SNSコンテンツをどう作るか毎日悩んでいます。継続のコツや作り方のコツを教えてください!
オーガニック運用・広告配信・危機管理など、企業のSNS活用のポイント、最新情報を、SNSマネージャー養成講座の講師陣「チーフSNSマネージャー」のメンバーが、それぞれの得意分野を中心に解説します。
今回は楽しく学ぶアクセス解析&サイト改善【DPZ×ウェブ解析士】でも協力いただいている、ウェブ解析士の井水大輔氏(エスファクトリー代表)が回答します。
Twitterは1日に2回、Instagramは週に3回の投稿を目標としているのですが、投稿内容を考えるのがしんどいです。だんだんとネタがなくなり、内容を考えるのにもとても時間がかかります。どうすればよいのでしょうか?
まず、SNSで投稿するネタを無理に考えるのは止めましょう! ふだんの業務やお客さまとのやり取りのなかに、ネタはたくさん眠っています。その一部を切り取ることで、実業務との乖離もなくネタは絶えず出てきます。このように無理なく継続できる体制を作っていきましょう。
SNS運用の相談では、「投稿内容を考える時間がない」「こんな内容を投稿していいのか不安」という意見が、とても多く寄せられます。
投稿内容はSNSの運用目的や方針によって決めるべきですが、理想を追い求めすぎると行動がともなわず運用がストップしてしまう企業や個人の方に多く出会います。
そんなときは無理せず、ふだんの業務のなかから投稿のヒントを探していきましょう。
日常の業務こそが最高のネタ
日々の業務すべてが投稿のネタになることを知っておきましょう。見込み客(ファン)になる方は、あなたの会社やサービスに関わることが知りたいのです。つまり、日常業務で行っているような、
- 接客
- 製品づくりへのこだわり
- 社員間のコミュニケーション
などすべてが、フォロワーやファンの方に有益な情報になり得ます。
たとえば、営業さんや店頭スタッフさんがよく受ける質問を集めるだけ、一方的な発信ではなく見込み客の悩みを解決するコンテンツができ上がります。
私もTwitterを投稿する際は「何を投稿しようかな」と考えるのではなく、今日はこんな質問に回答したというものをツイートしています。以下は、「Twitterアナリティクスで何がわかるの?」という質問をクライアントからいただいた日にツイートした内容です。
Twitterアナリティクス
— 井水 大輔@ウェブ解析士マスター (@ImiDai) July 5, 2021
過去28日のデータ()は変動率
ツイート増やすと基本伸びる。
・ツイート 126 (↑142.3%)
・インプレッション 96,303 (↑91.9%)
・プロフィールへのアクセス 10,209 (↑169.3%)
・フォロワー数(↑146)
[PCメニュー]>[もっと見る]>[アナリティクス]から見られます。 pic.twitter.com/HxBWXUSQuN
このように日常的に起こるクライアントさんとのコミュニケーションをツイートすることで投稿の内容がなくなることはありません。
さまざまなヒントから投稿内容を考える
なんでも良いから投稿内容を考えるというのは大変なものです。
しかし、条件を決めて投稿を考えれば、比較的思いつきやすいでしょう。
(1)他部署をのぞいてみる
自分だけで考えるのではなく、会社全体のさまざまな部署に協力を仰ぎましょう。
たとえば、総務部のSNS運用担当が製造部へ取材にいくとふだん知らなかった商品づくりのこだわり、道具や工具の秘密なんかも信頼性を増すコンテンツになり得ます。
また多店舗展開されている企業さんでしたら、いつもと異なる場所をのぞいてみると掃除の仕方1つとってもこだわりが見つかるかもしれません。笑顔が素敵なスタッフの写真もコンテンツにできるでしょう。
このようにふだん担当者の目に届かない環境をちょっとのぞいて見て、これはいいな!と思ったことはどんどん投稿の候補にすると良いでしょう。
(2)ベンチマークアカウントを参考にする
SNSは当たり前ですが、競合他社や憧れの企業の内容も見放題です(笑)。ふだんから、
- 文章の作り方がうまいな。
- 写真の使い方が素敵!
- ユーザーとのコミュニケーションが上手だなあ。
と思ったアカウントをチェックして、基準やお手本(ベンチマーク)にすると良いでしょう。そうすることで、「自社でも同じような内容が作れる」「これだったら自社のほうが良い内容にできる」というコンテンツが分かってきます。
もちろん同業他社のアカウントだけではなく、幅広く「いいね!」と感じたアカウントを常日頃見ておくと、その幅は広がります。
(3) モーメントをヒントに考える
「今日は何の日?」「今月話題になることは何?」ということが一覧でわかるモーメントカレンダーを、Twitter社が提供しています。
自社の業界に関わることがあればもちろんですが、「今日はこんな日だったんだ!」という何気ない投稿ネタにも活用できます。
(4)ソーシャルリスニング(エゴサーチ)をして、ユーザーに話しかける
自分発信のみが、投稿ではありません。SNSではない日常業務においても同じですが、誰かの話や問いかけに応えることもSNSでは重要な要素です。
たとえば、以下は「SNSマネージャー」でソーシャルリスニング(エゴサーチ)して出てきたツイートに対して、公式アカウントよりリプ(返信)したものです。
このようなツイートもフォロワーのタイムラインには流れます。既存顧客や見込み客の方とのコミュニケーションは、それ自体素敵なコンテンツとして考えて良いでしょう。
SNS担当は誰が良いのか
「君はPCに詳しいみたいだから、Instagramの運用をお願いできるかな」
「事務作業と並行して投稿しておいて」
「君一番若いから、Twitterできるでしょ?」
社長から急にこんなことを言われた……という話を聞いたのは、1度や2度ではありません。もちろん、多くの企業で専属のSNS担当を雇うのはむずかしい現状にあるのは理解できますが、「PCに詳しい人をSNS担当者にする」というのはおかどちがいです。
SNSの基本はコミュニケーションです。営業マニュアルがあっても人と話すのを躊躇する人がいるように、SNSでも「この内容発信して良いのか?」「こんな返信して良いのか?」と躊躇する人は同じく存在します。
これまで話してきたように、ふだんの業務こそが投稿のネタになります。そう考えると、ふだんPCの前で作業している人より、自社サービスに詳しい営業や、絶えずお客様とコミュニケーションを取っている接客担当者のほうが、SNS担当として望ましいです。特に、積極的に他アカウントと交流していくと考えるとなおさらです。
自社製品や社員への愛着が強い人というのもSNS担当向きです。何より「自社のことを多くの人に知ってほしい」「顧客と良いエンゲージメントを築きたい」と思っているからです。そういう意味では、実は会社の代表が一番SNS担当に向いているのかも知れません。
運用企画と照らし合わせる
これまで投稿内容にフォーカスしてお話してきましたが、SNSをビジネス活用する上では「結局なんのために運用しているのか」を忘れてはいけません。
投稿が継続的にできていても「これってビジネスの成果に繋がっているのか?」という疑問が経営者のなかで生まれてしまい、ある日突然予算が削除されたり運用にストップがかかったりする、といったケースが、SNS運用ではよくあります。日々の投稿が目的達成に向かっているのかを意識することはとても重要です。
冒頭でもあげましたが、そのために以下の10項目を改めて見直してみましょう。
SNSの運用企画で決めておくと良いこと。
— 井水 大輔@ウェブ解析士マスター (@ImiDai) July 21, 2021
1. 運用目的
2. 対象となるユーザー層
3. 利用するメディアと理由
4. KPI指標
5. 各メディアでの集客手段
6. 運用方針・投稿頻度
7. ベンチマーク参考アカウント
8. 緊急時の対応
9. 運用担当&責任者
10. 2週間程度の投稿案#SNSマネージャー
逆にこれらの軸ができていれば、継続したSNS運用に繋がりやすく、悩んだときにどこを修正すべきか、分かりやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか? さまざまな投稿アイデアを解説してきましたが、SNSの本質はコミュニケーションです。無理に新しいものを生み出そうとしたり、ましてや信頼もないままにプロモーションばかりしても、うまくいきません。
- お客さまへの挨拶・接客
- お困りごとを解決するような対応
- 仕事に対する工夫やこだわり
このような日頃大切にしていることを、SNSというプラットフォームでも実現していくことが、SNSをビジネス活用する上での重要なポイントとなります。
商売の道理を忘れず、着実にビジネスの成果に繋げましょう。
井水でした。
2020年より私たちは、「SNSマネージャー養成講座」という資格試験をスタートしました。SNSマネージャーの上位資格である上級講座では、実際に運用しているアカウントをサンプルにして、徹底的に運用目的とKPIなどの必要項目を掘り下げて企画書を作成するワークを実施しています。
この記事を読んで「理屈はわかったけど、実際自社のアカウントに当てはめるとピンと来ない。さてどうしたものか……」とお悩みのあなた。ぜひチャレンジを。
タイトルデザイン、タイトルイラスト:995(Twitterアカウント)
三度の飯より猫が好きなイラストレーター。ゆるくてかわいいイラストが得意です。
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