
ポストGoogle時代がやってくるのか? ChatGPTが巻き起こす検索行動の変化
グーグル検索SEO情報②
ポストGoogle時代がやってくるのか? ChatGPTが巻き起こす検索行動の変化
4人に1人以上がChatGPTで検索開始 (Adobe) 海外情報
ChatGPTが、オンラインでの検索行動を大きく変えている。
ユーザーはさまざまなタスクにおいて、従来の検索エンジンよりもChatGPTを好む傾向が強まっている。
こうした「たぶんそうだろう」と思っていたことを、米国の消費者800人とマーケター200人を対象にAdobe(アドビ)が調査し、数値で明らかにした。
調査によると、米国のChatGPTユーザーの77%が検索エンジンとして使用した経験があった。世代別の検索利用率は次のとおりだ:
- X世代: 80%
- Z世代: 77%
- ミレニアル世代: 75%
- ベビーブーマー世代: 74%
特筆すべきは、調査対象者の24%が情報を探す際に、他のプラットフォームではなくChatGPTから始めるのが通例となってる事実だ。この傾向はZ世代が最も顕著で、28%だった。
ChatGPTの一般的な用途は次に示すとおりだ:
- 日常的な質問への回答(55%)
- ブレインストーミングや創造的なインスピレーションの追求(53%)
- 仕事関連のタスク処理(43%)
- 製品リサーチ(34%)
- 技術的な問題解決(29%)
- 金融に関するアドバイス(21%)
- オンラインショッピング(13%)
ユーザーがChatGPTを好む理由は、「複雑なトピックを効果的に要約する能力」(54%)や、「従来の検索エンジンよりもクリック数が少ないこと」(33%)にある。
大多数は、「ChatGPTが提供する回答がよりパーソナライズされている」と感じ(77%)、「創造的で自由な形式の質問により適している」と回答している(81%)。
また、信頼性にも変化が生じており、回答者の10人中3人が他の検索エンジンよりもChatGPTを信頼していると述べている。
ChatGPTは新たな発見のきっかけにもなっており、ユーザーの36%がChatGPTを通じて新しい製品やブランドを見つけている。特に、Z世代(47%)とX世代(37%)がその傾向を強く示している。
一方で、マーケターやビジネスオーナーは、プロモーションのためにChatGPTを活用しているようだ。特にマーケティング目的で使用している率はすでに47%にものぼる。最も一般的な用途は次のものだった:
- 商品説明の作成(57%)
- ソーシャルメディアのコピー作成(52%)
- ブログ投稿の作成(52%)
将来を見据え、3分の2が2025年に「AIでの露出」への注力を強化する計画であり、自社ブランドがAIによる回答で目立つように表示されることを目指している。これを達成するための主要な戦略には次のようなものが含まれる:
- データ駆動型コンテンツの公開(54%)
- AIを使用したプロンプトのテスト(48%)
- コンテンツをQ&A形式で構成する(42%)
米国での調査なので、日本にそのまま当てはめることはできない。それでも、特に若い世代で生成AIによる検索が増えているというのは気に留めておくほうがいいように思う。グーグルが導入しているAI関連の新機能はどれも若年層が積極的に利用しているとSearch Central Live Deep Diveに参加しているときに、あるグーグル社員から耳にしたことも付け加えておく。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
AIチャットの次はAIブラウザ戦争が勃発!? PerplexityがCometブラウザを公開
Chromeの牙城を崩せるか? (Impress Watch) 国内情報
AIの激化は、また別の競争として「ブラウザ戦争」(十数年ぶり3回目)を引き起こそうとしている。
Perplexity AI(パープレキシティ)は生成AIサービスで着実にユーザーを増やしている企業だが、独自のブラウザをリリースした。Comet(コメット)という名称だ。
AI企業のブラウザなので、Cometは従来のブラウザとは一線を画し、AI機能がふんだんに搭載されている。たとえば次のようなものだ:
- ページ(記事やYouTube動画)の要約
- そのページのコンテンツに関する質問に回答
- 商品比較
- 複数タブにまたがった処理
- エージェント機能(例:GmailやGoogleカレンダーとの連携)
具体的にできることを西田宗千佳氏がレポートしているので、詳細はそちらを参照してほしい(リンク先はインプレスのメディア)。
Cometはまだベータ版で、月額200ドルの有料サービス「Perplexity Max」利用者と、早期にベータ版のウェイティングリストに登録した人にのみ公開されている。今後、月額20ドルの「Perplexity Pro」契約者に公開され、最終的には、Perplexityの無料版を利用している人々にも提供される予定とのことだ。
「ブラウザ戦争」というぐらいだから、Perplexityだけではない。ほかにもAIで機能を強化したブラウザが続々と登場するようだ:
OpenAIも独自のブラウザを近々公開するとの情報もある。開発名は「Aura」(オーラ)らしい。こちらも、当然のことながらChatGPTと深く連携しているだろう。
マイクロソフトのEdgeも、Copilotとの連携を深めたCopilot Modeをリリースしている。
グーグルは、ブラウザを自動操作するAIエージェントとしてのProject Mariner(プロジェクト マリナー)を進行中だ。
生成AIチャットの次はAIブラウザ戦争の勃発というところだろうか。現状ではChromeがシェアトップだが、そのChromeだって、かつてシェアを独占していたIEやFirefoxを後発にもかかわらず抜き去った。CometやAuraが当たり前に使われる時代がくることも、あり得ない話ではない。
とはいえ、いずれもChromiumベースだろうし、そのChromiumはオープンソースとはいえGoogleが作っているものだというのが皮肉なものだ。
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グーグル一強は揺るがない!? 決算から読み解くグーグル検索の好調ぶり
AIOにより世界全体で検索数が10%増加 (Alphabet) 海外情報
グーグルの持ち株会社であるAlphabet(アルファベット)は2025年第2四半期の決算を発表した。検索に関わる数値を紹介しておこう(ソース: 決算資料とピチャイCEOの発言などの):
グーグル検索およびその他の収益は、前年同期比で12%増加し、2025年第2四半期には542億ドルに達した
AI Overview(AIによる概要)は、200以上の国と地域、40の言語で、月間ユーザー数が20億人を超える規模に拡大
AI Overviewが表示される検索の種類では、世界全体で検索数が10%以上増加
グーグルのエンドツーエンドのAI検索体験「AI Mode(AIモード)」は、米国とインドにおいて月間1億人以上のアクティブユーザーが利用
グーグルレンズによる検索は、2024年第2四半期以降、70%増加。ショッピングクエリの好調な成長に寄与
Circle to Search(かこって検索)は、3億台以上のAndroidデバイスで利用可能
AI Overviewの収益化は、従来の検索とほぼ同等のペースで進行
有料クリック数は前年同期比で4%増加
検索キャンペーンでAI Maxを使用している広告主は、通常14%多くのコンバージョンを達成
AI搭載機能は、検索の回数を増やす効果があるともピチャイ氏は言っている。「AI機能によって検索が便利だと知り、より頻繁に検索を行うようになっている」という流れのようで、特に若いユーザーに顕著だという。
そしてグーグルは、新しいAI体験に合わせて収益化アプローチを適応させている。当初はオーガニックなユーザー体験の向上に重点を置いていたが、収益化を効果的に反復していく予定だ。特にAI Overviewについては、従来の検索とほぼ同じ速度で収益化が進んでおり、これが新しく革新的な広告フォーマットを開発するための強固な基盤となっている。
ChatGPTやPerplexityなど生成AI検索の台頭によりグーグルの地位が脅かされているとの見方もある。しかしながら、決算発表をみる限りでは完全な杞憂に思える。むしろ、グーグルの検索数はさらに増え広告売上げも伸び続けている。
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Search Console Insightsがリニューアル、解析初級者に親切な設計
Search Consoleに統合 (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
Search Consoleに、新バージョンのSearch Console Insights(サーチコンソール インサイト)がリリースされた。Search Console Insightsは、検索トラフィック分析ツールとして4年前の2021年6月に公開された機能だ。SEO初級者にも扱いやすい分析が特徴だった。
以前のSearch Console Insightsは単独のツールだったが、新しいSearch Console Insightsは「分析情報」という名称でSearch Consoleのレポート機能の一部として追加されている。

新しいレポートで実行できる分析の例として次のようなものが紹介されている:
Google 検索での合計クリック数と合計インプレッショ数、前期と比較したトレンドの推移をすばやく確認できます。これにより、Google におけるサイトの健全性をモニタリングしたり、大きな変化を特定したりできます。
どのページが最も多くのクリックを獲得しているのかを把握することにより、オーディエンスに最も響いている要素を理解できます。クリック数の増加が最も大きい「上昇基調」のページと、更新やさらなる調査が必要な「下落基調」のページを把握することもできます。
ユーザーをサイトに誘導する上位の検索クエリを特定できます。また、「上昇基調」のクエリ(新しいコンテンツのアイデアを得るための優れた情報源)や「下落基調」のクエリも確認できます。
レポートの詳細はヘルプ記事で確認できる。
数週間をかけて展開しているので、ひょっとしたらまだ利用できていないかもしれないが、利用可能であればどんな状態かをチェックするといい。解析上級者にはもの足りないだろうが、解析に詳しくない人には重要な指標を簡潔に把握できる利点がある。
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Search Consoleのロゴが一新
新デザインに込められた意味は? (Google Search Central on LinkedIn) 海外情報
グーグル検索チームは、Search Consoleのロゴを一新した。
以前のロゴは、こういうデザインだった:

新しいロゴは、色味がついてデザインモチーフも変わっている:

新デザインには、次のような意味が込められているそうだ:
- パブリッシャーやクリエイターがグーグルで成長するのを支援するというミッションを表す棒グラフ
- サイトの問題点や機会の発見をヘルプすることを表現する拡大鏡
- Googleブランドとの統一感
カラフルでかわいらしくなった印象を筆者は受けるのだが、あなたの印象はどうだろうか?
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海外SEO情報ブログの
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SCのレポート新機能とLLMスパムの記事をピックアップ。
- Search Consoleパフォーマンスレポートで24時間ビューの比較が可能に
即時性が大切なコンテンツを公開しているサイトは重宝しそう。
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- ChatGPTの結果がLLMスパムに汚染され始めた
SEOの黎明期の様相
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