユーザーがほぼ毎日SNSを利用していることがわかった。また、SNSを利用しなくなったユーザーにその理由を聞いたところ、過半数が「時間がないから」とあげた。
※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。この調査は、19~34歳の男女を対象として行われた。
※この調査においてのSNSは、携帯専用のSNSをのぞいたものとする。
SNS利用度は変化なし
まずQ1では、mixiやGREEなどPCで利用可能なSNSの利用度を尋ねた。
その結果、SNSの利用度は、「よく利用している」「利用したことがある」がそれぞれ、36%、15%であることがわかった。このデータは、前回調査(2007年1月)と比較して、SNS利用度は特に変化していない。
米国人の3人に2人がSNSを利用しているというデータ(SNSは若者限定から脱皮できるか/Paul Lamp)と比べると、日本でのSNS普及率はまだまだなのかもしれない。
実際に、依然として「SNSを利用した事がない/知らない」ユーザーが50%に上り、この数値は前回調査と比較すると、ほとんど変化していない。
登録SNS数も主に利用するSNS数も1つのユーザーが大半
Q2では、登録しているSNS数と主に利用しているSNS数について尋ねたところ、登録しているSNS数が1つというユーザーは75%、主に利用しているSNS数が1つというユーザーは90%となった。このデータも、前回調査と比較すると変化がほとんどなかった。
mixiやGREEのような、PCで利用可能なSNSサイトは増加傾向にある。たとえば、米国にて音楽のアーティストを囲い込んで成功したマイスペースが2006年11月に上陸しているし、人材系、不動産系企業などもSNSに参入してきている。このような市場動向の中で、本アンケート調査によると、前回調査(2007年1月)と比較してSNS登録数が増加していない。つまり、SNSサイト自体が増加しているが、ユーザーのSNS登録数が伸びていない。新規参入してきているSNSサイトがユーザーに対して、十分に利用するメリットを訴求できていないことが原因ではないかと考えられる。
SNS利用暦が6か月以下のユーザーは34.4%
Q3では、SNSの利用年数を聞いた。その結果、過去6か月以内にSNSを始めたユーザーは34.4%に上ることがわかった。
この結果も、前回調査と比べてほぼ変化がない。利用度も同様に変化がない(Q1)ことから、SNSを始めたユーザーは増加しているが、ほとんど利用をしなくなったユーザーもほぼ同数いるという可能性があることがわかった。
利用するSNSサービス(複数回答)は「mixi」が約86%でトップ
Q4では、利用しているSNSサービス(複数回答)を尋ねた。
その結果、「mixi」が2位以下を圧倒的に突き放し、85.9%でと最も利用されており、次いでGREEが9%となっている。
mixiの利用率は前回調査から約10ポイント下がっているが、圧倒的トップであることは変わらない。
米最大手のSNS「マイスペース」が「国内最大のSNSサイトになる」との目標を掲げて日本に上陸してから1年を迎えようとしている。上陸直後は国内最大手の「mixi」と「マイスペース」の競争が注目されていた。(※参照:ソフトバンク、世界最大のSNS「マイスペース」日本語版を開始--ニューズグループと合弁で/CNET.Japan)
しかし、前回調査と比較しても、マイスペース利用が伸びていない。また、会員数は非公開だが、サイトへのアクセス者数を示す月間PVは5900万とmixi(3月時点で約69億)の100分の1以下だ(※参照:音楽で集客へ――苦戦するMySpace日本版/ITmedia)。国内のSNSとして、後発のサービスとなるマイスペースの参入時点では、会員数600万以上を誇るmixiを追いかける戦略を探しあぐねているのかもしれない。
ただ、MySpaceは音楽配信ができるため、ワールドワイドで400万組の「アーティスト」が登録しており、国内でも小室哲哉氏など2万組が登録している(※参照:MySpace日本版の登録アーティスト、2万超に/ITmedia)など、巻き返しを図っている。
なお、本レポートには掲載しなかったが、その他と回答したユーザーのフリーアンサーでは、「CURURU」「Facebook」などが上がっていた。
最もよく利用するSNSサービス(単一回答)でもmixiが約85%でトップ
さらにQ5では、最も利用しているSNSサービス(単一回答)を聞いたところ、単一回答でも「mixi」が84.5%と2位以下を圧倒的に引き離しトップという結果となった。
利用率が圧倒的に高い(Q4)mixiが、最も利用されている状況だ。
電車の中でのとある乗客の会話の中にも、「○○さんと最近会った?」「会ってないけど、ミクシィで話したよ。」といった言葉もきかれ、mixiが一般消費者の生活のなかに入り込んでいることがわかる。
現状、mixiはSNSの1つだが、SNSという言葉は知らなくても、mixiは使っている、そんな感覚に近いのかもしれない。1年ほど前、ウェブで情報を探索することを「ググる」という言葉の使い方が広まったが、今後、ウェブで友人とコミュニケーションすることを「ミクる」と呼ぶようになるかもしれない。
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