①や©などの環境依存文字はHTMLでは文字参照にする ―― そんなルールはもう不要!【SEO情報まとめ】
「HTMLでは、機種依存文字は文字参照(実体参照)にすること」そんなルールがまだ社内に残っていたら、見直すのがいいかもしれない。
今週は、SEOのトピックそのものズバりではないが、意外と見落としがちな、イマドキWeb制作のトピックをピックアップ。
ほかにも、「口コミはまず10個」「LPに動画を置くとCVRが下がる」などなど、あなたのSEOとサイト運営に役立つ情報を今週もまとめてお届けする。
- 10個の口コミを集めればローカル検索では順位アップする!?
- ランディングページに動画を置くとCVRが悪くなる!?
- 関連性がなくなっている古いリンクはランキングには影響しない
- 検索結果に出てきたサイトの素性がわかる機能をグーグルが導入
- グーグルのタイトルリンク書き換えはサイト品質とは無関係
- カニバリゼーションで順位が下がった ⇐ だいたい思い込み
- 2022年11月のオフィスアワー: ECサイトのトップページが上位表示しない、視認性の高い動画が検出されないなど
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今週のピックアップ
①や©などの環境依存文字はHTMLでは文字参照にする ―― そんなルールはもう不要!
UTF-8ではそのまま記述できる (Zenn) 国内情報
①や©のような環境依存文字をHTMLでウェブページに記述する際は文字参照(文字実体参照や数値文字参照)で書かなければならない――①なら
①
、©なら©
のように。
このように理解している人も多いのではないだろうか。たしかに昔はそうだったのだが、現在はそんなことはない。
特殊記号を文字参照にする必要があったのは、Shift_JISやEUC-JPといった文字エンコーディングでHTMLを書いている場合の「環境依存文字」だ。環境依存文字(機種依存文字)とは、「Windowsでは意図したとおりの文字で表示されるが、Macでは違う文字になる」ような文字のことで、「①」「Ⅷ」「㌫」「㎏」「㍼」などの文字がそうだ。文字に割り当てている文字コードが機種によって異なるため、作成者と違う機種でもこうした文字を意図したとおりに表示するには、HTML内でテキストとしてではなく文字参照として記述する必要があった。
しかし現在のHTMLでは、ほとんどの場合文字エンコーディングにはUTF-8を使っているはずだ。UTF-8にはこうした「環境依存文字」の問題は存在しないため、UTF-8で定義済みの文字ならば文字参照にする必要がない。
例外として、今でも文字参照すべき特殊記号として次の5種類を元記事では挙げている。これらは文字エンコーディングとは関係なく、HTMLの「予約済み文字」(またはそれに類する扱い)の文字なので、文字参照にしなければブラウザが正しく表示(または処理)できないのだ。
<
(→<
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(→>
)&
(→&
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(→"
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(→'
)
また注意点として、今でもShift_JISやEUC-JPなどの文字エンコーディングでHTMLを記述するのならば、環境依存文字は文字参照化する必要がある。
SEOとは直接の関係はないのだが、HTMLをいじる機会があるウェブ担当者も読者には多いはずだ。知っておいて損はない。ウェブ制作担当者にも知っているかどうか確認しよう。
- HTMLに触れる機会があるすべてのWeb担当者 必見!
- ウェブ制作者に伝えましょう
グーグル検索SEO情報①
10個の口コミを集めればローカル検索では順位アップする!?
10個を超えると影響力は逓減 (Sterling Sky) 海外情報
口コミは多ければ多いほどローカル検索ランキングで有利になるのだろうか?
ローカル検索において、ビジネスに対する口コミ(レビュー)の数はランキング要因である ―― これはよく知られている事実だ。グーグルのヘルプ記事でも次のように明記している:
Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
では、口コミは数が多ければ多いほどランキングにプラスに働くのだろうか?
ローカルSEOを専門にコンサルティングしているSterling Sky(スターリング・スカイ)のジョイ・ホーキンス氏が検証した。
自分たちの検証結果と、ほかのローカルSEOの経験をもとに判断すると、口コミの数が10個に届くとランキングにポジティブな影響を与えるようだ。ところが、10個を超えるとそれ以上口コミを増やしても効果の上昇は逓減し、目に見えるような順位上昇は起こらないとのことだ(口コミが多ければ多いほど、さらに口コミが増えたときに上昇する程度が減っていく)。
事実だとしたら、ローカルSEOに取り組むビジネスでは、まず10個の口コミを目標にするとよさそうだ。ただし、テスト自体が大規模なものではないし、業種や競合の状況によって変わる可能性もある。そのため「まず10個の口コミ」は、あくまでも参考情報だと考えてほしい。
もちろん、ランキングに影響しないからといって10個で満足すべきではない。多くの口コミがランキングに与える影響が限定的だとしても、検索結果に表示されたときのクリック率や最終的な実店舗への訪問の意志決定には影響を与えるはずだ。
ユーザーは、口コミの内容や評価を見てあなたのビジネスの評判を知る。好意的な口コミがたくさんあるに越したことはない(ついでに言えば、否定的なコメントであっても参考になる。ただし否定的なコメントに対しては誠実な返信が求められる)。
また、口コミは、数あるランキング要因の1つに過ぎない。10個集まったとしても必ずしもランキングが上がるとは限らない。
- ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ランディングページに動画を置くとCVRが悪くなる!?
大規模テストの結果から判明 (Unbounce) 海外情報
SEO(検索エンジン最適化)ではなくCRO(コンバージョン率最適化)に関するトピックを紹介する。
ランディングページに動画を設置するとコンバージョン率が上がる ―― CROに取り組んでいるウェブ担当者なら、こんな情報を見聞きしたことがあるかもしれない。
これは、果たして真実なのだろうか?
CROを専門にコンサルティングしているUnbounce(アンバウンス)が、クライアント3万5000社のランディングページを材料に大規模な調査を行った。
その結果、ほぼすべての業種で動画はコンバージョン率アップにほとんど寄与しなかったという。むしろ、教育や不動産など一部の業種ではコンバージョン率が大きく下がったそうだ。
どんな状況であっても、総じて、動画はCROには役に立たないとUnbounceは結論づけている。業種の違いだけではなく、次のような要素の間でも目立つ差異は見られなかったという:
- 動画のタイプの違い
- コンバージョンのタイプの違い
- 参照元の違い
- デバイスの違い
もちろん、「動画は絶対にCROへの効果がゼロ」だというわけではない。表示パフォーマンスに気を遣い、UXを阻害しないようにうまく使えば効果は出るだろう。ランディングページに動画を設置する場合は必ずA/Bテストで効果測定すべきだろう。
また、興味深い調査結果として、トラフィックチャネルによる違いがある。
動画なしのほうが総じて良い成績なのだが、オーガニック検索トラフィックに関しては、動画があってもコンバージョン率はさほど大きく下がっていなかったのだ。他のチャネルからのトラフィックと違って意図が明確であるため、動画の影響が少なかったのかもしれない。
元記事では、ここで示したもの以外にも多くのデータをグラフとともに紹介している。興味のある人は、ぜひ元記事を参照してほしい。
Unbounceの調査は、偏りが出ないように次の点に留意して実施している:
- 季節要因の影響を避けるため3つの期間に分けて計測(2020年後半~2021年初頭)
- 各期間で約3万5000件のランディングページを調査
- 対象は「動画なし」「埋め込み動画(YouTube)」「背景に動画を使用」の3タイプで分類
- 業種とコンバージョン種類で分類(「フォーム入力」「ページ上でのクリック」の2種類)
- 参照元ごとにも分類(検索広告、ソーシャル、オーガニック検索)
- モバイルとPCで計測
- CROがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
関連性がなくなっている古いリンクはランキングには影響しない
404は品質の指標ではない (John Mueller on Twitter) 海外情報
古くからあるサイトを大幅にリニューアルしました。ドメイン名はそのままです。外部サイトから張られたリンク先ページが新しいサイトには存在しないので404を返してしまうURLがたくさんあります。どうしたらいいでしょうか?
こんな質問をグーグルのジョン・ミューラー氏がツイッターで尋ねられた。ミューラー氏は次のようにアドバイスした:
サイトがどのくらい古いかにもよる。(以前のサイトに向けて張られた)そうしたリンクは、新しいサイトにはもう関連性がない可能性が高い。検索にはさほど影響はないだろうと思う。
存在しないページへのリンクからたくさんのトラフィックがあるなら、リニューアルしたサイトの新しいURLへリダイレクトするといい(ユーザーであろうがクローラであろうが)。
「404が多いと品質が低いとみなされませんか?」という追加質問には、ミューラー氏は次のように回答した:
404があることは品質の指標にはならない。すべてのサイトに404がある。ページが存在しないときに404を返すのは、想定されることだ(から問題ない)。
Depending on how old that website is, there's a good chance these links are irrelevant and wouldn't change much. If you see a lot of traffic (users, crawlers) to the 404 pages from there, I'd pick a new URL on your site and 301 redirect to there.
— John Mueller is mostly not here 🐀 (@JohnMu) October 25, 2022
No, having 404s is not a signal for quality. Every website has 404s. That's expected when a page no longer exists.
— John Mueller is mostly not here 🐀 (@JohnMu) October 25, 2022
筆者のように古くからSEOに取り組んでいると、古かったとしても積み重ねてきたリンク資産はどんなものであれ失うのはもったいないように感じてしまう。しかし、今のグーグル検索は、リンクが古く関連性が低ければ、たいして評価しないのかもしれない。
新しいサイトに内容が近いページがあればもちろんそのURLにリダイレクトするのが好ましい。しかし、次のようなURLへのリンクなのであれば、単純に404を返すだけで問題ない:
- 関係するページがなく
- ユーザーが訪れることもないページ
404が多くても検索に悪影響を及ぼすことがないのはミューラー氏の言うとおりだ(ただし、存在すべきページが404を返すのは当然問題だ)
- ホントにSEOを極めたい人だけ
検索結果に出てきたサイトの素性がわかる機能をグーグルが導入
名称は「この検索について」 (Google Japan Blog) 国内情報
グーグルは「この結果について」という機能を検索に導入した。英語圏では昨年から利用できていた機能で、日本語を含む8言語にも展開した。
「この検索について」を利用すると、検索結果に出てきたコンテンツの提供元サイトの素性がわかる。
検索結果の各項目タイトル右側にある縦3点ドット(︙)をクリック/タップで「この検索について」のパネルが出現する。
パネルでは、グーグルがそのサイトを最初にインデックスした時期かがわかる。また、サイトがHTTPSを利用していればそれもわかる。
ウィキペディアに掲載されているサイトでは、ウィキペディアの説明が引用されることもある。
「この検索について」機能の利点をグーグルは次のように述べている。
検索結果として初めて目にするサイトが表示された場合などでも、より安心してリンク先にアクセスすることができます。これは、特に健康情報や金融情報などといった重要性の高い情報を探している場合などに特に便利にお使いいただけます。
検索結果に出てくるサイトの信頼性を近年グーグルは非常に重視している。「この検索について」機能もその流れをくむ仕組みだ。グーグルによれば、昨年英語でリリースして以来、「この検索について」機能は世界中で 24億回以上使用されたとのことである。
「この検索について」パネルで自分のサイトがどのような表示になっているかを確認しておこう。
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