グーグル公式「301リダイレクトは1年経ったら外していいよ」発言の真意とは?【SEO記事12本まとめ】
グーグルのジョン・ミューラー氏が「URL変更の301リダイレクトは、1年経ったら外していい」と解説した。はたして、それでリンクジュースは確保されるのか? 検索ランキングやトラフィックへの影響は? ミューラー氏の真意を解説する。
ほかにも、今週はグーグルSEOとMFIとAMPに関する次のような情報をまとめてお届けする。
特に、「グーグルディスカバー最適化」を渡辺氏が解説した記事はぜひチェックしてほしい。
- 検索トラフィックを300%にしたグーグルによるグーグルSEO成功事例のポイント
- インデックスを大量に削除したい? それならサイトマップを使う裏技はいかが?
- MFIに移行できないサイトの2大原因
- MFI移行のおしらせが大量に届いてしまう問題に、グーグルが対応
- グーグルディスカバー最適化――2019年に取り組みたいトピックを渡辺氏が解説
- ページ分割でrel="prev/next"を実装しているのに2ページ目が検索結果に出るのはなぜ?
- サイトを一気にいろいろ変えたら、検索順位はどうなる?
- PWAを開発できる日本の制作/開発会社リストをグーグルが公開
- AMPをテーマにしたカンファレンスをグーグルが東京で開催
今週のピックアップ
グーグル公式「301リダイレクトは1年経ったら外していいよ」発言の真意とは?
鵜呑みにしないでね (John Mueller on Twitter) 海外情報
サイト移転やURL変更時の301リダイレクトをいつまで残しておくかについて、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにコメントした。
しばらく経過して、リダイレクトがもう必要なくなり(普通は最低でも1年をすすめる)、リダイレクト元からのトラフィックがなくなれば、削除してもかまわない。そのほうが長期の管理が楽になる。
If they're no longer needed after a while (usually I recommend keeping them at least a year), and you don't see traffic to them, then removing them is fine since it makes long-term maintenance easier.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) January 18, 2019
ミューラー氏は「最低でも1年間リダイレクトを継続しておけば、解除してもいい」と言っている。この部分だけを切り取ると、1年経てばリダイレクトを解除しても大丈夫だと解釈してしまう。
しかし必ずしもそう単純なことでもない。ミューラー氏の発言の背景を説明する。
ミューラー氏は「1年」と言っているが、大前提としてリダイレクトの効果があるのはリダイレクトが有効なときだけだ。いったんリダイレクトを解除すれば、旧URLにアクセスしたユーザーが新URLに転送されなくなることに加えて、旧URLに与えられていた検索エンジンの評価、たとえば旧URLに張られている被リンクの価値は新URLには引き継がれなくなってしまうのが実情だ。
こうした状況についてミューラーは次のように説明している(強調や改行は筆者による)。
グーグルが旧URLにクロールしなくなったら、評価シグナルとしてそのページはもうさほど役に立たないだろう。
リダイレクトがなくなれば、評価シグナルもなくなってしまうのはたしかだ。しかし、とくに関連性がなくなっているのであれば、シグナルがなくなるのはたいしたことではない。
存在していないとわかったら、グーグルがリダイレクトとして扱うことはない。
もちろんリダイレクトをずっと保持しておいてもかまわない。たいていは保持しておくためのコストはかからない。
だが現実問題として、いつか解除するか忘れてしまうかするだろう。でもそれでも問題ない。
私が「最低でも1年」をすすめたのは、ウェブは変化するものだし、古いURLはいずれ今ほどには重要ではなくなるからだ。
If we're not crawling the page anymore, it's often no longer that useful for signals either. If it goes away, we lose those signals, but if the page is irrelevant, that doesn't matter. We don't treat something as a redirect if we know it no longer exists.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) January 21, 2019
Yes, usually keep them, often the "cost" is low to keep them anyway. In practice, at some point they just get dropped / lost, which is generally fine too. My recommendation is "at least 1 year" because at some point the web has moved on and those URLs are less critical.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) January 21, 2019
つまり、ミューラー氏が「1年」というのは、次のような意味だ ―― 旧URLにユーザーがアクセスすることがなくなり、かつ旧URLの評価がなくなっても影響を受けなくなればリダイレクトを解除しても大丈夫だ。それにはたいてい1年ぐらいはかかるだろうという感覚的な期間としてミューラー氏がわかりやすく示しているのだ。
少なくとも「どんなサイトでも1年経てばリダイレクトを解除していい」という意味ではない点に注意してほしい。
SEOの本職ならば、旧URLへのトラフィックやロボットアクセスを定量的に計測しておいて、その動きをみながらリダイレクトを止めて問題ないか判断するのがいいだろう。
しかし、そこまでの工数をかけられないのであれば、ミューラー氏の言う「1年」を基準にするといいのかもしれない。
また、1年どころか5年後であっても、リダイレクトをなくせば、旧URLについていた評価は新ページに渡らなくなる。トピックや検索意図やユーザーニーズが変わっていないのであれば、本当にリダイレクトをなくして大丈夫なのかはしっかりと検討・調査すべきだろう。
それにしても、「グーグルがクロール効率を高めたくて、古いリダイレクトを少しでも減らそうとしているのではないか」と邪推するのは、さすがに考えすぎだろうか。
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グーグル検索SEO情報①
検索トラフィックを300%にしたグーグルによるグーグルSEO成功事例3つの施策ポイントとは?
基本に忠実なことばかり (Think with Google) 海外情報
グーグルは、グーグルが運用しているサイトのSEO成功事例を紹介した。つまり、グーグル自身によるグーグルSEOの成功事例だ。
この事例紹介では、検索トラフィックを増やして成果を伸ばすために行った3つの施策を解説している。
小さな改善の積み重ね
小さな改善を積み重ねることに取り組んだ。
たとえばグーグルマイビジネスのサイトは、ウェブファンダメンタルズのいくつかの推奨に従って改善を実行した。これにはrel="canonical"
を実装して正しいURLをインデックスさせるようした基本的な施策も含まれる。
結果として、オーガニック検索からのトラフィックが2倍近く増加した。
変化を恐れずに、取り入れる
AMPやPWA、構造化データなど新しい機能を積極的に導入した。次のような成果を得た。
- AMPのエラーを修正していくことで、検索結果での表示回数が200%増加
- コンテンツを全体的に見直していくことで、強調スニペットに採用されるようになり、検索結果での1日の表示回数が1000回増加
サイトの統合
以前は、「似たようなコンテンツではあるものの、ターゲットにするユーザー属性が異なる」という理由で、複数のサイトができあがってしまっていた。そうすると、コンテンツが重複してしまい、ユーザーだけでなく検索エンジンも混乱させることになる。
そこで、小さなサイトをいくつも持つのではなく、1つのすばらしいサイトを作り上げる方針にした。グーグルの小売販売向けサイトでは、6つのサイトを1つに統合して作り直したのだが、次のような成果が出た
- CTA(call-to-action)のクリック率が2倍(※筆者補足:購入ボタンやフォーム送信などコンバージョンにつながる行動が増えたという意味)
- オーガニック検索のトラフィックが64%増加
グーグルのSEO成功事例と聞いて、さぞかし驚くような施策を取り入れたと期待したかもしれない。しかし、まったくそんなことはない。極めて基本に忠実な施策ばかりだ。それでも確実に成果をあげている。
SEOに特効薬はないことをグーグル自ら示した点でも貴重な事例だ。
ちなみにこの事例はグーグルのサイトではあるが、検索チームはまったく支援していないとのことである。むしろ、検索は完全に分離していることを徹底するため、一般のウェブ担当者よりもSEO情報を得ることが難しかったかもしれないそうだ。
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インデックスを大量に削除したい? それならサイトマップを使う裏技はいかが?
削除を確認したらサイトマップは不要 (Webmaster Central Help Forum) 海外情報
低品質なページを大量に削除しました。ところが、7か月ほどたってもインデックスに残ったままです。検索結果からの削除をどうやったら早めることができますか?
英語版ヘルプフォーラムに投稿されたこんな質問に対して、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように返信した(改行や強調を筆者が追加)。
品質が低いページはクロール頻度が低いので、更新されるまでにかなり長い時間がかかることがある。
ただそういったページは通常は問題ない。そうしたページをグーグルはすでにたいして重視しておらず、問題を起こすこともない。いずれは消えるだろう。
削除を早める方法としては、一時的なサイトマップの送信がある。検索結果から削除したいURLを、最終更新日時(404やnoindexを設定した日時)とともにサイトマップに記載するといい。そうすれば、再クロールするURLだとGooglebotが認識できる。
URLの削除が確認できたらサイトマップは撤去していい。長期的には必要がないものだ。
通常、サイトマップは「インデックス登録させるURL」をクロールさせる目的で用いる。ところがミューラー氏は、「インデックス削除させるURL」をクロールさせる目的でサイトマップを使う裏技を紹介したのだ。
たしかに、グーグルにとっては新規登録でも更新でも削除でも、どうせクロールして処理するのだから、理にかなっているやり方だ。
ページを削除したのならばURL削除ツールを使えばいいと思うかもしれないが、URL削除ツールは「機密情報が誤って公開されている場合など、すぐにブロックする必要があるコンテンツ」を、まず検索結果に出さないようにするためのものだ。
Search Consoleのヘルプでは、URL削除ツールに関して「誤った情報をクリーンアップする目的でこのツールを使用しないでください」と記載されている。
適切ではない目的でURL削除ツールを使わないようにするためにも、こうした手法をしっておいて損はないだろう。
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モバイルファーストインデックスに移行できないサイトの2大原因
MFI移行したページは検索結果の半数超え (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
MFIに移行したかどうかの確認方法と、MFIに移行していないサイトに見られる代表的な問題点を、グーグルのウェブマスター向け公式ブログが解説した。
MFIの確認方法には次の2通りがある:
MFI移行できないサイトにある代表的な問題は次の2つだ:
- デスクトップ版ページには構造化データがあるのに、モバイル版ページには構造化データが入っていない
- モバイル版ページの画像(img要素)で、alt属性(代替テキスト)がちゃんと指定されていない
モバイルファーストインデックス(以下、MFI)が開始されてからこの3月で1年になる。グーグルによれば、MFIに移行したページがグローバルでの検索結果の半数を超えたそうだ(※筆者補足: 発表されたのは2018年12月9日)。
もっとも裏を返せば、半数近くのページが依然としてMFIに移行していないということにもなる。
MFIへの移行がまだ完了していないサイトのウェブ担当者は、このブログ記事をよく読んでほしい(ただし、移行準備が整っていたとしても移行の対象になっていないこともある。MFI移行のガイドラインに確実に従っていれば心配いらない)。
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MFI移行のおしらせが大量に届いてしまう問題に、グーグルが対応
1サイト1通から1ユーザー1通へ (John Mueller on Twitter) 海外情報
サイトがMFI対象になったらSearch Consoleに通知が届くのだが、どうやらグーグルは、このMFI移行通知の送信を一時的に停止していたようだ。
Search ConsoleのURL検査ツールで調べるとMFIに移行していると思われるのに通知が届いていない、そんなサイトもあったかもしれない。しかし心配はない。
というのも、グーグルはこれまで、「サイトごとに1通のMFI移行通知」を送っていた。しかもバッチ処理での一斉送信だ。これだと、たくさんのサイトを管理している場合、朝起きてみると移行通知でメールボックスがあふれかえっているといった事態になる。
そこでグーグルは1サイト1通の方式をあらため、1人のユーザーに1通のメールだけを送り、そのなかに移行したサイトをリストするようにした。実際の通知がツイッターに投稿されている。
この準備のためにMFI通知の送信が止まっていたのだろうか。こうした通知が届けばMFI移行に関しては一安心だし、複数のサイトを管理している人間としてはわかりやすくてありがたい。
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