「あなたのサイトがネットに存在する意義は?」グーグル社員が問う本質【SEO記事12本まとめ】
「そのサイトがネット上に存在する意味を持つように心がける」グーグルの金谷氏がツイートしたこの言葉は、SEOに限らずサイトを運営するすべての人が改めて考える価値のある根本だ。
ほかにも、グーグルにtitleタグを書き換えられたときの対応、グーグルが送ったSEOスパムへの警告900万通、グーグル画像検索からの集客アップ、URLにカテゴリ名を入れてもSEOには意味なし、MFIでリンクグラフが大激変か、Googlebotがクッキーを利用などなど、SEOに関する話題をまとめてお届けする。
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「あなたのサイトがネットに存在する意義は?」グーグル社員が問う本質
グーグル社員の考えるサイトオーナーの心構え (金谷 武明 on ツイッター)
オフィスアワーでおなじみ、日本のグーグルで検索のエヴァンジェリストを務める金谷氏のツイートを紹介する。
SEOで検索上位に表示しようとがんばっている人に限らず、サイトを運営するすべての人が改めて考える価値のある、根本的なことに関する問いかけだ。
昨年から問題になっていた“キュレーション”メディアの問題や、「広告主をもだます」と報じられたアフィリエイトサイトやASPの問題など、モラルや秩序が崩れつつあるインターネットの現状を念頭に、あなたも考えてみてほしい。
インターネット上の良き一員であるように。検索にもソーシャルにもその他のサービスにも優しいサイト作り。ユーザーに独自の価値を提供するなどそのサイトがネット上に存在する意味を持つように心がける。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2017年4月14日
ここ数日考えていたサイトオーナーの心構えみたいなものですが、いかがでしょう?
そうすると、好きでもない商品を推したり、独自の価値を提供してないどこにでもあるようなサイトを上位に表示しようとしたり、アルゴリズムの変動な怯えたりすることが相当なくなると思うんですよね。独自の価値を提供するのは難しいですよ。当たり前じゃないですか(笑)
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2017年4月14日
とか考えてた1週間だった
グーグルとしての見解ではなく金谷氏個人の見解だという点には注意が必要だ。
とはいえ、グーグル検索で評価してほしいと望むのならば、いや、ネットを舞台に何らかの活動をするのならば、金谷氏が言うように、
- インターネットの秩序を乱さない
- 検索エンジン以外も意識した使いやすいサイトにする
- 訪問者に独自の価値を提供するなど、ネット上に存在する意味があるサイトにする
ということを意識しておくことは、非常に重要なことだと筆者は考える。
こうしたことを考えながらサイトを運営する人が増えて、「自分のところにトラフィックが増えればいい」「自分と広告主がもうかればいい」という考えの人が減っていけば、ネットがより良い場になり、多くの人がもっとハッピーになっていくのではないだろうか。
ちなみに、このトピックとは直接は関係ないが、金谷氏は次のようなツイートもしている。こちらも、SEOに携わる人ならば考え直す価値はある。
検索結果のランキングの向上を社内で業務にしてる場合、コンテンツの本来の適正順位を精査した上で、その順位以下の場合に改善する作業をする、という感じになると思うんですが、この精査みたいなステップって実際行われているものなんでしょうか。#昨日寝る前に考えてたこと
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2017年4月15日
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日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルにtitleタグを書き換えられたときにチェックすべき4つの項目
想定していないページの上位表示の対処は難しい (現役seo担当が教えるよブログ)
グーグルの検索結果にページが表示されるのだが、titleタグで設定したものとは異なるタイトルで表示されてしまう
グーグルが勝手にタイトルを書き換えて検索結果に出してしまう、そんな現象に頭を抱えた経験はないだろうか? その対処方法を解説したのが、ここで紹介する記事だ。
グーグルによるタイトルの修正の発生を引き起こす代表的な原因として、元記事では次の4つを挙げている。
- タイトル文字数オーバー
- タイトルと内容が一致してなかったり、「商品紹介」のようなわかりにくいタイトルをつけている
- 一定のキーワードをタイトル内で複数回使っている
- 全ページ同じタイトルになってしまっている
公式ヘルプ記事に書かれていることも含まれているが、対処方法がわかりやすい。titleタグの自動書き換えが発生していて困っているならば、参考にするといい。
ただし対処したからといって、グーグルが勝手に修正したタイトルを検索結果に表示するのを完全に防げるわけではない。検索ユーザーのクエリに合わせて、より適切だと判断したタイトルを検索結果に表示するグーグルのアルゴリズムを無効にする方法はないからだ。
ちなみに元記事では、「想定しているものとは異なるページが検索結果で上に表示されてしまう」という現象への対処にも触れている。とはいえ、効果的な対応策はない。原因がはっきりしない場合も多い。
それでも、こちらの記事が説明している方法を試してみるのは悪くないだろう。
- 比較的SEO初心者の人
SEOスパムへの警告900万通! グーグルはウェブスパムを許さない
ハッキングサイトも増加の一途 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
2016年に実行したウェブスパム対策の状況を、グーグルがブログで報告した。
数字とともに紹介されている部分をいくつか抜き出してみる(強調は筆者による)。
アルゴリズムで対処できないウェブスパムに対して手動対策を実施。問題をウェブマスターに通知するために送ったメッセージは900万通。
構造化データの品質ガイドラインを満たしていない1万サイト以上に手動対策を実施。
ハッキングされたサイト数は2016年に過去最多を記録(対2015年で32%の増加)。
2016年に世界中のユーザーから寄せられたスパムレポートは18万件、報告されたサイトの52%をスパムと判定。
ウェブスパムもハッキングも増加の一途であるようだ。しかしグーグルは、ユーザーともウェブマスターとも力を合わせスパム撲滅のために奮闘していることがよくわかる。
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グーグル画像検索からの集客アップを狙える「似ている商品」とは?
構造化データで備えよう (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
「似ている商品」という機能が、グーグルの画像検索に導入された。その名のとおり、「今見ている写真と同じような商品」を提示してくれるものだ。
「商品」という言葉からわかるように、販売されているものが対象だ。現在サポートしているのは「ハンドバッグ」「サングラス」「靴」のカテゴリだけ。ただし今後数か月以内に「衣料品」「ホーム&ガーデン」といった他のカテゴリにも対応する予定とのことである。
「似ている商品」に掲載するためにはサイト側での構造化データ設定が必要だ。
ページに掲載している商品に、schema.org の商品マークアップ(画像参照を含む)を追加します。ホストページで商品の名前、画像、価格と通貨、在庫の各メタデータを記述すると、「似ている商品」の表示対象となります。
ECサイト運営者にとっては、画像検索からの検索トラフィックを獲得できるチャンスが増え、大きなメリットだろう(しかも広告ではないので費用は発生しない)。
「似ている商品」の対象カテゴリのアイテムをサイトで販売しているなら、公式記事をよく読んでおくといい。
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- 技術がわかる人に伝えましょう
別々のURLのモバイル構成にVary ヘッダーはもはや不要
かなり前から消滅していた (グーグル ウェブマスター ヘルプフォーラム)
Webサーバー設定に関する少し技術的な話題を1つお届けする。具体的には、PC/モバイルページを示すHTTPヘッダー「Vary」の必要性に関するものだ。
モバイルサイトとPCサイトの構成には、主に次の3種類がある。
- レスポンシブWebデザイン
- スマホ向けページとPC向けページは別URL(必要に応じてリダイレクト)
- 同一URLで動的に出し分け(アクセスごとにサーバー側で端末を判断して適切なページ内容を返す)
サーバーがVary HTTPヘッダーを返すべきかに関する筆者の認識は、これまで次のようなものだった。
- レスポンシブWebデザイン ―― Varyヘッダー必要なし
- 別URL ―― Varyヘッダー必要
- 動的出し分け ―― Varyヘッダー必要
しかし今は、次の認識が正しいようだ。
- レスポンシブWebデザイン ―― Varyヘッダー必要なし
- 別URL ―― Varyヘッダー必要なし
- 動的出し分け ―― Varyヘッダー必要
つまり、「モバイル/PCで別URL構成」では、Vary HTTPヘッダー必要ない。
サポートする3種類のモバイル構成を2012年6月にグーグルが発表したときは、別々のURLで自動リダイレクトを設定しているサイトでは、Vary HTTPヘッダーを送信するようにたしかに指示していた(リンクは過去のページアーカイブ)。
しかしその後(いつかはわからないが少なくとも2~3年前くらいから)、Vary HTTPヘッダーの記述は削除された。現在のドキュメントにはVary HTTPヘッダーに関する記述は存在しない。
したがって、別々のURL構成でのVary HTTPヘッダーは、必須でも推奨でもない。設定して悪いことはもちろん起きないだろうが、わざわざ設定する必要もないだろう。
なお、動的な配信では今までどおりHTTP Varyヘッダーが推奨されている。
- 別々のURLでモバイル構成しているWeb担当者に知っておいてほしい
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掲載記事からピックアップ
PWAとサイトマップに関する記事を今週はピックアップ。
- PWAに対応したTwitter Liteをツイッターが公開、アプリのような使い勝手をモバイルサイトで実現
完全にアプリの置き換えになる使い勝手の良さ
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- PWAに興味があるWeb担当者
- Googleは、サイトマップのpriorityを無視する。lastmodは正確なら利用する。
意味がある要素にだけ時間を費やすべし。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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