IRサイトに必要不可欠なもの
IRサイトに必要不可欠なもの
これまでの内容を踏まえて、IRサイトに必要な要素を洗い出してみました。自社のサイトと見比べて漏れがないか確認してみてください。
- IRニュース:IRに関係するものをまとめて提供(新鮮な情報を提供)
- IRイベントカレンダー:IRニュースを日付ごとに探しやすい機能として提供
- 企業情報:経営ビジョンや戦略、経営計画、CSR計画、社長メッセージなど
- IRライブラリ:決算情報や業績情報、財務情報など
- 年度別インデックス:年度別の情報や資料請求受付など
- 株式情報:配当金や株式手続き、株主総会、社債に関する情報など
- FAQ:IR情報に関するよくある質問とその答
- 用語解説:専門用語や馴染みのない用語に対する解説
- お問い合わせ:株主や投資家専用の問い合わせ先を用意
利用者が欲しい情報を探しやすくするために
IR活動を行っている企業は、明確に「IRのコンテンツはここにあります」と宣言することが重要です。コンテンツをそれなりに充実させる必要があるので、IR専用の独立したサイト※を設けるか、大きなコーナーを占める構造になります。
※ 必ずしも別ドメインやWebサーバーを分ける必要はありません。ユーザーにとってのナビゲーションが独立しているということです。
IRサイトのKPI
IRサイトの成果目標はIR活動全体での成果であるべきなので、成果指標もそのような視点で定めるのがいいでしょう。
社外アワード
さまざまな団体や企業がIRに関する評価を実施しています。IR活動全体を評価するものと、IRサイトの評価を行うものに大きく二分されるようです。前者は日本IR協議会、後者はゴメス・コンサルティング株式会社や大和インベスター・リレーションズなど証券会社主催のものがあります。それぞれの評価指標は異なり、多くの場合はWebサイトに公表されています。毎回、プレスリリースに企業名が発表されていますので、自社のランクが何位なのかを調べてみるといいでしょう。ランキングを上げるためにユーザー視点を忘れてしまってはいけませんが、各アワードもそれぞれユーザー視点に基づいた判定基準になっているようです。仮にランキング外でも、自社のIRサイトのチェック項目として利用してみるといいでしょう。投資家満足度
総会や説明会といった各種イベントや郵送物など、ターゲットに接する機会がそれなりにあるのもIR活動の特徴です。そういった機会を通して、IR活動やIRサイトに満足しているかというアンケート調査を実施してみるのもいいでしょう。アンケートの場合は、リニューアルの前後または定期的な調査を行い、数値がどのように変わるかで評価します。単発のアンケートで一喜一憂しないように注意しましょう。業務の効率化
IR業務の一環として、Webサイトの情報提供がどれぐらい効率化できているかという指標があげられます。「社外の制作会社に依頼して外注費が生じていたものが、社内で更新できるようになった」「年度の更新作業の期間とコストが前年の半分になった」などの数値を測定します。また、法律で定められているものを除いて、個人投資家に提供している印刷物や郵送物を代わりにWebサイトで提供することでのコスト削減・業務効率化を成果とするのもいいでしょう。その場合は必ず、「希望される方のみを対象に行う」として顧客満足度の低下を防ぎます。
IRサイト成功のためのチートシート
- 全体の流れを振り返って確認したい
- これから企画書を書くときの参考にしたい
- 社内の会議で参考資料として配布したい……など
そんな時にはこのPDFを印刷して活用して下さい。記事の内容を凝縮してA4 1枚のチートシートにまとめて、さらに自社用にも書き込めるようにしています。
今回は、IRサイトの第一弾として、IRサイトのユーザーの考え方をベースに企業の状態を正しく伝えるにはどうすればよいかといった基本的なお話をしました。次回は、投資家向け第二弾として、「総会以外のコミュニケーション手段としてのIRサイト」という切り口でお話したいと思います。
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